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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 連れて行く最強の魔法使いは、誰だ?! 編

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第28話 ジジイに護られ教会で治療!

「オラ次だ、妖精には触れるなよ」

「代金は自由とはいえ、常識的な金額を頼んだ」

「ということで、次の方どうぞー、まあ酷い火傷やけどの痕!」


 堂々とエアリーを胸の前に出しての治癒魔法、

 教会でボランティア(お代自由)の告知をした結果、

 クレアの弟子という情報も流れてか、あっという間に長蛇の列に。


「おお凄い、こんなに綺麗に治るとは!」

「代金はこっちだ」「すまない、慌ててきたのでこの魔法の杖で」

「おいこらそこ! 横入りするな!!」「トイレに行ってたんだよ」「本当か?!」


 案内役のヴァンさんも近くで護ってくれている。


「物品は後でまとめて換金しておきますね」

「ありがとうございます、魔法使いの魔導具は偽物も多いので」

「この都市ではそのようなことは、と言い切れないのが心苦しいです」「次だ!」


 今度は大きな傷痕、

 魔法使いは魔法攻撃力が高いのに、

 防御力というか身体は鍛えていないのでダメージは受けやすい、残り易いらしい。


「素晴らしい、傷跡が消えた」

「魔法の痕みたいですが、そういう魔物にやられたのですか?」

「いや夫婦喧嘩だ」「代金はここへ入れろ」「では結婚指輪を」「それは引くからやめて!」


 いやほんと下手すると半数は物を放り込んでくる。


「ティナどうする、改めて貨幣しか駄目と告知するか」

「いえエルディス様、教会の教えとして、お金の無い者は野菜や果物、アクセサリーや衣服などでも構わないと」

「嬢ちゃん、適当なガラクタでも良いのか」「まあ銅貨1枚にでもなるのなら」「そのあたりは私が何とかしましょう」


 ヴァンさんにそう言ってくれると助かるのだけれども、

 それとは別にひとつ、ちょっと気になる一団がですねえ……


「次は重病人か、降ろすのを手伝ってやろう」

「エアリー、魔力がかなりかかりそうだけど大丈夫?」

「ちょっとお腹空いた」「ではこの葡萄ぶどうで」「おお浄化しているぞ」「あれが餌か」「魔力を回復しているな」


 と、用も無いのに横から私とエアリーを覗いている魔法使いさん達、

 いやおそらく用件はエアリーの観察なんでしょうけどいちいち気になる、

 手を出さないって約束ではあるものの、あんまり騒がれると集中力が削がれちゃう。


「あの、重病人の治療ですから静かにしていただけますか」

「なんだよ、減るもんじゃあるまいし」「見学だ見学」「いやほんと、あの羽根をむしりたい」

「……そろそろ俺のトライデントの出番か」「ひいっ」「武力はよせ」「な、なにもしてないじゃないか」


 下がりはしたものの帰るつもりは無いらしい、

 さて、このお婆さんの治療を……治るは治るけれども、

 これ寿命も近いわね、さすがに老化を治す方法なんて、精霊魔法でも無い、はず。


「……ふう、楽になったわ、ありがとう」

「お代はこっちだ」「私の孫じゃ駄目かしら?」


 エルディス様が聞く。

 

「冒険者か?」「24歳学生よ」


 ガイア様も聞く。


「魔法は」「勉強中ね」


 そして私は告げる。


「い、いらないです」


 ていうか冒険者募集の張り紙は私の後ろに貼ってあるけど、

 お布施に魔法使い(孫)を押し付けるのはやめて欲しいわ、婿なら自分で探すし。

 結局、渋々? 銀貨を2枚、ってあの大病でこれだけ?! ううん何を今更、これはそういう仕組みよ。


(お代は自由、これも修行、っと)


 払えない人は本当に払えないはず、

 きっとこのお婆さんの全財産に近いのかも?

 などと自分に言い聞かせて次の病人、って目の前に金貨がじゃらじゃら落とされる!


「これでその妖精を売ってくれ」

「オラ邪魔だ!」「帰れ帰れ!!」「ぐふうっっ!!」

「あの、エルディス様、ガイア様、殴りと蹴りは」「武器を使わないだけ優しいだろう」「次だ、次っ!!」


 こうしてたまに変な人も混じりつつ、

 日が沈んだら強制打ち切りと告知してあった路銀稼ぎも、

 終了時点で並んでいた重病人だけオマケで治して終了したのでした。


「ふう、エアリーおつかれ」

「ていうかまだ見てんのかよ!」

「おいお前たち、終わりだ終わり」「見学料くらい置いていけ」


 ガイア様に言われてそれなりのお布施をくれた見学魔法使いさんたち、、

 妖精の精霊魔法を間近で見られるという最初で最後のチャンスですものね、

 ということで背伸びをしたのち、路銀は私が回収、ガラクタ含む物品はヴァンさんがいくつもの箱へ。


「明日の夕方には換金を終えておきます」

「はい、ありがとうございます」「実は私の母も並んでいました」

「まあそれは」「あと、御夕食はスクウィーク様とご一緒だそうですよ」「呑むか!」「呑めるのう!」


 ということで、

 みんなで一緒にご馳走になるのですが、

 そこに思いもよらない方々が待っていたのでした。

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