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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 魔王討伐パーティー結成は、まずは勇者から! 編

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第5話 ジジイの前で、選択のとき!

「よくぞ戻ってきた聖女ティナ殿」

「はい勇者サムエル様、勇者の皆様のおかげでリッチを」

「すでに報告は受けた、父上からもな、やはり魔物全体に影響が出始めているようだ」


 この大陸に出現する魔物、

 それが徐々に全体的に強くなりはじめていて、

 しかもその速度が早くなっているという、私も目の前で進化を見た。


『ボクも強くなりたいなぁ』


 胸元で呟く妖精エアリー、

 この位置で喋ると小声なら周囲に聞こえない、

 辺りが静かでも……このあたりは妖精の力なんでしょうね。


「聖女の力は確かだったと聞いた、

 父も問題ないと言っていた、安心して弟子たちを任せられると」

「はい、いえ選ぶのは1人ですよね」「全員でも構わないが」「いえそれは」


 ……静かになる勇者の間、

 さすがに勇者4人と聖女1人のパーティーは、

 私は思わずサムエル様の横で腕組みして立っているエルディス様を見る。


「うむ、やはり『相性』というものがあるからの、

 ワシが観た限りは……おっと余計な事は言うまい、

 ただ、重要なのはティナが『誰を選ぶか』ということじゃな」


 最後に全てを持って行った伝説の勇者様、

 自分で飼っていたリッチが手におえない進化をしそうになったので、

 慌てて自分で狩るという自作自演のような状態だったけれども、そのひと振りは凄まじかったわ。


(階段でコケるのは、勘弁して欲しかったわ)


 それよりも、

 私の横にずらりと並んだ勇者4人。


「では順番に話を聞いてやるか?」

「いえサムエル様、もう決まっておりますゆえ」

「そうか、さすが聖女、決断が早いな」「ええっと、もう言ってもよろしいでしょうか」


 さあ、選択のときだわ。


「うむ、きっと長い長い旅になる、その身を預けられる相手を選ぶが良い」

「エルディス様、ありがとうございます、まず勇者の方々、みなさんそれぞれ、

 各個人の力は確かだと思います、ですので選ばれなかった方は、運がなかったと思って」


 ひとりひとり見る、

 まずはやんちゃ勇者イザル、

 まるで俺だろって言っているような仕草をしている。


(残念、貴方のハーレム要員は、私ではないわ)


 冒険者パーティーは勇者が居れば勇者が中心で回る、

 でもこの勇者は、私にとっての勇者様ではない、一応は微笑んでおきましょう、

 続いて見たのはひとり飛ばして女勇者フィオネ、あいかわらずネットリした視線の目が怖い。


(女性だけのパーティーを目指すとしても、あれは無い)


 なにより虫かごの中に蛇とカエルを一緒に入れるような状況になる、

 宿屋で寝込みを襲われるとか、エアリーが熟睡していたらどうしようもないわ、

 これからの長い旅路を考えると、拒絶し続けるか落ちるかの二択、どっちも選びたくない。


(そういう世界は、創作物として読むだけにしておくわ)


 こちらも軽く、

 私の中ではお断りの会釈を、って怖い笑顔で返さないで!

 そして端のおどおど勇者オムイくん、なぜか両手で祈っている。


(さすがに彼の保護者になるのわね、もちろん能力はあるのだろうけれども)


 私は一緒に魔王を倒す旅の仲間を選ぶのであって、

 お母さんやお姉さんになるつもりは無いとでも言うか、

 もっとこう、色々としっかりしてからでしょうね、軽い会釈でお断りを察して!


(そして最後に見るのは大本命よ)


 というか彼しかいない、

 勇者ニルド様の前ではもはや他の3人は引き立て役、

 むしろ彼の良さを強調するために駄目な勇者3人を同行させた、まである。


(欠点は見当たらない、イケメンだし)


 リーダーシップも問題なし、

 頭脳明晰、気配りも出来るから、

 今後の新しいパーティーメンバーとも上手くやれるでしょうね。


「ではティナよ、選べ」

「はいエルディス様、私が選ぶのは……勇者ニルド様です!!」


 その言葉にガッカリする他の3人、

 いや選ばれる可能性なんてあると思っていたの?!

 私はニルド様の前へ歩み寄り、笑顔で改めて語りかける。


「ニルド様、一緒に魔王討伐へ、参りましょう」


 するとそれまですまし顔だったニルド様が、

 急に困惑した表情になり、深々と頭を下げた!


「……すまない、私は一緒には行けない」

「え? ……えっ? ど、どうしてでしょうか」

「実は……好きな人が居るんだ」「えええええぇぇぇぇぇ……」


 ど、どっ、どういうこと?!?!


「いや本当に済まない、選ばれなかったら何事もなく『それならば』と、その人のもとへ行くつもりだったんだ」

「でも、私、選んでしまいましたわ」「そのときは謝って断ろうと、今がまさにそうだね、ごめん、申し訳ない」

「じゃあ、ではなぜダンジョンに」「封じていたボスが魔王に進化しそうと耳に入ってね、それを倒す最低限の義務は遂行したくて」


 そんなぁ……むしろなぜ選ばれないと考えてたの?!

 あれだけやって、まさか、まさかの御断りをされるとは!

 ってこれ、私いったい、これからどうなちゃうのおおおぉぉぉ?!?!


(胸元でエアリーがクスクス笑っているし!!)


 縋るように私は伝説の勇者、

 エルディスの方を見ると、その表情は……まさに驚愕していた。

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