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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 前衛のパーティー選別は、まさかの方法で! 編

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第23話 ジジイとババア、別れの時!

 翌朝、ガイア様のお弟子さん達に見送られながらの旅立ち。


(ゴツいけど立派な馬車だわ)


 引手の戦士もゴツい。


「魔導都市までコヤツが連れて行ってくれる、そこまでだがな」

「十分だ、馬車は途中で買うとして、引手はビジランテの弟子にやらせよう」

「ええっとエルディス様、確かアサシンの」「ああ、ガイア、どこに居るか知っているか……ガイア?」


 見送りの中に居るお婆さんの所へ行った。


「また行ってくる、俺の最後の旅だ」

「あまりはめを外すんじゃないわよ、遊びもほどほどにね、アナタ」

「ああ、お前と一緒に行けないのは寂しいが」「そんな言い訳、もういいわ……でも、ありがと」


 若い頃は、さぞかし立派な姐さんだったんでしょうね、

 それはそうと、将来は立派な姐さんになりそうなのとその紐もとい……

 アレクスさんとオムイくんもすっかり旅立ちに姿、いや昨夜はお楽しみだったそうで、声が漏れてたらしい。


(あっ、結局は昨日の闘いの後、治癒魔法で治してあげました、身体の方はね)


 心の傷までは知らない。

 ガイア様が奥様と別れの抱擁をしている間に、

 私は手紙をあえてオムイくんの方に渡してあげる。


「これは……?!」「私の出てきた教会、知ってるわよね? そこにオムイくん向きの聖女が居るわ」

「そんな方が……?!」「魔王討伐パーティーの、私以外に最終候補だったビナスさんよ、よかったら連れて行ってあげて」

「良いんですか?!?!」「彼女が、本人が行きたがっていたから、第二第三部隊の要員と聞いたら、きっと喜ぶでしょうね」


 深々と頭を下げるオムイくん。


「ありがとうございます!」

「能力は間違いないわ、能力はね、あとは本人を見て確かめて、母性溢れるタイプだから相性はきっと良いわ」

「だそうですアレクスさん」「感謝するティナ様、私たちは私たちで上手くやって行けそうだ」「私も安心したわ」


 そう、想定した最悪の事態、

 アレクスさんが優勝してあの侯爵家の坊ちゃんと結婚、

 私たちの旅にあの坊ちゃんが、夫として二人揃って一緒についてくる、という状況にならなくて良かった。


(ちなみに振られたショックで引きこもっているらしいわ)


 奥さんと離れたガイア様もやってきた。


「アレクス、餞別だ」「……ありがとうございます」

「いつかどこかで、また会うかも知れん、それまで生き延びるのだぞ」

「私は大丈夫です、私は」「アレクスさん……」「オムイ、調教は、いや指導は毎日だからな」「は、はいっ!!」


 結局はアレクスさんって、

 おそらく終始、オムイくんに心の中ではデレデレだったんでしょうね、

 心が折れるくらいしばいておいて、拾うっていう……少しタチが悪いけど、彼女なりの愛情なんでしょう。


「大師匠、僕らは見送ったら乗り合い馬車で行きますから、まずは大教会へ」

「うむ、オムイはとにかくアレクスに何もかも任せろ、おそらくそれしか無い」

「新しいパーティーの、聖女様とも上手くやってみせます」「聖女ティナの紹介だ、確かだろう」


 腕は確かです、

 魔力も私より上かも?

 唯一の心配は30代なことだけ!!


(ジジイ2人に比べたら、ピッチピチよ!)


 ちなみにそのビナスさん、バツイチです。


「では行こうかガイア」

「おうよエルディス、また組めるな」

「前衛は任せた」「トドメは任せた、ってまたラクする気かー?!」


 そんなこんなで馬車に乗り込んだ私達、

 みんなに見送られて出発する、それにしてもねえ……


(84歳の勇者、81歳の戦士……)


 つ、次こそは、

 ちゃんとした方よね?!


「あの、魔導都市にいらっしゃるのは」

「大魔導師スクウィークだ、ワシより6つ上だ」

「俺よりは9つ上だが、どうも最後まで掴み所の無いヤツでな、クレアの葬式も一瞬姿を見せて一瞬で消えおった」


 なにそれ怖い。


「またジジイが増えるんじゃねーだろーな?!」

「おお、やはり妖精か、久しいな、まだ生き残っておったとは」

「ガイア様、改めて、私の契約精霊エアリーです」「そういえば50年前、自称妖精がおったな」「自称?!」


 エアリーが飛びながらガイア様の目の前へ。


「自称って、どういうことだー?!」

「なんでもマザーツリーを巡って、人間にして貰ったらしい」

「そ、それはどこに」「いずれ通る村だが、当時で老婆だったからのう、まあ伝承や記録が残っているかもな」


 しょんぼりするエアリー、

 そしてエルディス様が改めてガイア様に尋ねる。


「ところでビジランテはどうした、クレアの葬式にも来なかったが」

「俺も知らぬ、知っているとしたらスクウィークだろう、着いたら聞こう」

「よし、ではガイアよ」「おうエルディスよ」「「ここいらで、呑むか!!」


 奥からお酒を取り出したふたり!


「え、えっ、えええぇぇぇ~~……」


 私の震え声にも関わらず、

 朝から馬車内で宴会を始めた、ジジイ2人なのであった。


「本当に大丈夫か、このジジイとジジイ」「エアリー……」

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