第25話 いきなりジジイに試しの門!
「ようそこいらっしゃいました魔導都市スクウィークへ」
まるで街全体が大きなお城、
いえ要塞のような魔導都市に到着、
聞いていた伝説の勇者パーティー、その魔法使いの名をした場所に到着。
「ワシはかつての仲間エルディス、スクウィークに会いに来た」
「さようですか、しかしどのようなお方であっても入る方法は変りません」
「おい、昔は普通に入れたぞ、俺もかつての仲間、ガイアだが」「当時のことは知りません」
全身を黒いローブで身にまとった不気味な魔法使い、
手にする杖で隣を示すと、大きな門があるけど隙間なく閉まっている、
その隣には、ひとまわり小さな門、更にその隣にも、と段々小さくなっている。
「これは何だ、ワシが前に来た時は無かったが」「俺もだ」
「試しの門です、魔力によって開けるもので、通った扉によって中での扱いも変わります」
「では一番遠くの小さい門からワシらが入ったら」「四つん這いで入るサイズですから犬扱いですね」
なんだかここ、
初めて聞くけど酷い場所だわ。
「入るのは1人ずつか」
「いえ、代表者が入れば同行者も同じ扱いで、確かに大昔は門はひとつだったようですが、同行者のおかげでは」
「スクウィークが先頭で普通に入ったからか、ううむ、ワシの魔力ではのう」「俺は魔力なんてないぞ」「ふたりして私を見なくても」
と、やたら大きな門に触れようとすると、
門番を挟んだ反対側に、やたら豪華な普通の門がある、
それをじーーっと覗くと門番さんが察して私に教えてくれる。
「これはスクウィーク様専用の門ですね、スクウィークと同等もしくはそれ以上の魔力の方しか」
「では、あそこを開ければ」「スクウィーク様と同じ対応をしますが、スクウィーク様しか開けられません」
「ひょっとしたらワシの友情パワーで……ビクともせんな」「ワシの槍で壊して良いか?」「常識で考えて下さい」
物理に頼るジジイとジジイ、
さっきの門番さんの説明ちゃんと聞いてたのかしら、
聞いたうえでこれなら、きっとそれが『脳筋』というものなのでしょうね。
「あの、やるだけやってみて良いですか?
「普通なら断るのですが、スクウィーク様の元お仲間という言葉を信じて」
「私の場合は師匠がなんですけれども……エアリー、いくわよ」「ほいさっさー」
ということで、
両開きの取っ手を掴んで、
魔力を込めて引っ張ると……!!
『ギギギギギーーーーーッッッ!!!』
「ひ、開いた?!」
「さすがクレアの弟子、よのう」
「これで俺も待遇良くなるのか」「し、失礼致しました!!」
精霊魔法やっぱ半端ないわ、
入るや否や他の門の奥に居た魔法使いたちが、
慌ててこっちへ来て整列、頭を深々と下げている。
「なんだか面倒くさい所ね」
「ささ聖女様、皆様も今すぐスクウィーク様の所へ」
「おう、ワシらが来たと伝えよ」「待ってくれ、馬車にもう帰って良いと言ってくる」
引き返したガイア様、
大丈夫とは思うけど私が扉は開けたままにしておこう、
そして私たちに頭を下げて馬車に乗った運転手の戦士さん。
「ガイア様、せめて一泊させては」
「この街は馬が嫌がるらしい、見えない魔法が飛び交って怯えさせるそうだ」
「なら仕方ないですね」「見ただろうが途中にそこそこの大きい村がある、あの宿に泊まるだろう」
ああ、あのおトイレを借りた所ね、
なんて思いながら魔王都市を魔法使いさんに先導される、
ほんっと、建物がいくつも積み重なってお城になっているみたい、立派な要塞だわ。
「こちらはスクウィーク様専用通路です」
「えっ、良いのですか?!」「同格のお客様ですから」
「ワシとまともに話すのはいつぶりかのう」「俺は魔王討伐後、あいつの顔を見た事はまだ無い」
ついていくと箱のような狭い部屋、
みんなで乗ると扉が閉じ、上昇する……
魔力で勝手に昇っているみたい、すごい昇降機だわこれ。
「昔のままだと良いのだが、いや、昔のままであれば、まさか」
「エルディスよ、さすがにそこは、まあ俺も見てみないと、怖い者見たさだがな」
「あのすみません、スクウィーク様というのは」「ワシらより年上だ」「俺より9も上だが、そのなんだ、まあ会ってから話そう」
そうこう話ているうちに、
昇降機は到着したらしく扉が開く、
その先は今度は立派な服装の魔法使いが!
「スクウィーク様のかつてのお仲間だそうです」
「お名前は」「エルディスだ」「ガイアと申す」「クレアの弟子、ティナです」
「……もうお一方は」「えっ?!」「その胸元にいらっしゃる」「わかるのですか?!」「魔力で」
飛び出した妖精。
「ボク、エアリー!」
「わかりました、ここでは出たままで」
「良いのかティナ?」「ここは従いましょう」
ここから先は正真正銘、
スクウィーク様のお屋敷みたいね、
メイドもちらほら、みんな魔力が高そう。
(エアリーにもお辞儀をしてるから、みんな高レベルの魔法使いね)
そしてかなり奥の部屋へ、
どうやらここにいらっしゃるっぽいわ、
案内してくれた魔法使いさんが扉をノックする。
「お客様のエルディス様、ガイア様、ティナ様、エアリー様です」
「……うむ、入れ」「さあティナ、驚くかも知れんぞ」「えっ?!」
「俺もどっちに転ぶかわからぬが、おそらく1人じゃないだろう」「すると中には……?!」
開いた扉の先、
その光景に、私は驚いた!
(えっ、これって、つまりは……えええぇぇぇ……)




