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ファンタジジイアドベンチャー!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第二章 前衛のパーティー選別は、まさかの方法で! 編

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18/20

第17話 昼食でジジイと情報交換!

「……ということがありましたの」


 ガイア様のお屋敷に戻って昼食、

 途中から会話なしの流れ作業で治療を急ぎ、

 最後に水虫のおじさんを処置してようやく終わった。


(手伝ってくれたメイドのエルマさんは、引き続き私たちのお世話、タフだわあ)


 肉を頬張るジジイ、

 いえエルディス様が呑み込んで息を吐く。


「冒険者は、特に勇者はそこを治める貴族への挨拶は重要だ、

 やはり到着早々にティナを連れて行っておくべきであったか」

「いやエルディスよ、今更不要と思ったのは俺もだ、あとティナを連れて行けば生贄、いや嫁によこせと言いかねん」


 ガイア様いま物騒な言葉を言わなかった?!

 一緒に食べているオムイくんも、思わず肉団子を落としちゃった。


「アレクスさんは、生贄ですか」

「政略結婚とか。貴族へ領民からの嫁の差し出しとか、普通のことではないか」

「ガイア師匠は、それで良いのですか」「アレクスが特に何もなければ従うと言っておったからな」


 何もなければ……

 ちょっと整理しなくちゃね。


「ええっとオムイくん、オムイくんのファイナルラストチャンスの条件って」

「さっきまでやっていた試合の、生き残りからアレクスさんへ求婚している人が優勝しなければ」

「あとアレクスさんが優勝した場合にチャンスをくれるって」「生き残っているの?」「はい、見事な勝ちっぷりでした」


 午後はベスト8、

 準々決勝からよね。


「アレクスさんにプロポーズしてた人は、何人残っているの?」

「さあ、僕には『そこそこ残っている』としか、具体的な人数は教えて貰えませんでした」

「そこそこっていうことは3名前後かしらね」「ガイア様」「俺はそこまでは知らん」「ですか……」


 一連の話を聞いてか、

 胸元で蠢くエアリー。


「ーーー!!」


 これだけで言いたい事はわかる。


(大丈夫よ、何もしなくて良いわ)


 と言った感じで聖女服ごしに撫でてあげる、

 あとついでに昼食の果物も浄化して入れてあげてっと。


「でも、せっかくチャンスが来てもオムイくんが勝たないと、

 あの貴族の坊ちゃんに奪われちゃうんでしょう? 男を見せないと」

「勝たないと、駄目なんですよね」「ワシに良い考えがある」「エルディス様?!」「大師匠様?!?!」


 昼からお酒呑んでるわね、

 昨夜程ではないけれども……


「戦士で優勝した者とワシで最終決戦だ、それでワシが倒せば良かろう」

「何がどう良いんじゃ、これは俺達の、戦士側の闘いじゃ、勇者は部外者、黙っておれ」

「いやガイア、今日の分の決闘だ」「じゃったらそれはそこの小僧のために取っておけ、なあ」


 緊張気味に頷くオムイくん。


(私も私で、ひとつだけアイディアが浮かんだけれども……)


 言うとしたら、

 闘いが決まってからかしら。


「とにかく午後からの、後半の闘いを見守るしかないわね」

「もうこうなったら、いざとなったらアレクスさんを連れ去ります!」

「あら、そんな甲斐性があったとして、ついてきて貰えるかしら?」「うっ」


 一度も勝ってないくせに。


(とはいえ、勇者って本当に追い詰められた時に、その力を発揮したりするのよねえ)


 あくまでもイメージだけれども!

 と話していたら別のメイド(こちらも妙齢)が入ってきて、

 エルマさんに耳打ちを……そしてガイアさんの方へ行って告げる。


「御主人様、スライリー公爵家のボラージュ様がいらっしゃったそうです」

「そうか、特等席で解説してやらねばならぬの、では行ってくるわい、皆はゆっくりと」

「いや俺も行く」「酔ってか?」「こんな量、酔いう量では無い」「ええっと私は」「嬢ちゃんやめておけ、ずっと隣で観戦させられる事になるぞ」


 うん、それは生理的に嫌だわ。

 食事を終えて出て行ったエルディス様とガイア様、

 そして残された私とオムイくん、といっても私たちも食事はほぼ終わっている。


「……勝たなきゃ、せっかくアレクスさんがくれたチャンス」

「まだ決まった訳じゃないわよ、でもきっと、試されているのね」

「最後に力を出せるかどうか、ですか」「それもあるけど『持っている』かどうかね」「何を」「運よ」


 そう、何人残っているかわからないけど、

 アレクスさんに求婚した戦士が優勝しない運、

 そしてアレクスさん自身が優勝するというこれも運。


(冒険者って、意外と? 運が必要らしいから)


 人によっては必須って言うでしょうね、

 そういう運を持っているかも試されているのでしょう、

 もっとも今まで何してたのよってオムイくんは言われそうだけれども。


(でも、可能性を残してあげているっていうことは……)


 アレクスさんも、

 オムイくんに対してまったく何も思っていない訳じゃ、

 こればかりは本人の胸の内だけどね、単にダメな弟みたいな子を育てたいだけかも知れないし。


「とにかく僕は、アレクスさんの闘い方を見て、勝つ方法を研究します」

「私も隣で見て分析してあげるわ、最後にとっておきのアドバイスを、これもまあ賭けだけれども」

「そ、そんなのがあるんですか?!」「アテにはしないでね、あくまで可能性があるかもって話だから」


 そして戦士トーナメントの後半、

 ベスト8の試合が闘技場コロシアムで再開されるのでした。


「ボクもこっそり見るよ!」

「エアリー、精霊魔法は駄目よ」「わかってる!!」

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