対決!クロトVSミスト&ラビィ5
遅れてすみませぬ、忙しす……
あとモチベ、エタることはないので安心してください!
バトル開始から1時間が経ち、先んじて階層を進んでいるアラミス、ポルトスのパーティーは次に続くウノーサノーを除くパーティーのメンバーと合流を果たし階層を進んでいた。
「58層は迷宮でごわすね、時間がかかりそうでごわすね」
「けど迷宮ならダミーコアって奴が隠されててもおかしくねぇですぜ」
「時間はかかりそうでごわすが、ここは少し念入りに探るでごわす。幸い、人数も増えたでごわすしね」
合計8人にまで増えたアラミス達のパーティーはアラミスとポルトスに分かれ、迷路のような作りになっている階層を探ることになる。
「あまり時間をかける訳にはいきやせんから、細かいところだけあっしらで調べやしょう」
ウノーとサノーが今もなお激しい闘いを繰り広げている真っ只中、特に危険がも及ぶこともなく実に順調に進めている。いや、進めすぎていた。
「おかしいでやすね」
「流石のワテも怪しいとは思ってるでごわすよ」
「「敵が居なさすぎる」」
人数に制限があり、その代わりとして罠が大量に仕掛けられているとしても、ここまで守備側の人員に会合しないのは不気味だった。
「十勇士程の力なら不本意でごわすがワテらを潰すことは容易いと判断するでごわすよ」
「それは……本当に不本意でやすね」
自分達の実力程度では十勇士にすら届いていないと自覚する。本来ならば最弱と謳われるスライムがあんなに強い方がおかしいのだから、3人の族長達は悔しいではあるが嫉妬心すら湧き出てこない。
アラミスの言葉にポルトスは同意見であることを主張し、顎へと手をやり思考を回す。
新参ではあるがポルトスはこれでも群れを率いていた程の強者だ。十勇士の実力もアトスやアラミスよりもはっきりと認識できている。それは曲がりなりにもコボルトの頂点にまで登り詰めた経験則からなる感だ。
技術や筋力ならばアトスやアラミスには劣るもののその素早さと経験値だけならば誰よりも大きなアドバンテージを持っており、より明確にこの不自然さに違和感を抱いていた。
ポルトスから見ても十勇士達は頭がおかしい位に強い。自分ならばその有利さを利用して先行するパーティーであるここを狙う。
何せ1人でも強い十勇士が全て向こう側にいるのなら4、5人送ってしまえば簡単に決着が着くし弱いものから叩くのは定石であるからだ。
十勇士の中には戦闘が好きではない者もいるが実力は高い、少なくとも命令されればこのパーティーを潰す事くらいなら容易い筈なのだ。
それを狙わないと言うことは作戦としか考えられなかった。
脳裏に浮かんだやる気の無さそうな少年の顔はその底力を誰も分かっていない、あの十勇士でさえもだ。推し量れない程の何かを秘めている少年の意図が読みきれず、苦笑いを浮かべる事しか出来ない。
「考えても仕方ありやせん、今出来ることをやっておきやしょう。こっちの情報も後ろの方々に随時伝えておけば問題無いはず」
「そうでごわすな、後ろではワテらを無視して交戦した様でごわすし今のうちに進んでおきたいでごわす」
後ろから合流を果たしてきた他の魔物たちからの情報により、十勇士の内の2人、サイゾウとサスケの居場所が確認された。
ウノーサノーと激闘を繰り広げて時間を稼がれてはいるが、それは逆にも言えた。十勇士の中でも機動力に優れた彼らを引き留められて居るのなら、危険なのは変わり無いが多少は攻略はマシになったのだ。
「ここには無さそうでごわすね」
軽く見て回り、30分程度で探索を終わらせたアラミス達は罠を掻い潜りながら階層を降りていく。
「他の十勇士は何処にいるのでごわすかね」
「それと十勇士、ユキムラさんを抜いた残りの魔物達もでやすよ」
考えた最悪の結果は最終階層である60層でサイゾウ、サスケ以外の十勇士がコアを堂々と守っている事だ。
そういう状況になればまず、アラミス達8人だけでは戦う以前に蹂躙されて終わるのだ。スライム故に自由度の高い攻撃もあったのだが、結局は体当たりになるので当初はそれなりに対抗は出来ていた。
5回に1回は防ぐことが出来、カウンターも出せるくらいにはアラミスも成長を見せていた。1人の少年が仕出かした事が無ければ勝負くらいには持っていけるほどには。
ユキムラ率いる十勇士は強化された。
それも大幅にだ。
それぞれに得意不得意があるものの、根本的には同じ行動しかしないのだ。
それは攻撃手段だ。
如何にして相手に攻撃を与えるか千差万別だが、スライムの攻撃とは最終的には体当たりしか存在しない。攻撃手段に乏しいのだ。
「このまま鍛え上げれば勝てる」とアトス並びに族長ズは考えていた時期が確かに合った。
きっかけは1人の少年の気まぐれだ。
一体どういうわけか、とある日を境にユキムラ、十勇士が武器を手に取り出した。
人の形をとった生き物が誇る唯一のアドバンテージとも言える武器を、見るからに丸いフォルムをした粘液生物が巧みに操るようになった。
これにより個々の特性を大幅に伸ばした十勇士への差は更に広がってしまった。
新しい戦闘方法の確立、戦略の幅も広くなり、遠距離をこなす者まで出てきたのだ。
この時点でまた振り出しに戻ったともはや笑うことしか出来ない。
族長ズは感じていた。まだ何か隠してるのでは無いかと。だが考えても無駄だったので、自分達なりに出来ることをやろうと遠い目で語り合ったのだ。
「こんなことしてる場合じや無いでごわす!」
「次の階層への階段がありやしたぜ!」
現実逃避気味の思考から脱出し、58層も探索を終えたアラミス達は階段を下っていく。
◇◇◇
「アラミス達が59階層に進出、残り時間は1時間弱……そろそろ勝負に出るかもな」
「これでは時間切れになるのでは?」
俺の呟きにユキムラが反応する。
そうだな、時間切れを狙ってるんだから何の問題もないぞ。
まだまだ検証したいことはあるからな、俺がミストの我が儘にタダで付き合うわけが無いじゃないか。あっはっは。
確かにミストは怒らせると面倒だ、定期的に相手しなきゃすぐ不機嫌になるし負けても不機嫌になる。
ならどうすれば良いか、それは勝つか負けるかギリギリの所をつくのだ。
今頃ミストもラビィもモニターに表示される制限時間をチラチラと見ているに違いない。このドキドキハラハラを演出しアイツ等をこの戦いに夢中にさせる。
そして俺は罠と階層の複雑さだけで相手がどれくらいで踏破してくるのかを実験中だ。
このまま行けば3時間で5層は突破できると言うことだ。
このある程度の時間感覚が分かれば、仮に冒険者達がやって来ても時間を感覚的に把握できるしもっと細かく動きを計算できる筈だ。
あとあんまり実践ってやったこと無いし、パーティー戦とかもやってないやってないことだらけなんだよこのダンジョンは。
それでいて時間だけは経っているから不思議なもんだ、俺が怠け者だと言うのはあるだろうがまだ大丈夫、俺はやるときにはやる男だ。
この戦いが終わったらミスト&ラビィチームの魔物達にはダンジョンの感想を聞いて反省点を洗いだし次に活かすのだ、完璧すぎる。
俺は他の場所を見ていてサスケとサイゾウが戦ってるところは見てないが良い勝負だったんだろう。俺が撤退させるまで粘ってたっぽいし、だいぶ実力をつけてきているようで安心だ。
以前のように吹っ飛ばされて俺の顔面に張り付かなくなったのは僥幸だ。
さて、いつまでもアラミス達を放置して置いても可哀想だし、そろそろ仕掛けて見るか。
「配下スライム、出撃だ!」
息抜きに新作書いてるんですが読みたいですかねぇ
そう言えばこの前でこの作品を書いて1年が経過してました。
続けてこれたのも皆様のお陰です、ありがとうございます。
まだまだランキングに載れる程ではないですが、応援宜しくお願い致します。




