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淡々後漢書  作者: ンバ
第十七、岑彭伝
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48/102

十五〜十七、遺徳を慕って/後嗣その後/美きかな岑君

15.

彭首破荊門,長驅武陽,持軍整齊,秋豪無犯。邛穀王任貴聞彭威信,數千里遣使迎降。會彭已薨,帝盡以任貴所獻賜彭妻子,謚曰壯侯。蜀人憐之,為立廟武陽,歲時祠焉。


(訳)

岑彭は首《はじ》め荊門を破り、武陽へ長駆し、

所持する軍勢は整然として足並みが揃っており

秋毫も(法を)犯す者はなかった。


邛穀《きょうかく》王の任貴《じんき》は、岑彭の威信を聞いて

数千里から使者を遣わして

降伏を迎え入れたが、

その折には岑彭が已に薨じており、

光武帝は任貴の献じてきた所の

盡くを岑彭の妻子に下賜した。


諡して「壮侯」といった。


蜀の人々はこれを憐れみ、

岑彭の為に武陽に廟を立て

歳時には祭祀をおこなった。


(註釈)

これからって時に逝っちまうんだからなぁ……。


岑彭のために蜀側が廟を立てるとか

敵国の人にも好かれてたのがわかりますね。


岑彭が倒れたため、

蜀討伐については呉漢に交代します。


16.

子遵嗣,徒封細陽侯。十三年,帝思彭功,復封遵弟淮為穀陽侯。遵永平中為屯騎校尉。遵卒,子伉嗣。伉卒,子杞嗣,元初三年,坐事失國。建光元年,安帝復封杞細陽侯,順帝時為光祿勛。


(訳)

子の岑遵《しんじゅん》が嗣ぎ、細陽《さいよう》侯に徒封された。


十三年(37)、

光武帝は岑彭の功績を思慕し

今度は岑遵の弟の岑淮《しんわい》を

穀陽《こくよう》侯に封じた。


岑遵は永平《えいへい》年間(明帝の御代)

に屯騎校尉《とんきこうい》となった。


岑遵が卒すると、子の岑伉《しんこう》が嗣いだ。

岑伉が卒すると、子の岑杞《しんき》が嗣いだ。


元初三年(116)、

罪に伏して封国を失った。


建光元年(121)、

安帝が再び岑杞を細陽侯に封じ、

順帝の時代に光禄勲となった。


(註釈)

封国没収されましたが

安帝が温情でもっかい封爵してくれた?


85年経っても孫の世代ってことは

当時にしては結構長生きなのね。


17.

杞卒,子熙嗣,尚安帝妹涅陽長公主。少為侍中、虎賁中郎將,朝廷多稱其能。遷魏郡太守,招聘隱逸,與參政事,無為而化。視事二年,輿人歌之曰:『我有枳棘,岑君伐之。我有蟊賊,岑君遏之。狗吠不驚,足下生氂。含哺鼓腹,焉知凶災?我喜我生,獨丁斯時。美矣岑君,於戲休茲!』


(訳)

岑杞が卒すると、子の岑熙《しんき》が嗣いだ。


安帝の妹の涅陽長公主《でつようちょうこうしゅ》を尚《めと》り、

少くして侍中《じちゅう》、虎賁中郎将《こほんちゅうろうしょう》となり、

朝廷の多くはその能力を称えた。


魏郡太守に遷ると

隠逸を招聘してともに政治に参画させ

居ながらにして風化を行った。


事業を視ること二年で、

輿人がこれを歌にしていわく、


「我に枳棘《ききょく》有れば、岑君これを伐つ。

我に蟊賊(禍害)有れば、岑君これを絶つ。


狗吠えるとも驚かず、足下に氂、生ず。


※哺を含み、腹を鼓し、

(※含哺鼓腹、満腹になって腹鼓をうつ、

泰平のたとえ)

どうして凶災を知ろうか。


我は喜び、我は生き、獨り斯く時に丁《あ》たる。

美しきかな岑君、嗚呼、素晴らしきかな」


(註釈)

ひ孫の岑熙もレベルが高い!


光武帝と仲間たちの子孫は

三国志にちょこちょこ出てきます。

ざっと紹介すると、


光武帝の兄、劉縯《りゅうえん》の子孫が、

かの劉備《りゅうび》という説あり。


鄧禹《とうう》の子孫が、蜀の鄧芝《とうし》と

あと曹爽の金魚のフン。

あと、前秦の鄧羌《とうきょう》も。


呉漢の子孫が、何進《かしん》配下の呉匡《ごきょう》、

蜀の呉懿《ごい》(呉壱)や呉班《ごはん》。


寇恂《こうじゅん》の子孫が、蜀の劉封《りゅうほう》。


馮異《ふうい》の子孫が、呉の馮煕《ふうき》。


耿純《こうじゅん》の子孫が、蜀の簡雍《かんよう》。


来歙《らいきゅう》の子孫が、蜀の来敏《らいびん》。


馬援《ばえん》の子孫が、

西涼の馬騰《ばとう》や蜀の馬超《ばちょう》。



そして、岑彭《しんほう》の子孫は……

呉末期の佞臣、岑昏《しんこん》。

オチ担当ッッ。

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