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魔法の鏡は知っている 〜やられっぱなしの気弱令嬢、毒親と不実な婚約者をガラス越しに公開処刑いたします〜  作者: しの


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第17話 迫真の悲鳴

歓談が最も盛り上がった瞬間だった。


ガシャンッ!!


甲高い音を立てて、エリスの手からクリスタルグラスが滑り落ち、大理石の床で粉々に砕け散った。


「きゃあああっ……! い、息が……お腹が、熱い……!」


エリスが胸元を押さえ、白目を剥くようにして床へ崩れ落ちた。

真紅のドレスが床に広がり、口元からわずかに白い泡が漏れ出る。事前に練習を重ねていたのであろう、見事な迫真の倒れっぷりだった。


「エリス! どうしたんだ、エリス!」


アルフレッドが駆け寄り、わざとらしく絶叫した。


「誰か、侍医を! ……毒だ! このグラスに毒が盛られている!」


広間が一瞬で静まり返った。

音楽が止まり、着飾った貴族たちが蜘蛛の子を散らすように距離を取る。


壇上の王太子が眉をひそめて立ち上がり、近衛兵たちが抜刀して広間の出入り口を封鎖した。


「何事だ!」


近衛隊長が割って入る。


アルフレッドは床のエリスを抱き抱えたまま、怒りに震える人差し指を、群衆の真ん中に立ち尽くす私へと突きつけた。


「この女だ! 婚約者でありながら、私の愛を妹に奪われたと逆恨みし、エリスを毒殺しようとしたんだ! クララ・フォン・アンバークを拘束しろ!」

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