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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 連れて行く最強の魔法使いは、誰だ?! 編

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第36話 ジジイとジジイと一緒にジジイの墓を見て、ジジイと出発!

 旅立ちの朝、

 大きな墓標が立つ場所に案内された、そこには


『魔導を極めし者 スクウィーク 享年   』


 と書かれて、

 いえ掘ってあるわね、

 その下に奥様4人の名前も。


「ここから入れるのだ」


 何か墓標の裏を操作すると、

 破石手前のお供え物とか置く石のテーブルがゴゴゴとずれて、

 中へ入る階段がある、ライト魔法で照らしてみんなで一緒に中へ。


「うわっと」

「エルディス様、別に苔むしたりしていませんが」

「どうも80歳を超えてから階段は苦手になってな!」


 まーた滑ってエアリーに助けて貰っている、

 ちなみにこれくらいならエアリー単体でも出来るというか、

 厳密には私が近くに居るから足を踏み外したご老人を浮かせられるのです。


「ここである」

「スクウィーク様、これって」

「石のベッドだ、石棺ではなく上に乗るベッドにしておる」


 きちんと石の枕もあるわ、

 そこに大の字で寝るスクウィーク様。


「死んだら裸の遺体をここにこうして、

 出来れば骨の状態にしてからでも構わん、

 そして両脇に正妻側室、4人の骨を抱きつくような形で、だ」


 これには思わず私は一歩退いた。


(死んでからもハーレムを続けるつもりなのね……)


 石の上だから土には還らない、

 つまり永遠に、あの4人の奥さんと一緒、と。

 そこへエアリーがくるくる回りながら疑問をぶつける。


「これからの旅先で死んだらどうするんだよ、行方不明とか」

「その時は魔法で、骨だけここに移転するようになっておる」

「死んでからか」「そうだ死んだら発動する」「溶岩に落ちて骨まで解ければ?」


 あっ、確かに。


「その時は……」

「はい、その時は」

「ティナよ、そうならぬよう我は努力するのみだ!」


 頑張るのね……。


「ええっと、何かあればとりあえず、全力で治癒します」

「頼んだ、では表に上がるとしよう、馬車の前で皆が待っている」


 今回、このお墓の中までは奥様方はついてこなかった、

 まさかとは思うけど……みんなスクウィーク様と一緒にお墓に入ること、

 拒否しちゃったりして! 死んじゃってからは確認しようが無いですものね。


(試しの門を内側から外へ出て、っと)


 すでに奥様方、

 そしてひ孫さん達が待っていた、

 さすがにロジェくんは来てないわ、これは仕方ない。


「では最後ラスト冒険アドベンチャーに行ってくる」

「この目に刻ませて頂きますよ」「留守はお任せ下さいね」

「浮気は許しませんから」「一緒に行けないのが残念ですわ」


 そう、もし老婆4人も一緒にってなったら、

 さすがに私は逃げたかも知れない、そこは助かった。

 続いてひ孫さん達、みんなキリッとした真面目な表情ね。


「大師匠、何かあれば駆けつけます」

「私も訓練を積んで、追いかけられるように」

「ひいお爺様、ご武運を、きっと無事に帰られると信じています」


 ウンウンと頷くスクウィーク様、

 きっと遠くでロジェくんも見てくれている……かな?

 馬車に乗り込む私達、みんなに見送られて出発だわ。


(結局、ジジイとジジイとジジイになっちゃった)


 いいのいいの、

 あくまでも『暫定』のはずだから!


「さあティナよ」「はいエルディス様」

「最高の勇者、最強の紳士、最魔力の魔法使いが揃ったぞ」

「最初は自分で言うことですか……まあ周囲もそう言うでしょうけれども」


 しかし年齢が、ね。


「ティナの嬢ちゃん、なあに、俺達はまだぎりぎり魔王を倒せる」

「ぎりぎり、ですか」「相討ちになったらすまぬな」「それは避けましょう」

「そうだぜ、死体を運ぶの大変なんだからよー」「エアリー、ガイア様に何てことを……!!」


 でもガハハといった感じで笑っている。


「それでティナ嬢、何か不安な事はあるかのう」

「ええっと、とりあえずは良いです、今のところは」

「きちんと入れ歯のスペアをいくつも持ってきておる」「えええええ」


 84歳の勇者、81歳の戦士、90歳の魔法使い、

 その面倒を見させられる、まだ15歳の聖女である私、

 このジジイたちとの冒険アドベンチャーは、どのような珍道中になるのかしら?


(もうこれは、『珍道中』確定です!)


 それはそれとして。


「ところで皆様」

「どうした」「何だ」「何であるか」

「ティナ、どうしたんだよー」「うんエアリー、疑問なんだけれども……」


 お爺さん3人を見回して、尋ねる。


「これ、どこへ向かっているのですか?」

「さあ、知らぬ」「知らんな」「はて、どこじゃったかのう」

「えええええ」「まあワシに任せろ」「俺に任せろ」「我に任せるのだ」


 このパーティー、

 本当の本当の本当に、

 大丈夫なのおおおおお?!?!?!


(あーあ、エアリーが知らん顔しちゃった)


 こうして私たちは、

 どこかへ馬車を走らせて行くのでした、

 そう、どこかへ……って、どこかって、どこおおおおお?!?!?!?!


 こんな感じで、第四章へ続く。

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