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淡々後漢書  作者: ンバ
第十七、岑彭伝
46/102

十二、荊門の事なら岑君然

12.

十一年春,彭與吳漢及誅虜將軍劉隆、輔威將軍臧宮、驍騎將軍劉歆,發南陽、武陵、南郡兵,又發桂陽、零陵、長沙委輸棹卒,凡六萬餘人,騎五千匹,皆會荊門。吳漢以三郡棹卒多費糧谷,欲罷之。彭以蜀兵盛,不可遣,上書言狀。帝報彭曰:『大司馬習用步騎,不曉水戰,荊門之事,一由征南公為重而已。』彭乃令軍中募攻浮橋,先登者上賞。於是偏將軍魯奇應募而前。時天風狂急,奇船逆流而上,直沖浮橋,而欑柱鉤不得去,奇等乘勢殊死戰,因飛炬焚之,風怒火盛,橋樓崩燒。彭復悉軍順風並進,所向無前。蜀兵大亂,溺死者數千人。斬任滿,生獲程汎,而田戎亡保江州。彭上劉隆為南郡太守,自率臧宮、劉歆長驅入江關,令軍中無得虜掠。所以,百姓皆奉牛、酒迎勞。彭見諸耆老,為言大漢哀湣巴蜀久見虜役,故興師遠伐,以討有罪,為人除害。讓不受其牛、酒。百姓皆大喜悅,爭開門降。詔彭守益州牧,所下郡,輒行太守事。


(訳)

十一年(35)春、

岑彭と呉漢ごかん、及び誅虜ちゅうりょ将軍の劉隆りゅうりゅう

輔威ほい将軍の臧宮ぞうきゅう驍騎ぎょうき将軍の劉歆りゅうきん

南陽なんよう武陵ぶりょう南郡なんぐんから兵士を徴発、

一方で桂陽けいよう零陵れいりょう長沙ちょうさの操舵兵を輸送し、

凡そ六万余人、騎馬五千匹が

みな荊門にて会同した。


呉漢は、三郡の操舵兵に

糧秣の出費が多い事から

これをめさせようとした。


岑彭は、蜀の兵が強盛であり

中止する事は出来ないと考え、

上書して現状を告げた。


光武帝から岑彭への報せにはこうあった。


「大司馬(呉漢)は

歩兵や騎兵を用いる事には習熟しているが

水戦には通暁していない。


荊門の事業については

一切を征南公(岑彭)に委ねて

重きを為すのみである」


岑彭はそこで軍中に命じて

浮橋を攻撃する人員を募り、

先に到達した者に

最上の褒賞を与えるとした。


こうして偏将軍の魯奇が

募集に応じて進んだ。


この時の天候は風が猛り狂っており、

魯奇の船は水流に逆らって遡上、

直ぐに浮橋へ辿り着いたが、

欑柱がけられて(引っかかって?)

退却する事が出来なくなった。

魯奇らは勢いに乗じて

とにかく死に物狂いで戦い、

かがりびを飛ばしてこれを燃やすと

風が吹き荒れて火の勢いが増し、

橋樓は焼け崩れていった。


岑彭はふたたび全軍で

風に順って並進し、向かう所敵なしであった。


蜀の兵は大いに乱れ、

溺死した者は数千人にのぼった。


任満を斬り、程汎を生け捕りにしたが、

田戎は逃亡して江州を保った。


岑彭は※上奏して劉隆を南郡太守とし、

(劉隆を昇進させて…のニュアンスかも)

自らは臧宮・劉歆を率いて

長駆して江関へと入り、

軍中に掠奪を行わぬよう命を出した。

その為に、百姓はみな牛を奉じ、

酒で迎えて(岑彭らを)慰労した。


岑彭は耆老らに見えると、大漢は巴蜀が久しく

虜役とされている事を哀憫したために

いくさを興して遠方を伐っているが

罪有る者を討伐して、人々の害悪を除く為である。

と述べ、謙譲して彼らの牛や酒は受け取らなかった。


百姓は皆大喜びし、

争って門を開き、降伏してきた。


詔によって岑彭が益州牧を代行する事となり、

下した郡については

その都度太守の事業を兼行した。


(註釈)

浮橋攻めの決死隊を募る岑彭、

名乗り出たのは偏将軍、魯奇ろき

彼の奮闘で一気に形勢は

漢軍側に傾きました。


「棹卒」は、操舵兵でいいのかな?

船の漕ぎ手の事よね?


荊南の諸郡から人員・物資を集めて

いよいよ本格的な蜀攻略に

動き出した岑彭。


来歙らも隴西方面から南下しており

二方面からの挟撃態勢になっています。


大司馬呉漢は、操舵手まで駆り出すのは

コストがかかりすぎるから

やめさせろ、と岑彭に抗議。


岑彭は光武帝に意見を仰ぎますが、


「野戦なら無敵の呉漢だが、

水戦に慣れていないから……

ここは岑彭の意見を最優先とする」


との答え。

全面委任とか、信頼されてるわね。


行けぇ、岑彭!

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