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東観漢記、陳俊伝
1.
俊初調補曲陽長,上曰:「欲與君為左右,小縣何足貪乎?」俊即拜,解印綬,上以為安集掾。
2.
建武二年春,攻匡城賊,下四縣。
3.
光武賜陳俊絳衣三百領,以衣中堅同心之士也。
(訳)
陳俊は初め曲陽の長に調任されたが、
お上は言った。
「君を左右にしたいと思っているのに
小県(の長)でどうして満足しているんだい?」
陳俊はすぐに再拝して印綬を解き、
お上は彼を安集掾とした。
建武二年(26)春、
匡城の賊を攻め、四つの県を下した。
光武帝は陳俊に絳衣(赤い服)三百領を賜り
この衣を中堅、心を同じくする士
(のあかし)とした。
(註釈)
曲陽の長に補されて
劉秀に冗談を言われる逸話は
東観漢記にしかない。
光武帝紀の註によると、
凡そ軍事では、中軍の将が最も尊く、
軍中に居ながらその堅鋭を以って
自らの助けとするので、
故に「中堅」という。
赤い服は精鋭と同心の証。