蛇足
この話は蛇足です。
帝国に嫁ぐ予定だった第1王女が、とばっちりを受けた腹いせ、八つ当たりをしています。
前話で完結しています。書きたかっただけです。読まなくて問題ありません。
「今度の会議で、正式に王太子が変わります。次は私が王太女になります。
理由?まだわからないのですか?」
「いつも一級品のものしか身に着けない?美貌を維持することしか考えてない?何を当たり前のことを言っているのですか?彼女に会うためにどれだけの国の人が我が国を訪れていると思っているの?
『聖女は身も心も慎ましく清貧であるべき』ですか。それが救いに。笑ってしまうわ。
違うわ。いついかなるときも『王国の聖女として相応しくあるべき』です。王家もそうあるよう彼女に望んでいました。当然でしょう?彼女は王国の象徴です。そもそもあれらの多くは彼女に献上されたものですよ。
搾取してる?彼女に対する私的な贈り物は国内外とも禁止していますし、王家が彼女のために何かを差し出せと国内外に要求したこともありません。皆、彼女によって救われたからこそ、その礼にと一級品を献上しただけの話です。」
「彼女が他国を訪問しているのを知っていますね。
はぁ、遊びに行っていたと思っていたのですか。
彼女がその国を訪問することによって、加護の影響がその国に出ます。他国に降り立つ時、その磨かれた美貌で周囲にここぞとばかりに自身を、王国を見せつけるのです。
華美な衣装は必要ない?その方が遠目に見ても分かるでしょう、そのきらびやかさが。それが彼女がいる国にもたらされるものだと、人々はそれを見て彼女が来てくれたと、安堵するのですよ。」
「彼女が食べるものはすべて管理されていました。我々以上に、です。何があるかわかりませんもの。我々の変わりはいても、彼女の変わりはいないのですよ。
そうね、あの菓子一つでも平民であれば10日も十分な食事を得るでしょう。あれは帝国が彼女に献上したものですが。
ふっ。それを10個も20個も彼女が食べているとでも思っていたのですか?本当に馬鹿ですね。あの美貌を維持するのにどれだけ努力が必要だと思っているのですか?好きなものを好きなだけ食べれるなんてあるわけがないでしょう。
美容施術のおかげ?あれは磨きあげるものです。元が悪ければ効果の程度もしれるでしょう。美容施術でたるんだお腹がなくなるとでも?肌の荒れが治るとでも?日頃からの節制、管理された食事と運動でなしえるものですよ」
「侍女に向いてないと言った?えぇありましたね。彼女が満足するような手入れができないどころか彼女に傷をつけたもの、当然でしょうに。まぁ結局は某国が寄越した間諜でしたわ。
『向いてない』だなんて遠回し言ってあげてますのよ?優しいことね。私なら女官長に『変えて』と言って終わりにしているわ。」
「彼女は外出も制限されていました。そもそも孤児院など回る時間などなかったのですよ。さっき言いましたでしょう?彼女は他国に訪問をしていると。とはいえ王国の不在期間が長いと加護に影響が出ますもの、彼女の外交スケジュールはきちんと国で管理されていました。空いた日程で、幼い頃は各国の言語・礼儀作法・歴史を学び、それを修めた後は、学園に通っていましたわ。
休みの日……学園を休んでいた分の授業の内容の確認と追加の課題、そして各国の近々状況についての情報収集をしていると言っていましたね。
自分の方が最終総合順位が上だった?あなた彼女の存在を気にかけてもいなかったのですね。言ったでしょう、他国に訪問してると。当然その間の授業も試験も受けていませんよ。追試に間に合わなかったこともあったはずです。彼女の予定は国が決めていますもの、本当は特例を作るところですが彼女が嫌がったのです。彼女は受けた試験はすべて1位でしたわ。出てないものと合算した平均で上回っただなんて、、恥ずかしすぎるから外で言うのはやめて頂戴」
「私的なお茶会を何度も?貴族の令嬢として当然でしょう?社交期間でさえ十分に参加できませんもの。不在期間中にあった大事なものはすべて、休日にお相手に時間をとっていただいていたと聞いています。あなたが馬鹿なことをしなければ、いずれこの国の王妃となる予定ですもの、有力貴族との交流をないがしろにして言い訳がありません。彼女もそれを分かっていたからこそ、自身の休日を潰してでもお茶会をしていたのですよ。」
「彼女が否定すればよかった、ですか。王族の命令をなんだと思っているのですか。王妹が嫁いだ公爵家が王家に逆らうなど、謀反の意を表明しているに他ならないではないですか。あの場には、王国内だけでなく、周辺各国の留学生もいました。彼らはあなたの発言の後即座に自国に早耳鳥を飛ばしたでしょう。
あぁ、彼女は一瞬悩んだそうですよ。王妃教育も終わっていましたからね。死ぬか、帝国に行くか。ただ、彼女が死ねば王国だけでなく、加護の恩恵を受けていた他国にも影響が及びますからね。死んだあと彼らから責を受けるのは誰か、王国がどういう立場に立たされるか、それを考えて即座に帝国に渡ったのでしょう。愛国心の高い賢い人です。帝国について真っ先に、王国の国家機密は語らないと、自身に魔法誓約をかけたそうです。
えぇ、帝国についてすぐ、父上と叔父様に手紙がありました。
あなたに教える必要があって?言ってどうなるのですか?どうにもならないでしょう?
とりあえず、帝国での立場を完全なものとしてから、里帰りということで王国に来れるようにするから、数年耐えてほしいとのことでした。どこにいっても彼女は変わりませんね。
叔父様宛には、クローゼットの中に彼女自ら作ったウェイトベアが置いてあると、帰るまでそれを代わりにしてと書かれていたようです。皆、泣いておりましたわ。」
「本当に、本当に、あなたは何もわかっていなかったのですね。彼女がなぜここまで献身を尽くしてきたと思っているのですか。
いずれ王となるあなたの隣に立つからこそ、その未来のためにずっと努力してきたのでしょう。
あぁ、彼女の言ったこと、それのみをその通りそのまま受け取る人間がいるとは、それが一流の教育を受けた王族で、自身の弟だとは、残念という以上に失望の念を禁じ得ません。」
くどいかと思ったけど、学園でもエリザベスの発言そのまま受け取ってたのは(元)王太子とその周囲で半分くらい。
以下、流れで入れられなかったところ
・王太子のその後は、どう書いても、エリザベスにとってどうでもよかったので消去
・その後シャルロッテにアンジェリカを治療させることを条件に里帰りする。
国王陛下から正式な謝罪を受け、毎年里帰りすることを約束。王国は危機を脱する。
・その後、②エ女、③ア男、④エ女、⑤エ男、を産む。②④⑤がエリザベスと同じ加護をもつ
③が皇太子。②は宰相の子と結婚、④は王国第1王女の子と結婚しやがて王国王妃。帝国も王国も安定。
ベアトリスはエリザベスと一緒に行った外交先の隣国で会った第1王子に嫁ぐ。⑤は出奔。




