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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第四章 過ぎ去りしジジイを求めて、おそらくはここで出会えるはず! 編

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第41話 唯一と言って良い中立地帯で、ジジイに迫る女アサシン!

「ティナ、目が覚めたか」

「ん……んん……ここは、どこでしょうか」

「やはり記憶に無いか、気絶するかのように寝ていたからな」


 エルディス様に起こされたここは寝室、

 かなりの魔力を消費した回復魔法の連発、

 横ではエアリーも眠っている、うん、一緒に力尽きた。


(結界魔法を使う暇も無いくらいに……)


 私が起き上がるとエアリーも目を覚ます。


「んっ、ティナおはよう、もう朝か?」

「外は……夜ね」「ああ、かなり遅いがまだ明けてはいない」

「ティナ、ボク、お腹空いた!」「術中、あれだけ食べたのに?!」「魔力になったからなー」


 そう言われた私も激しい空腹感に襲われる。


「ティナの方こそ夕食はまだだろう」

「あっはい、皆さんは」「俺達はとっくに食って風呂も上がった」

「まあ、お風呂もある宿ですか」「そのあたりの説明はガイアがしてくれる」


 ということでエルディス様についていくと……

 ガイア様がスクウィーク様と呑んでいた、そして呑みの席は三人分、

 ついさっきまで座っていたであろう場所にエルディス様が戻った感じ。


(お酒飲んで盛り上がってて、そういえばって思い出したパターンね)


 私は私で席が用意してあるっぽい。


「うおーーーい、ティナが起きたぞ、飯を用意してやってくれー」


 やってきたのは細身のメイドさん、

 にしては1人で多くの料理を運んでくれる、

 トレイを3枚抱えているわね、全てに食事や飲み物を乗せて。


「すみませんこんな夜遅くまで」「いえいえ」

「彼女だけ残ってくれた、3つの派閥のメイドが競ってワシ達をもてなしてな」

「3種類のメイド服がサービスしすぎてな、俺もさすがに引いた」「ど、どういうサービスを」


 スクウィーク様がお酒を呑み干す。


「我は一歩退いて断った、呪いが発動するからのう」

「やはりそういう」「だがこのメイドだけは真面目での!」

「メイド服も3派閥のと唯一違った」「えっエルディス様、ではこのお方は」「何でも数少ない中立らしい」


 さささっとスクウィーク様にお酒を注ぐメイドさん、

 ガイア様も一気に飲み干すと、すかさずそちらにも、さささっと。


「してお嬢ちゃん、ここがどこかわかるか」

「はいガイア様、商業都市……」「ではなくこの建物だ!」

「ええっと、3貴族が御用意して下さった一軒屋、でしたっけ」「そうだが元は王都からの騎士団詰所、前の出張所だ」


 あー、なるほど、

 だから中立地帯なのねここ。


「では彼女も、元騎士団の」「なぜそう思った」

「やはり動きで」「惜しい、彼女の動きはアサシンだな」

「えっ女アサシン?!」「なんでもビジランテの配下の者だそうだ」


 あっそうだったわ、

 治療が全部終わったら貴族の方々に、

 ビジランテさんの情報を聞こうと思ってた、でも寝ちゃった。


「ビジランテ様のために動いている者です」


 そう言ってメイド服を一気に剥ぐように脱ぐと、

 なにこの黒い半透明のアサシン装束は、セクシーというより、

 むしろ……いやらしいわね、でも女性アサシンってそういう『作業』もするのだったわ、情報収集とかで。


「なんかすげー姉ちゃんだな」

「妖精のお食事も持って参りました」

「えっ、浄化してあるのか?!」「それはティナ様のお仕事で」


 はいはい、と苺やバナナに浄化魔法を、

 そして私も料理をいただく、うん、普通に美味しい。

 私が夢中で食べてるとエルディス様が女アサシンさんに尋ねる。


「してビジランテはどこに」

「それが私たちもなかなかお会いする事ができません」

「用心深いからなアイツは」「しかし皆さんがここネブラスを出る前にはお会いできるかと」


 エルディス様にもお酒をそそぐ、

 しかも迫りながら……どこをどう迫っているとか言わせないで!

 うん、ハニートラップのお手本を見ている感じ、それを横目にガイア様も尋ねる。


「とりあえず明日の治療は」

「治安担当ネヴィラスの教会ですね、ひょっとしたらビジランテ師匠から接触があるかも、と」


 そう言いながらガイア様に絡みついて頬をすりすりしている、

 これもこれで接触ね、って私の所へは来ないでよ、そういう趣味は無いから!


(真面目な口調で色っぽくって、こういうのが男性は良いのかしら)


 とはいってもサンプルはジジイばっかり。

 それを他所事とばかりに呑んでいるスクウィーク様も喋る。


「3貴族分のとなると、あと3日は無駄に潰れるのか」

「教会にティナ様と、あと1人さえいらっしゃれば良いのでは、

 絶えず私共から1人つけます、毎日別人です、私も明日は娼館のステージで踊っているかも知れません」


 えっと、何の諜報活動なのかしらそれは。

 私もここは尋ねてみましょう、エアリーの取る果物に浄化魔法をかけながら。


「では明日からの治療でビジランテ様がいらしたら、教えて下さると」

「はい、皆様の目的はそれで達成されるのですよね?」「ええまあ、エルディス様」

「そうだな、もちろんあちおち見て周りたいが」「俺はこの街の地下にあるダンジョンへ行きたいが」「えっガイア様、ダンジョン?!」


 初耳なんですけれども!!


「ああ、そもそもこの商業都市は、ダンジョン攻略のために造られた街が元だ」

「そうだったのですか……」「ビジランテの弟子から仲間を選抜するには、良いテストが出来るかもな!」


 うっ、ひょっとして、

 また同じパターンになってしまうのでは。


「それにしても可愛い妖精さんね」「てれるー」「エアリーにまで迫らないで!!」


 ちなみにこの女アサシンさん、

 朝には綺麗さっぱりと居なくなっていました。

 

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