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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第三章 連れて行く最強の魔法使いは、誰だ?! 編

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第26話 ハーレムジジイの末路!

「おお、来たか、来てしまったか」


 巨大ベッドに横になっているお爺さん、

 魔導服が半分以上はだけていてその左右に、

 ふたりずつスケスケランジェリーのお婆さんをはべらせている。


「久しいなスクウィーク、それとキルケ、マレフィ、シュガル、ランダ」


 それに反応する5人。


「ふぉふぉふぉ」「あらエルディス、よく来られたわね」

「……何をしに来たのかしら」「ガイアまで一緒に、珍しいわね」

「まあ妖精、生きている間にまた見られるなんて」「……相変わらずだな」


 ガイア様が私に耳打ちしてくれる。


「スクウィークは昔から、魔王討伐当時からハーレムを持っておった」

「では、この御婦人方は」「正妻側室だ、おそらく50年前から今まで、今日まで」

「やはりこっちであったか」「エルディスよ、こっちとは」「ガイアはもうひとつの方を予想しておった」


 うむ、と頷くガイア様。


「昔のハーレムがそのまま続いているか、もしくは若い弟子に入れ替え続けるか」

「それが許されんのじゃよ」「そうよ、私たちはずっと、死ぬまで愛し続けると誓ったわ」

「……年齢は関係ないわ」「愛は無限、そして永遠よ」「離れないし逃がすつもりも無いもの」「うへぇ」


 エアリーが凄い声を出して引いてるわね、

 きっと50年前は美しい女性たち、奥様方でさぞかし『ハーレム』といった感じだったのでしょう、

 でも、それがそのままの格好、愛情、絡みつき具合で50数年も経過するとなると、まさに『ハーレムの末路』だわ。


「スクウィークよ紹介する、クレア最後の弟子、聖女ティナ15歳だ」

「はい、初めましてスクウィーク様」「ああ、葬式で挨拶できず済まない、嫁が許さなくてな」

「でも、いらしたのですよね?」「数秒だけな、ハーレムの許可が出たのがその時間だ」「そうだったのですか」


 ハーレムのひとり、

 正妻っぽい赤髪の老婆が水を呑ませてあげている。


「……ぷはぁ、全属性魔法使いのスクウィークである」「はい、結構なお歳だと」

「今年で90歳になった、そしてまずこの赤髪がキルケ、火魔法の究極魔術師と呼ばれておる」

「スクウィークの正妻よ、私たちの愛の炎は誰にも消せないわ、そう、永遠に、一緒に入るお墓の中でまで」


 なんだか怖いわね、

 若い頃はきっと美人だったのでしょう、

 さすがにこの年齢になると美老女かどうかわからないけてども。


「この青髪はマレフィ、水と氷の魔道士と言われていて回復魔法も使える」

「……賢者じゃないわよ」「はい、魔法使いは攻撃特化、僧侶は回復や補助に特化ですよね」

「ちなみに我も少しは使えるぞい」「……クレア様に任せきりだったでしょう」「まあ効果の桁が違ったからな」


 クールな感じはわかるんだけれども、

 この年齢だと単に気難しい老女だわね、

 せめてもう30年は前なら『冷たい感じの美女』な片鱗が観られたのでしょうけれども。


「こっちの銀髪はシュガル、風の大魔法使いという二つ名でな、とにかく手が早い」

「魔物は私の姿を見た時には、もう縦か横に斬り裂かれていたわ」「戦闘以外も早くてなあ」

「こんな若い聖女にどこまで話すのですか」「我が怒ると真っ先に口を塞いだ話を」「それなら今でも出来ますよ」「いや良い」


 思わずエルディスさまが止めてしまった、

 老人と老女の何かを見せられそうになったからでしょう、

 エアリーは私の後頭部に隠れちゃった、やはりこの老婆も只者では無いのがわかる。


「最後は大自然の魔女、緑髪のランダで精霊魔法に近い地魔法、土魔法を使える」

「今でもゴーレムを召喚できるわ、土の地面が必要だけれども」「精霊魔法では無いんですね」

「人間の魔法の中に、精霊魔法を模したものがあって、参考にしたってレベルね」「妖精の情報は」「書庫にあるわ」


 私の頭頂部を踏み台にして飛び上がるエアリー!


「読みたい! 読ませて!」「スクウィーク、どうしましょう」

「そうであるな、必要があれば、ということでこの4人は我がパーティーの当時、サブメンバーでの」

「あっ、そうだったのですか」「我は魔法使いとして攻撃魔法をほぼ一手に担っていた、が、過酷な状況では魔力は尽きる」


 そのための予備、

 サブメンバーを連れていたのね。

 頷いた老婆たちも私たちに話してくれる。


「ダンジョンや敵の種類によっては、魔法属性の相性があるわ」

「……あと敵があまりに多い時、範囲魔法の補助が必要、一緒に並んで魔法をかける」

「それと単純に私たちが離れたく無いっていう理由もあったわね」「みんな弟子でもあったから当然よ」


 このご老人、弟子に手を出していたのね、

 でもこれだけ、50年以上も愛され続けている、

 まあ度が過ぎていて少し涼しいのですが、ヤンデレって言葉が浮かぶ程に。


「では本題だ、魔物が活性化しているのは知っておるだろう、陛下からの手紙だ」

「というおとは、また行くのか」「ワシらは途中までかも知れぬが、ティナと組める魔法使いが欲しい」

「なるほど、50年前の討伐成功を果たした我らの弟子で結成せよと書いてあるな」「推薦できるか」「個々に聞くが良い」


 ここまで案内した魔道士を呼び寄せた。


「ははっ導師様」「若い魔法使いで魔力が強いのを順に案内してやってくれ、決まったら食事にしよう」

「かしこまりました、10人程、会わせましょう」「ということで、それ以外の話、それ以降の話は決まってからだな」

「わかった、ところでスクウィーク」「なんであるかエルディス」「その、まだ盛んなのか」「それは俺も聞きたい」「ガイアもか」


 嫌ああぁぁぁああああ、

 聞かないでえええぇぇぇええええ!!!


「15歳の前で詳しくは言えぬが、こうしているだけで愛は感じる」

「そうか」「ずっと幸せなのだな」「愛が深すぎていまだに恐怖を感じているのだが」

「もはやそれが心地良いのよね」「……愛は枯れない、それ以外のものが枯れても」「終わらない恋ね」「何なら見学していくかしら?」「妖精の資料ーー!!」


 エアリーはそっちを見学、閲覧したいのよね。


「それも後だ、さあ行ってくるが良い」

「改めまして、皆さんをご案内します魔法衛兵隊長のヴァンです」

「うむ、頼んだ」「邪魔して悪かったな」「むしろ助けてくれ」「スクウィーク様?!」「もう、余計なことを言うと……こちょこちょこちょ」「ぐあああああ!!!」


 老婆4人掛かりでくすぐられているのを後にし、

 伝説の大魔法使い様、その『愛の巣』をひとまず後にしたのでした。


(さて、パーティー候補の魔法使い様、どんな方かしら???)

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