魔石の短剣
あとちょっとで一年終わりですね
祝!総合評価160越え!
同期の三人を見るとめっちゃ頷いてる。カラレに至っては首がちぎれんばかりに。いや、あの、マジで酷くね?
精神的ダメージを食らいながら、私とカラレは一般食堂に向かった。騎士の二人は疲れすぎてご飯を食べる気力が無いのだとか。お疲れ、お二人さん。
一般食堂はお昼時にもかかわらず空いていた。私達はカウンターに並び、メニューを見る。世界各国から人が集まってくる影響で、様々なメニューが取り揃えられていた。今朝は、露天のパンが残っていたから利用しなかったんだよね。
「あ、今朝これ食べたけど、美味しかったよ。おにぎり」
「おにぎり?」
カラレが指差している白い三角形の何か。ヤマトノクニの料理の一種らしい。へえ、どんな感じの食べ物なんだろう。食べてみよう。カウンターでおにぎりを注文し、空いている席に座ると、カラレが目の前に座った。ちょっと、うざい。何でどこまでも引っ付いてくるのだろうか。
早く一人になりたくて、食事を始める。おにぎりはべとべとしていたが、とてもおいしかった。
カラレを放置して、総務省に向かう。空き部屋の申請するの忘れてた。
総務省は軍部と違って静かで落ち着きのある場所だった。受付で部屋の申請をして、一年分の料金を支払い、部屋に戻った。
いつも通り早めに起きてしまった私は食堂で食事をとり、お城の中を探検する。国家魔術師、特に第七に所属していると、大抵の場所はローブを見るだけで通してもらえた。ただ、王族が使用している場所より上の階は行けはしたけど部屋には通してもらえなかった。王族の近衛になれば自由にどこでも行き来できるのだとか。
王宮内を大体一周したところで、いい時間になっていることに気付き、軍部大臣の執務室に向かうことにした。
ドアをノックして、執務室に入ると、軍部大臣が座っており、その隣に身なりの良い服に身を包んだ少年が隣に立っていた。金色のサラサラの髪に黄色の瞳。まるで作り物のような美しい顔。この世に存在しているのか疑ってしまうような人間がそこに立っていた。
「レインか。早かったな」
「へ?あ、はい」
思わず見入っていると、大臣に声を掛けられた。声を掛けられなかったら、ずっと彼のことを見つめ続けていたかも。少年は大臣の机の上に散乱していた書類を手早く掻き集め、退出していった。退出する際に頭を下げなかったことで、私は彼が平民ではないことに気が付いた。大臣は平民の出だから。
「大臣、あの方は?」
「あの方は、この国の第一王子のトルド・フォン・マギラ。双子の第一王女のマリア様が国王になったら、私の後を継いでもらう予定なんだ。今は勉強中でな」
将来的に上司になるのか。それにしても、あんなに美しい人だとは思わなかった。芸術品の一種だと言われた方がしっくりくるくらい。人間味がない。王子があれなら、王女も同じくらい美しい存在なのだろう。
双子の王族について色々考えていると、大臣が机の引き出しから何かを取り出し、コトリ、と机に置いた。手招きをされ、机に近付くと、短剣だった。
「全員に一斉に説明しようと思ったんだが、まだ来なさそうだから先に説明するか」
短剣を渡され、抜いてみると、透明な刀身だった。ただの鉄のナイフだと思っていたら、ガラスですか。私が短剣を指で弾いていると、大臣は説明を始めた。
「これは、魔石を使った短剣だ。ミスリルでも切れないぐらいの強度はある。使用者の魔力によるがな。お前が使ったら、ドラゴンをバターのように切れるんじゃないか?」
「マジすか。それはすごい」
「いや、ちょっと盛り過ぎた」
そんなやり取りをしているとカラレ達も入ってきて、同じ説明を受けていた。この短剣は魔術師に与えられるもので、騎士の二人はミスリルの剣を貰っていた。ただ、第七は団長の意向でヤマトノクニ製の刀を貰っていた。ああ、あの細い剣が噂の刀なのか。女騎士は普通の剣でした。
「それでは、各々訓練に励むように」
大臣にそう言われ、私達は頭を下げ、退出した。明日からは各団に別れて研修再開らしい。実戦はまだまだ先か。
研修を再開してから、毎日忙しかった。午前中はひたすら魔法の打ちっぱなし。午後からは書類仕事。それを三か月間ひたすら繰り返した。もう三か月は実際にドラゴンの討伐や王族の近衛としての心得やらなんやらを叩き込まれる日々。同じく第七に所属した同期の騎士、シュミルと共に組まされて色々やった。そんな感じであっという間に研修期間が過ぎ去った。
おしえて、レインちゃん!
?「黒ローブの名前、本当はなかったんだよね」
レ「え、かわいそう」
?「ノリで決まってよかったよ」




