対決!クロトVSミスト&ラビィ
今日の内に出せたのだから遅刻ではない。(苦笑)
「この戦、当然だが某達に敗北の二文字は無いと知れ!主に勝利の栄華を!!」
「頑張りますよぉっ!」
「色々試したいこともあるしな」
「主様へ勝利の祝福を」
「ガッハッハ!実力を確かめる良い経験になりそうだ!」
「ご主人さん、私……頑張ります!」
「ふふ、張り切りすぎ無いように行きましょう?」
「うーんこの空気良いね!楽しみなんだよ!」
「陛下のお心のままに……」
「我が君にふさわしい美しい勝利を飾ろうではないか!」
「はぁ、オイラも出来ることはやろう」
うーん混沌だな。実に喧しい、人選……いや、魔物選ミスかもしれないな、参った参った。
あれから3時間、ミストとの遊びと言う名目を利用した俺による戦闘訓練のスタートまでもうすぐだ。
侵攻してくる魔物達へ……ミスト率いる誰がいるかは良く分かってない奴等との開戦前、俺の厳選したスライム達の士気は時間が経つと共に勢いを増している。
そう、俺が用意したのはユキムラ率いる十勇士の全員だ。
ミスト、ラビィと別れた俺は早速ダンジョン支配下となっているユキムラと十勇士に一斉に連絡をとった。
「これからミストと戦うんだけど協力してくれる人~」と気軽に声をかけた、当然俺は何人かには断られるだろうと思ってたんだ。訓練とか自分の用事とかもあると思ってさ、5人位いれば上出来だろうと思ってた……まさか全員来るとは思わないじゃん。
念話を使って連絡したんだが、一切のズレなしで「はい!」と一辺に言われたのだがあまりにも全員が全力で返事をするものだから頭が痛かった。あれだ、高い音を聞いて耳がキーンとなるやつだ。
そしてここまで集まってしまったのならいっそ全部スライムにしてしまおうと言うことでユキムラに4匹厳選してもらい計15匹のスライムが俺の戦力だ。
恐らく普通の冒険者から見てみれば何てことのない雑魚だと思うかもしれない、ただその見誤りが命取りとなることは間違いないだろう。
冒険者によっては1人で15匹もスライムを相手にするのも楽な作業かもしれないな、普通のスライムならだか。
仮に今Dランクの中堅とされる冒険者がこの15匹と相対する事になればオーバーキルも良いところだろう。あ、冒険者側がキルされる方だから。
それくらいこいつらは隔絶している……らしい、家には常識人が俺しかいないからなおまけにダンジョンに籠りっぱなしなので殆どギャップが分からない。
つまりまともな奴がいないと言うことでは、いやいやそんな筈は無い。俺はラビィやミストとは違うのだ、常識の塊であると言っても良い。
それにスライムだからといってもユキムラ達の動きは殆ど人間と遜色のない動きをする、個体差はあれと器用だったり足が早かったりと色々だ。人間と変わらないな。
それに逆に人の形をとっていないからこそ出来る動きも多いし、やりようはあるだろう。
「作戦は伝えた通りで頼む、準備してくれ」
十一匹十一色の返事を聞き、俺はラビィへと開戦の合図を、十勇士達はそれぞれ散っていく。ユキムラ?俺の隣だよ、要らねえって言ってんのに。
「主を守は家臣の務めですからな!」
「今回俺自身に危険はないから遊撃とかに回って欲しかったんだけどな」
「お望みとあらば」
「まぁ、ピンチになったところの援護に行ってくれるなら自由にしててくれ」
スライム達の一騎討ちじゃんけんに勝利したユキムラは俺のとなりと言う特権を手にいれたとはしゃいでいたが、そんなに嬉しいものだろうか。つついとこ。
「ふっふっふ、また1つ自慢できますな!」
「何の自慢だよ」
時々言うことが分からないユキムラは放っておいて連絡を……向こうから来たな。
『ヤッホー!クロトー!準備出来てる?』
「ラビィか、出来てるぞ。いつでもかかってこーい、どうせ勝つけど」
『むっきぃぃぃ!吠え面かかしてやるからね!汚名挽回してやる!』
お嬢さん、それだと意味が無いんじゃないかな?
『じゃあこれから攻めるよ、ミスト何かない?……名誉返上してやるのさ!だって!』
揃いも揃っておバカな発言、この戦いが終わったら勉強会を開くとしよう。まずは正しい四字熟語からだな。これじゃ人前に出せない……いや出す気はないけどさ。
仮にも方や最高戦力で方やダンジョンの本体だぞ、それが1番知能が低いってどうかと思うんだよ俺は、人の目が気になる訳じゃないぞただ強キャラは高い知能があってこそ強者足り得ると俺は思うのだ。
「勉強はやっぱり必須だな」
「主?そろそろ攻めてくる頃合いかと」
「ん、オッケー。じゃあ作戦通りに、サイゾウ、サスケと配下スライムは偵察で逐一敵の動きを報告してくれ」
「お役に絶ちますよっ!」
「絶対成功してきて見せるさ」
そう言ってサイゾウ達は階層を上がっていった。
今回、念話とモニター意外の俺のダンジョンマスターとしての権限は廃止している例えばDPでの召喚とかもな、確かにフルに使えばミスト程度なら搦め手て1週間は凹ますことが出来るがあえて使わない。
それは単に万が一の想定もあるからだ。もし攻めてきた冒険者達が何らかの魔法やスキル、アイテムなどでダンジョンの機能を全停止させる方法があるとしたら権限便りである俺は能力を活かしきれないだろう。
そうなれば新しく魔物を召喚することも出来なくなるし、即興で罠を作るなどの対策も建てられなくなりダンジョン内で生存している魔物達を頼りにしなければ行けない、その時点で俺は8割方詰んでいる様なものだ。
なので今回はそうなった時のためにミストを利用し、対策を建てられるかどうか俺の采配は上手く行くのかを試す絶好の機会だ。
俺自身の力不足で今回負けたとしても次にいかすことを前提に考えているが当然ながら、今回の戦いで負けるつもりは毛頭ない。
だって負けたら屈辱じゃない?なので例えオツムの悪いミストやラビィが相手だろうとも俺は全力で叩き潰す、搦め手で。
「えーと向こうの面子は……族長達とウノーサノー、リビちゃんがいるのか、手強いな改めてみると」
向こうの攻め手はかなりの粒揃いだな要注意しておこう。
その6匹が2匹ずつに別れてあとの残った魔物達をバランス良く配置した編成の様だ。ラビィとミストにしてはオーソドックスだ。
俺としてこう「全員突撃!」って感じで15匹が一気に流れ込んでくるのかと思ったが流石にそこまでおバカでは無いようだな。
それはそれで守りが割りと固いのでやりづらいんだけどな、やりようはあるけど。
ふむふむ、ともあれ3パーティー編成で来るとなるとバランスの良い構成ではあるだろうな。
それぞれのパーティの個体差で若干守りが強固だったり攻撃的だったりするが誤差の範囲だろう。
さて、こっちも動いて行くとするか。
◇◇◇
「コアは5層の内のどこかに隠されているらしいでごわす」
「うーん、コアって匂いがありやせんからね。あっしの鼻は宛になりやせんね」
「ワテらは地道に探索するでごわすよ」
今回のダンジョン侵攻模擬戦において半ば無理矢理戦力にされたアトス、アラミス、ポルトスの3匹だが今この場にいるのはアラミスとポルトスにその他のコボルトの魔物3匹で機動力を考えられた編成で他のパーティよりも先行している。
アトスは別の場所にて落ち着かない雰囲気だがそんなことをこの2匹は知るよしもない。
「ダンジョンの階層は広いですからね、どこかに隠しているとなると細かく調べなきゃ行けやせんぜ?」
「ともするとのんびり探していると時間切れになるでごわすし、ワテらは兎に角進むでごわす」
「マスターも中々嫌らしい時間制限をしてくるもんだ」
この場にはおらず対戦相手となる存在が未だに謎の少年の事を頭に浮かべる。
自分達魔物では思い付かない事を考えやってのけ、何をどこまで考えているのか読めない男。直接的な手を下しては来ないが絶妙な嫌がらせの数々は掌で踊らされるような感覚に陥ってしまう。
「今回もそうでごわすかね……」
「マスターは無意味なこともやりやすけど振り回している様に見えて導いてくれたりしやすからね。深く考えでも無駄でしょうよ」
「ごわすね」
「でもただでやられるのはあっし等にとっても面白くありやせんからね、ここらで驚かせやしょう」
毎度毎度土俵の外から平気で攻撃を加えてくるダンジョンの主、確かにその知力だけならば勝てないと2匹は分かってはいる。だがそれでも族長であると言うプライドから負けず嫌いなのだ、たまにはそのボーッとした顔をひきつらせてやろうと画策していた。
「……見られてやすね」
「臭うでごわすからなぁ」
両者共に嗅覚が優れている。自分達を見ている存在の感知は容易であり、その力量もある程度は把握することが出来ていた。
「当たり前でごわすが、マスターの偵察部隊でごすね」
「確か向こうは大将と十勇士が全員居るんでしたね、凶悪すぎやすよ」
「ワテらを襲うつもりはないらしいでごわすな。恐らくは位置の把握でごわしょう」
「知らせに行きやすか?」
ポルトスは後続に情報を流しておくかを確認するも、アラミスは首を横に振るだけだ。
「囲まれている今動いてもこちらの戦力が減るだけでごわす、戦力で言えば後ろの方が強いでごわすから心配は要らないと判断するでごわす」
少なくとも攻撃をしてくる様子がないことから気にせず先に進む事を優先し、アラミスとポルトスのパーティーは先へと進んでいった。
「さーて、作戦成功ですよっ!次です!」
アラミス達が去った後木の枝に居たそれは己が主の作戦が上手く行ったと意気揚々と次の作業に取りかかった。
感想お待ちしております。
モチベーションが上がります




