8.カードゲーム対決しよう
――次の日、山本と疋田は予定通りの時間にやってきた。
「ゆ、優夜……この人たちはだれですか?」
花が少し怯えるように、俺の服の裾を掴む。
「昨日いっただろ? 俺のダチの山本と疋田だ。お前ら、花が怯えてんぞ!?」
「ちょ……普通に立ってるだけだろうが!? なぁ、疋田!?」
「そうそう、おれたち何もしてないって。花ちゃんだっけ? おれは疋田和人、よろしくね」
「オレは山本達哉、オレら2人とも高岡のダチだよ。よろしくな、花ちゃん」
それでようやく誤解が解けたのか、硬くなっていた花の表情も多少和らいだ。
「……んー? 花は末莉花っていいます。よろしくおねがいします」
「挨拶も済んだところで早速やろうぜ? まずは、俺と山本からでいいか?」
「ああ、おれは花ちゃんと見学してるよ」
「オーケー。準備しようぜ、山本」
「おう!」
コイントスの結果――俺が勝って先攻を取った。
「先攻もらうぜ。マリガンはなしだ」
「オレもしない」
「じゃ、始めようぜ。アンタップ、アップキープ、先攻なんでドローなし。沼をプレイして1マナから『強迫』だ」
「げ……いつものデッキか。ほらよ」
山本の手札はと……Lightning Bolt(以降稲妻)が2枚あるな……土地は山1枚か、よし――
「火葬を捨ててもらおうか」
「火葬ね……」
山本が自分の墓地に火葬を置く。
「エンドだ」
「オレのターンだな。アンタップ、アップキープ、ドロー。1マナから『モグの狂信者』でエンド」
1/1だが、倒そうとしても生贄にして1点は確実に飛ばしてくる厄介な奴だ。
かといって、そのまま放置しておくと1点ずつ削られちまう……ここは――
「俺のターン。アンタップ、アップキープ、ドロー」
『ヨーグモスの意志』を引いたが、今は必要ねぇな。
「島をプレイして島から1マナ、『呪われた巻物(以降カスコ)』をプレイしてエンドだ」
「む、早々に出てきたな……オレのターン。アンタップ、アップキープ、ドロー。山をプレイして狂信者でアタックしてエンド」
「通すぜ。エンド前に沼から1マナ、『吸血の教示者』をプレイ」
さて、何を持ってくるか……偏頭痛も拷問の車輪も今はあまり必要ない、となると……これが先だな。
俺は、そのカードをデッキの一番上に置く。
「教示者で2点ロストして俺のターン。アンタップ、アップキープ、ドロー。『不毛の大地』をプレイしてエンドだ」
「エンド前に、山1マナから稲妻で直火焼きだ」
3点は痛いが、Arcane Denial(以降アーケン)を使うほどでもないから通しだな。
「通すぜ、焼きな」
「そんでオレのターン。アンタップ、アップキープ、ドロー。狂信者でアタックしてエンド」
「通すぜ、土地きてねぇな。事故ってんのか?」
「さぁな」
「ま、俺のターンだな。アンタップ、アップキープ、ドロー。『Underground Sea(以降アングラシー)』をプレイ」
「ほう、いいカード持ってんじゃねぇか。いつ手に入れた?」
「この間ショップいった時にな」
あの時は、思わず狂喜乱舞してしまって店長に怒られたが、欲しいカードだったんでマジで嬉しかった。
もう片方はカスレアだったが、大した問題じゃない。
「アングラシーから黒1マナ、沼から1マナ出して『Hymn to Tourach(以降ヒム)』をプレイするぜ!」
「来たか……まぁ儀式から初手に使われなかっただけマシだな」
コイツは、相手の手札を2枚無作為に捨てさせるという極悪カードで、暗黒の儀式から強迫+ヒムって決まると、最高にハイって奴だ!!
「その前に山1マナから稲妻で焼いとくわ」
山本の手札から落ちたのは、『なだれ乗り』と『ボガーダンの槌(以降ハンマー)』、てことはあの1枚はボーライか。
「これで俺のターンはエンドだ」
「やっぱヒムは痛ぇな……オレのターン。アンタップ、アップキープ、ドロー。山をプレイして3マナから『ボール・ライトニング』をプレイ――」
「――おっと、ソイツは島から1マナ、不毛の大地から1マナ出してアーケンでカウンターさせてもらうぜ」
「チッ、狂信者でアタックしてエンドだ」
「俺のターン。アンタップ、アップキープ――キャントリップで2枚ドローしてもいいぜ」
「なら、遠慮なく」
「で、俺も1枚ドローして本来のドロー。沼から1マナ出して『暗黒の儀式』、3マナで『惑乱の死霊(以降ヒッピー)』をプレイしてエンドだ」
「オレのターンか。アンタップ、アップキープ、ドロー。山をプレイして狂信者でアタック」
残り9点か……狂信者を飛ばさせておいたほうがいいな。
「対応して3マナからカスコ起動、対象は狂信者でカードはヨーグモスの意志だ」
「お前の手札は1枚だから100%当たるな。その前に狂信者を生贄にして1点ダメージ与えとくわ、でエンド」
「俺のターンだな。アンタップ、アップキープ、ドロー。ヒッピーでアタック」
「対応して山から2マナ、『いかづち』でヒッピーに4点」
「ヒッピーは破壊されて、沼、島、不毛の大地から1マナずつ出して『拷問の車輪』をプレイしてエンドだ」
こっちも微妙に土地こねぇな……。
「オレのターン。アンタップ、アップキープに2点ダメージくらってドロー。山1マナから狂信者をプレイしてエンド」
「俺のターン。アンタップ、アップキープ、ドロー。3マナから拷問の車輪をもう一枚プレイしてエンドだ」
「げ、もう一枚追加かよ。オレのターン。アンタップ、アップキープに4点ダメージくらってドロー。流砂をプレイして狂信者でアタックしてエンド」
山本はこれで5マナか……6マナ揃えられる前にライフ削り切らないと負けるな。
「俺のターンだな。アンタップ、アップキープ、ドロー……エンドだ」
やべぇ、マジで土地こねぇぞ……。
「オレのターンか。オレのターン。アンタップ、アップキープに4点ダメージくらってドロー。狂信者でアタックしてエンド」
「対応して3マナからカスコ起動、対象は狂信者でカードはさっき同じヨーグモスの意志だ」
「生贄で1点飛ばしな」
「おう、俺のターン。アンタップ、アップキープ、ドロー――」
――ここで決めるしかねぇ!!
「4マナ出して黒マナ1残しでヨーグモスの意志をプレイするぜ!!」
「――っ!?」
「残った黒1マナで墓地から暗黒の儀式で黒3マナ、うち2マナ使ってヒムをプレイだ」
「く……」
これで、山本の手札は0になった。
落ちたのは、『Folk』と『ジョークルホープス』……危ねぇ。
「残り1マナで吸血の教示者をプレイして2点ロストでエンドだ」
デッキの一番上に持ってきたのは強迫、これで山本に5点以上の火力カードがなければ俺の勝ちのはずだ。
「……オレのターン、アンタップ、アップキープに6点ダメージくらってドロー……2点足りねぇか。山1マナから稲妻で3点ダメージ、で――投了だ。いいデュエルだったぜ」
――山本とのデュエルは、辛うじて俺が勝利した。
おそらく、一手遅れてたら俺の負けだったんだろうが、今は勝ったことを素直に喜ぶことにしよう。
次は、疋田とのデュエルだ――!!
「山本」
「ん?」
「もう終わったことだから言っても仕方ないが、5マナ揃った時点でハンマー拾ってきてたらお前の勝ちだったよな?」
「……アーッ!!」
今度は1000字ほどオーバーしました……。例外アリって書いておこう(汗
というわけで、青黒ハンデスVS赤単バーンでした。
山本のハンマーは明らかにプレイングミスですね、まぁ、まだまだ未熟者ということで。




