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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 前衛のパーティー選別は、まさかの方法で! 編

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第22話 さすがにジジイも予想外!

「ひっ、ひんっ! ひあうっ!!」

「ほらどうした、立たないのか、オムイ!」

「ストップストップ、勝者、アレクス! もう終りだ!!」


 勇者剣を投げ捨て地面に丸くなっているオムイくん、

 それを容赦なく、ハルバードを逆に持って柄の部分で叩き続けるアレクスさん、

 もう完全に勝負あったと止めに入る審判の衛兵、しかしアレクスさんは、しばくのを止めない。


「私に勝つのでは無かったのか!」

「も、もう許して、うわっ、うわあああああん!!!」

「アレクス選手、もう相手は戦意喪失だ、これ以上するなら失格負けにするぞ!」


 えっ、そんな展開でまさかの大逆転?!


「……仕方ない、もう少しトラウマを植え付けたかったのだが」

「えぐっ、ぐすんっ、ああう……うぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ……」

「これでわかったか、いかに私に勝とうとした事が、無謀だったかということを」


 こわっ、恐ろしい躾けだわ、

 でもこれで、さすがにオムイくんもあきらめたでしょう、

 下手すると勇者として再起不能、これだけの人の前ですものね。


(おそらく、心がぽっきり折れて、プライドもズタズタに)


 これを見て侯爵家の坊ちゃんも拍手している。


「これで我が嫁、あれくすちゅわぁ~んは無事、未来の侯爵夫人に、ね~~~~~!!!」


 いやそんな、

 可愛らしく合意を求めても、

 肉塊は肉塊なんですけど、頭上のトカゲも心なしかドヤ顔に見える。


「ほんっと情けない、こんなので魔王討伐の旅に、本当に出られると思っているのか?

 これでは遅かれ早かれ死ぬな、いや、最初に会った魔物にあっけなく殺されかねない、

 どうだ、自分の実力を思い知っただろう、何か言う事はあるか?」「うううぅぅぅ……ごめんなさぁい」


 さすがにこれ以上は、

 と止めに入ろうと思ったら、

 勇者エルディス様に長芋で止められた、ふかしたてのほかほか。


「あれは戦士の領分だ、聖女が入る場所ではない」

「しかしオムイくんは勇者で」「だったら止めるなら俺だ」

「妖精なら止めに入って良いか?」「エアリー!」「まあ見ておけ、おそらく話はこれからだ」


 一応、審判に腕を上げられ勝ちが確定するアレクスさん、

 さすがにもう戦いは無いわよね? ガイア様との直接対決とか……

 そしてオムイくん、立ち上がろうとするけど地面に這いつくばっている、可哀想。


(誰も手を貸さないわね、せめて私が遠距離回復魔法を、と思ったら……?!)


 アレクスさんがしゃがみこんで、

 オムイくんの髪を掴んで強引に顔を上げさせる、

 これ以上、どんな酷い言葉を……涙が止まらず酷い顔のオムイくん。


「うぐっ、うぐああっ……」

「お前、これからどうやって生きていくつもりだ」

「そ、それは……ううっ」「ほんっと、どうしようもない、あきれれを通り越すな」


 ふううーーーっ、と、

 やたら大きなため息をついたアレクスさん、

 その息でオムイくんが吹き飛ばされそうなくらい。


(婚約者の坊ちゃんは笑ってる、もう手に入れたのが確定したって感じね)


 そしてオムイくんには、

 これを乗り越えて立派な勇者になれって感じかしら、

 だとしてもこれは、あまりにもやり過ぎだわ、オムイくんの選んだ道とはいえ。


「ごめん……なさい」「謝罪か、最も悪手だな」「そんなぁ……」

「仕方ない、本当に仕方ない、情けをくれてやろう、お情けだ、お前、私と結婚しろ」

「は……はい……はい? ……は、はっ、はいいいいいぃぃぃぃいいいいい?????」


 え、ええっ、どういうことおおおおお?!?!?!


「こうなったのも私の責任だ、このままではお前はすぐに死ぬ、

 どうしようもないから、仕方ないから婿に貰ってやる、一生面倒見てやろう、そのかわり未来永劫、

 死ぬまで私に絶対服従だ、いいな、お情けで、仕方なく、同情で、結婚してやる」「……いいの?!」


 うん、本当に、

 様々な意味で『えっ、いいの?!』だわ、

 すると返事なのか、アレクスさんの方から熱い口付けを……!!


「ええっとエルディス様、ここまでわかっていらしたのですか?」

「いや、ワシも84年生きて来て、さすがにこれは予想外だ、驚いた」

「こういう恋愛も、あるんですね」「あの貴族と結婚するのが嫌なだけじゃねーか?」「こらエアリー、聞こえるから!」


 聞こえたからどうかはわからないけれども、

 わなわなと震えながら立ち上がる侯爵家の坊ちゃん。


「ゆ、ゆ、ゆるさーーーん! 我があれくすちゅわぁあ~ん、は、すでに婚約を」


 隣のガイア様が、

 まあまあといった感じでなだめる。


「これは2人の問題、しかもオムイは王命で勇者として魔王討伐の旅へ、

 それにアレクスが同行するとなると、こればかりはいかに上位貴族でも止められませぬぞ」

「そんな、そんなぁ」「一応、侯爵家当主には謝っておきますが、坊ちゃん、あきらめてくだされ」


 膝から崩れ落ちた坊ちゃん、

 一方、審判の去った闘技場コロシアムの中心で、

 アレクスくんとオムイくんは……あーあ、まーだやっている。


(ひょっとしてこれ、オムイくん、気絶してない?!)


 白目剥いていそう。


「あのガイア様」

「どうしたティナ嬢ちゃん」

「ガイア様はこの結末、予想は」「当然……まったくの予想外だ!!」


 なにこのバッドエンドなハッピーエンドっていう感じは。

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