対決!クロトVSミスト&ラビィ2
前話と全然話の話に少し修正を入れました。
主に権限の事についてです。
「首尾は順調なのさ!」
「このままクロトをボコボコにしちゃおう!」
ミストとラビィはダンジョンの第56層に急遽建設されたテントでのんびりしていた。
指示や味方の現在地はダンジョン権限により念話やモニターで確認できるため、大きく動く必要性は無いためだ。ただ退屈なのは仕方がない。
「まさかクロトが十勇士全部持って行くとは思わなかったなぁ」
「全くなのさ、僕らが呼びに言ったときは遅かったし……お陰でやろうと思ってたこと全然出来なかったのさ!」
「どうやって先回りしたんだろうね、でもこっちも強いから問題ないじゃん」
「ふっふっふ、ウノーとサノーがいれば誰にも負けることはないのさ」
「リビちゃんだって強いからね!忘れないでよ」
指示をそっちのけに互いの切り札を自慢し合う二人、作戦はちゃんと立てられているのか不安ではあるが一方の攻め込む側の面子がしっかりしているためミストとラビィの「全員突撃!」な作戦はサイレント却下され、独自で作戦を立てていた。
◇◇◇
「ウノー、そこに罠があります」
「……分かった」
森林地帯となっている階層にて先行しているポルトス達よりも後ろ側を歩いているのはサノー達のパーティーだ。
ポルトスやアラミス達が先行しているお陰で行軍は早くさらには罠も主要な部分は取り除かれているので、特に障害もなく進めていた。
「壊れているのは通り道にあるものだけですね、気を付けるのは少し逸れたところにある場所です」
「……全部は見ないのか?」
「流石にスタート地点からそれほど離れていない場所に置くほど簡単なことはしないと思いますね」
「まぁ、クロト様の事ですからどう考えてるかは分かりませんがね」と続けるサノーにウノーも頷く。
「……壊せるものは壊しておく」
突如ポルトス達が通ってきて獣道となった辺りからウノーは外れていき、サノー達と共に今回行動していた魔物達は慌てて止めようとするも他ならぬサノーに止められる。
数秒後、道を逸れ姿の見えなくなったウノーの方向から金属同士のぶつかり合いの音や布の様な何かが擦れ会う音などが大量に聞こえたかと思えばひょっこりとウノーは何事もなく戻ってくる。
「ここまであるとは思わなかった」
「まさかとは思いますけど全部にわざと引っ掛かりましたね」
「……勿論」
「はぁ」
慎重な行動をとるサノーとは違い、ウノーはそれならな大胆な性格をしている。大雑把とも言えるが、アンデットには特徴的な部分が存在する。
それは「不死性」である、浄化などされない限り腕か折れようが足を千切られようが痛みを感じないアンデットの行動の阻害にはなりえず、ほぼ普段と変わらず動き続ける事が出来る。
そんなウノーはそれを利用し、仕掛けられている罠と言う罠に自ら引っ掛かり起動させた後で破壊の限りを尽くしてきた。
「はぁ、とりあえずその色々くっついてる物をとりなさい」
「……面倒」
豪快と言うか大胆と言うべきか迷うところではあるがサノーからしてみればウノーは「極度の面倒くさがり」であり、頭痛の種である。
ため息を吐きながらもウノーに纏わりつくロープや足についている捕獲用で鉄製の動物の顎をモチーフにしたような罠をとっては捨てていく。
「もう少し自分のことは自分でしてくれると有り難いんですが」
「……時間がない、進もう」
露骨に話題を反らしのんびりとした態度とは一変し早足で進んでいくウノーに何度目かのため息を溢す。
「生きてた頃の方がマシでしたね」
地面に付いていた膝を立たせ立ち上がったサノーは困惑しながらも大人しくしていた他の魔物達に謝罪をしその足を進めていった。
逃げるように歩くウノーと合流し数分、ふと立ち止まる。
「……いる」
「えぇ、警戒はしておきなさい」
辺りは森となっており気配も疎らになっているため場所の特定は難しいがある程度の数だけは把握できた。そしてウノーはここまでの気配を消す事が出来るのは隠密特化型のスライムだろうと予測する。
「十勇士でしょうか」
「……だったら面倒」
最高戦力がミストであるとするならばウノーとサノーはのそ右腕と左腕の様な存在であり、十勇士とてそう簡単には勝ち越すことは出来ていない。
だが余裕で倒せるほどでもないので相手取ればかなり時間を取られてしまうだろう、ましてや相手が時間稼ぎを前提に動いてきたならば余計にだ。
それが複数ともなれば防戦一方になってしまうことは明白だった。
「時間が惜しいです、私とウノーで残りますから「……え」静かにしなさいウノー。貴殿方は先へお願いします。アラミスさん達と合流できればコアを探すことも出来るでしょうから」
「り、了解した!行こう!」
颯爽とサノー達の前を走り抜けて行く魔物達を横目に周囲に気を張る、その隙にウノーも逃げようとするが首根っこを掴まれ、無理やりその場に残らされる。
「私1人ではキツそうなので協力しなさい」
「……面倒」
「働かないのなら夕飯は無しですね」
「それはもっと面倒」
常にやる気の感じられない目をしているウノーだがサノーの脅迫により観念したのか、少しだけ闘志を見せる。
「こちらから仕掛けます。このまま黙っていても時間をとられるだけですから」
「早く帰りたいから終わらせる」
双子はそれぞれが別の気配がする木の幹を蹴りや拳で粉砕していく。アンデットには人間とは違い力のブレーキが存在せず、意図しない限りは人の限界以上の攻撃になるため、木をへし折ることは造作もなかった。
「っ!」
木を破壊した瞬間、風を切る音が耳に入り確認することなくサノーはそこに向けて蹴りを繰り出す。
金属の弾かれる音が鳴ったと思えば飛来してきたその物体は隣の木へと突き刺さる、どうやら飛び道具の様でウノーにも同じような光景が流れていた。
「これは確か」
「クナイですよっ!」
「なっ!?」
背後からかかる声に咄嗟にとった行動は前方への回避、すると同時に頭のあった場所へと風が通過する。声がなければ反応は出来なかっただろう。
「サイゾウ、奇襲の時は声をあげるなって旦那にも言われているだろう」
「そうだけどさー、思わず出ちゃうんだよね!」
快活そうに目の前に現れたのは桃色の丸い物体、スライムだ。そして並のスライム等では決してない、十勇士の1人であるサイゾウだった。
「……気配がないのは面倒っ」
「俺はそこのお間抜けとは違うんでね」
そして肩口を切り開かれたウノーの眼前には黒色のスライムであるこちらも十勇士の1人、サスケであった。
「1対1ですか」
「ユリちゃんには悪いけど先にリベンジしようかなってね」
「根に持っている様ですね」
「私って負けず嫌いなんだよねっ」
出会った当初から挑んできたサイゾウだがサノーに対する勝利数とはそれほど多くはなくかなり負け越していた。そもそも隠密特化な彼女が真正面から戦闘をすると言うのが間違ってはいるのとサノーは感じているが勿論ただで負けるつもりは毛頭無かった。
「行きますよっ、死にさらせぇ!」
「もう死んでるので無理ですね!」
両者の激突が始まった。
「さて向さんも始めたし、こっちもさっさと終わらせますかね」
「……余裕そう」
「訓練ならいざ知らず、なんでも有りなら負けねぇよ?」
「っ!?」
明らかな会話中であるにも関わらず一瞬の隙を突き手元のクナイを投擲する。一瞬目を見開いたウノーだが即座に回避しサスケの行動を見ようとするが既に遅かった。
「後ろ!」
「残念、前だ」
「がっ!?」
慌てて振り返ったウノーの懐へ飛び込んだサスケは渾身の体当たりをぶつける。たたらを踏みながらも体勢を立て直したウノーに感心する。
「へぇ、やっぱ一筋縄じゃないか」
「……今度はこっちから行く」
力強く地面を踏みしめサスケに接近したウノーが選択したのは蹴りだった。
それをサスケは余裕をもって回避し、木の上へと飛ぶ。
「言っておくが真正面から戦ってくれるとは思わないでくれ。俺はどんな手段を使っても勝つからな」
「さぁ、見つけてみな」と言い残しサスケはその姿を森に紛れ込ませ消えていく。
「……やっぱり面倒」
ウノーはまた少し闘志を見せる。
圧倒的強キャラ忍者




