第33話 いよいよラスボス、ジジイと見守る
「おお、これは魔王に近い敵、エクセレントヴァンパイアだ」
地下20階のボス部屋、
エルディス様がほうほうとした表情で言った、
大広間のようなそこに居たのは、二体の、男女のヴァンパイアだった。
(なにこれ衣装が際どい)
そしてバットバッドとは違い、
更に人型に近くスタイルも桁違いに良い、
ただ理性は高いためか本当に肝心な部分はギリギリ隠す衣装ね。
(あーあ、9歳のロジェくん、両手で目を覆っている)
ただし指の隙間から見ていそう、
そして乙女ジェディさんはオスのとある部分に釘付け、
いやそこでわーきゃー騒ぐようじゃ冒険者にはなれないけど、これはこれで隙が。
「もう来たか人間ども」
「ここは私たちの拠点にさせて貰うわ」
「さあ火のロモン、水のジェディ、地のラドカン、風のロジェ、こやつらを倒すのだ!」
ひ孫4人が一斉に杖を構えた、
私たちは下がってそれを見守る、
この中から新しい、これからの勇者パーティーを見定めるために……!!
「スパークファイアー!」
まずはロモンくんの火の乱れ撃ち、
でもそれを難なく避けたり弾いたり、
マントに当たっても燃えないわね、魔力で覆っている感じ。
「アイススパイク!!」
ジェディさんも気を取り直して氷を放つ、
ロモンくんの火魔法と一緒に数を増して避けられないようにするも、
ヴァンパイアは手で受け止めて簡単に溶かしている、魔力に差がありすぎるのね。
「リーフカッター!」
今度は緑色の葉っぱみたいな魔法が魔物を襲うも、
マントで受け止めるとぱらぱらと落ちて消えてしまう、
これ、正面からだと無理そうね、と思っていたら意外な攻撃が!
「プラズマサンダー!」
ロジェくんが雷魔法を放つと、
そのバチバチした雷がヴァンパイアを囲み、
四方八方からサンダーを放出、さすがにこれは効いた?!
(と思ったらマントで身を包んで防御している)
そして雷が消えると、
女ヴァンパイアが急降下してロジェくんの方へ!
「ひっ?!」
掻っ攫われて、
唇を奪われたあ?!
「ロジェ!」「ロジェくん!」「ロジェ?!」
他の三人が名前を叫ぶ中、
空中でもがくロジェくんが、
だらーんと力なく両腕両足が下がった。
(カランカラン、と杖も落ちたわね)
それを見て男ヴァンパイアがにやり。
「唯一やっかいそうな魔法使いも魅了魔法にかかった、さあ次は聖女、お前だ」「えっ私?!」
と急に指名された私、
ひ孫たちの上空を飛んでやってきた、
そして掴みに来た所をトライデントスピアが防ぐ!
「させるか!」「ガイア様!!」
「おっとこっちに手を出して来るなら話は別だ」「エルディス様も!!」
「仕方が無いのう、我も少しけん制の一撃を……はあっ!」「スクウィーク様まで!!」
杖を掲げると、
とんでもなく太く眩しい光の槍が男ヴァンパイアを貫く!
無詠唱でとんでもない攻撃魔法、動けなくなっている所をエルディス様が勇者剣で一閃!!!
「ふんぬっ!!」
「ぐあああああああ!!!」
……あっけなく倒しちゃった。
「このジジイ、強すぎて嫌になるぜ」「エアリー!」
「うむ、褒め言葉として受け取っておこう」「それよりも、前だ!」
ガイア様の声に目をやると、
女ヴァンパイアと一緒にロジェくんが、
他のひ孫3人相手に戦っている、そうだわ魅了で取り込まれてたんだったわね。
「エアリー」「わかってる」
私の前に飛んできた妖精エアリー、
その前へ出るように杖を構えて……
「ホーリークリア!!」
光の魔法がロジェくんを包み込むと、
正気に戻ったようでヴァンパイアに対して杖を構える!
「ちいっ、戻ったようね、なら今度は……」
「させるか! みんな行くぞ!!」「ええ」「おう!」「初めてだったのにい!!」
「だったらこういう闇魔法はいかがかしら?」「うお、分身した?!」「……気を付けて、本体はひとつのはずよ」「全部潰す!」「僕の初めてを、返せえ!!」
見た感じ4対4となった闘い、
時には個別に、時には集団戦で、
なかなかな戦いを見せるがそれそれの長所も短所も見えてきた。
(まあ、ピンチになったら助けましょう)
……こうして4人のひ孫たちは、
結果、見事なコンビネーションで魔物のボスを倒したのだけれども、
最後の方はこっそりエアリーとの精霊魔法で、付与をいっぱい付けてあげました。
(さて、スクウィーク様の下す評価は、いかに?!)




