トラウマ王宮
祝!総合評価120
試験日から一週間が経過した頃、宿屋に王宮から私宛の書類が届いた。封を開けてみると、国家魔術師試験の合格通知だった。配属先は第七魔術師団だ。仕事内容は明日説明されるらしい。また王宮に行かなくてはならないらしい。軍部の重鎮に囲まれた思い出がちょっとしたトラウマになってるから嫌なんだけど。まあ、仕事を貰えるし、生活も保証してくれるから強くは言えない。
ベッドの上でゴロゴロしていると、足音が近付いているのが分かった。誰だろう。疑問に思っていると、部屋のドアがノックされた。私に用があったらしい。ドアを開けると、ミカちゃんが立っていた。はあはあと息を切らしているのを見ると、走ってきたらしい。そんなに急いで来るほど重要なことがあったのかな。
「あ、あの。これ、渡し忘れてました」
そう言って紙袋を差し出してきた。結構大きい。中を見てみると、灰色のローブが入っていた。これ、師団長と同じだ。でも、刺繍の色が紫だ。ミカちゃんにお礼を言って、ドアを閉める。ローブを試しに羽織ってみると、私にとっては大きかった。が、魔力を通すと、サイズが私に合うように小さくなっていった。おお、すげぇ。姿見の前でくるくる回っていると、ひらりと一枚の紙が床に落ちた。
紙にはこのローブの効果が書かれていた。魔力を通すと着用者の体に合わせてサイズが変動すること。汚れたり破れたりしないこと。耐寒耐熱の魔法が付与されていること。最初に着た着用者以外は着ることができないこと。
「これ、ある意味オーダーメイドってこと?いや、魔力登録を一度リセットできるのか?」
考えても仕方がない。とりあえず明日に備えて荷物をまとめる。既に王宮に部屋は準備されているらしく、明日からでも入居可能とのこと。宿屋もいいけど、やはり自分専用の部屋が欲しい。
翌日、私はいつもの服を着た。しかし、マントではなく、灰色のローブを羽織った。よし、これから国家魔術師として頑張ろう。
カウンターでチェックアウトする時、ミカちゃんが応対してくれたが、彼女の引き止めっぷりが半端なかった。
「レインざん!いがないでぐだざいいい!」
泣き落としである。わんわんと泣き出すから、予定よりも一時間も出るのが遅れてしまった。いやあ、あそこまで泣かれるとは思わなかった。大事な金づるを手放したくなかったのか、同年代の話し相手を失いたくなかったのか。どっちかは分からないけど、朝から疲れた。これから、私、仕事なんだけど。げっそりしながら王宮に向かって歩いていると、私と色違いのローブを着ている人とすれ違った。王宮に向かう人や門に向かう人。どこに向かって歩いているのか分からない人など。王都の外に住んでいる人も少なからずいるそうだけど、王都に住み着いている人が大半だ。まあ、王宮が拠点となるから当たり前なんだけどさ。
王宮に着くと、門は開かれているのに中に入っていない三人の男女がたむろしていた。格好からして、国家魔術師と国家騎士。国家騎士っていうのは国家魔術師とペアを組んで行動する騎士のことだ。こっちも国家魔術師と同じく、なるのは難しい。
おしえて、レインちゃん!
?「やっと本編入った!」
レ「なかなか進まない作品ね」
?「痛いところをつかれた」




