第43話 ジジイには女アサシン、そして私には!
「さあさあ皆さん、昨日とは比べものにならない豪華な食事を」
夕食、中立地点のはずの王都騎士旧宿舎、
今日色々とお世話になったネヴィラス家による、
お礼の食事をいただいている、うん、これは豪華ね。
(エアリーはテーブルの下で食べてます、私の膝上)
昨日は魔力の使い過ぎで熟睡、
今回は人が多かったもののそこまでの重症は少なく、
休憩もばっちり取らせて頂いたからこうして普通に食べられる。
(いや味は普通どころか凄く美味しい、張り切ってるわね)
これもお布施ということにしておきましょ。
「してガイア、スクウィーク、どうじゃった」
「おうエルディス、これがなかなか面白くてなあ」
「僧侶はもちろん助かったが、ビジランテの弟分とかいうのが大活躍であったゆえ」
あっちにも行ってたんだ、
どれだけお弟子さんが居るのよって、
とはいえ伝説の勇者パーティーですものね。
「して、そやつは」
「ダンジョンから出たら、もういなかったぞ」
「我には『じゃ!』の一言だけ聞こえたが素早過ぎたようだ」
それにしてもジジイの皆さんに料理を持ってくるメイドさん、
みんな色々と魅力的ね、同じメイド服だからネヴィラスさんとこの、
と思ったら1人だけ違うのが、細見なのに胸だけやたら大きいメイドさん。
(昨日とは違う女アサシンね)
いや昨日も、昨夜もなのだけれど、
ジジイのうち誰かの部屋に行っていても知らない、
知りたくないし興味ない、あっても言わないで欲しい。
「ティナ、次~」
「あっはいはい、柿で良いわね」
「美味いなー、ボク、今日頑張った甲斐があったよ」
エアリーをやさしく撫で、
私も私でいただいていると……!!
「さあティナ様、こちらはお魚になります」
「少しお酒の入ったジュースはいかがでしょうか」
「よろしければ、お口を拭かさせていただけますか?」
こ、こっ、これはあ!!
(イイ男が3人もきましたわぁ!!!)
2人は同じ執事服、
でも1人は違う、ということはぁ……!
心なしか他の2人より一番良い男に見えてしまう、どきどき。
「ティナ様、今夜お話が、よろしいですか?」
「ええっと、真面目な話でしたら、ビジランテ様の居場所とか」
「こういうのは男と女の駆け引きですよ」「あっ、じゃあいいです」
そんなのやってたら聖女は務まらない、
瀕死の重傷を治療して銅貨1枚しか貰えなかったり、
深爪を治しただけなのに金貨10枚貰えたりするのが聖女ですもの。
(駆け引きで会話してる暇があったら、1人でも多く治癒したいわ)
まあ私の場合は特殊だけどね、
15歳でやって良い魔力の治癒魔法じゃないって自覚はある、
だからこそ伝説の勇者様に妖精込みで護って頂いているのだけれども!
「良いのかい? ビジランテに会えなくても」
「ひょっとして『弟子を出して欲しければ試練を』とか? 私、試練は修道院でお腹いっぱいです」
「では良いんだね?」「試練を与えたければエルディス様たちの方へ」「……まあ私ではビジランテに会えないんだけどね!」
なーんだ、一気に醒めたわ色々と、
私はイケメンにドキドキしても恋の駆け引きとかになると醒めるタイプ、
やっぱり人の生き死には秒単位で関わってくるから、のんびり掛け合いを楽しむ暇が惜しい。
(職業病かしら、単なる性格?)
まあ良いわ、
今夜も大人しくエアリーと寝ましょう、
それにしてもジジイとジジイとジジイはデレデレしてるわね。
(スクウィーク様の奥様に、後で手紙出しておかなくちゃ)
呪いが発動しても、
知るーらないっと。
「ティナ、そろそろ次」
「はいはい、グレープフルーツをどーぞ」
明日は違う派閥でしたっけ、
また何事も無いと良いのだけれども!
「あの、ティナ様」
「はいメイドさん、なんでしょう」
「今夜、私がお伺いするというのは」「だーかーらー!!」
(その趣味は、なーーーーーい!!!)
なんだか、そんな風に見える素養というか、
気配? オーラ? でもあるのかしら、ねえ。
(百合ハーレムと逆ハーレムなら、まだ逆ハーレムの方が)
とはいえ現実は、
ジジイハーレムの一歩手前ね、
とりあえずの最後の1人こそは!!!




