圧迫面接
いいねがたくさんついてて嬉しい
祝!総合評価110越え!
案内された部屋に入ると机と椅子が人数分並べられていた。室内に入った順番で奥から着席していく。案内人は試験監督も務めるみたい。全員が着席すると、試験についての説明が始まった。
最初は一時間の筆記試験。次に魔法薬の製作。今回は魔力回復薬。ただの回復薬じゃないところがこの試験が意地悪だとよく分かる。そして、オルゴールを組み立てる。攻撃魔法は普段は国家魔術師達が練習場としている場所で行い、最後にこことは別の部屋で一人ずつ面接を受ける。その面接がまた厄介なもので、各師団長と行うらしい。一対七。圧が半端ない。
説明が終わると、早速試験開始だ。合図とともに冊子のページを捲り、解答用紙に記入していく。とりあえず、筆記試験は全力を出せたと思う。
冊子が回収され終わった時、扉がノックされ、銀のトレーを持った人達が入ってきた。彼らは私達の前に立ち、トレーを置いて出ていった。あ、魔法薬の材料ね。はいはいはい。・・・・・・休憩無しですか?
今回作る魔法薬に不必要な材料がダミーとして用意されていたが、私は騙されることなく正しい材料を正しい手順で調合していく。騙されている人もいたけど。全員の調合が終了すると、さっきの集団が入ってきて、銀のトレーを下げ、代わりに歯車やらなんやらが載った物が置かれた。こっちはダミーはなくて、単純な速度を競うだけ。
試験官が開始の合図を出して一斉に組み立て始める。私は一番最初に組み立てを終えた。音もしっかり鳴った。だけど、ここで鳴らさないでほしかった。私は魔力量が多いため、魔道具の影響を酷く受ける。魔力が少なければ魔道具の効果は薄い。つまり、ものすごく眠い!
「皆さん、今度は攻撃魔法を披露していただくので、移動してください」
試験官について行き、辿り着いた場所は訓練場だった。楕円のグランドをぐるりと囲むように観覧席が並んでいる。おお、予想以上に広い。
「ここは主に第七騎士団・魔術師団が使用している訓練場です。時空魔法が施されているので一定時間過ぎれば勝手に修復されるので思う存分魔法を放ってくださって結構です。最初は百五番の方から」
「はい!」
初めの人が前に躍り出る。一応的があり、それに向かって魔法を繰り出す。さて、平均的な魔術師の魔法を見させていただきましょう。あ、でもこの人達は亡命者だからマギラの教育を受けていない。まあ、軍に入れればそのうち分かるか。
「アクアボール!」
指輪に魔力が集中し、受験者が呪文を唱えると、水球が生み出され、的めがけて飛んでいく。水球は的に当たり、的が木っ端微塵になった。アクアボールは下級魔法。球体を生み出す魔法は下級魔法に分類される。さて、次はどんな魔法かな。
「アクアソード!」
次は水の剣。中級魔法か。あの人は剣の形を生み出すらしい。因みに私は矢の形。中級魔法は個人によって形が違う。武器の形であるのは共通なんだけど。詳しくは分かっていなくて、マギラを中心として研究が進められている。カラン建国時代まで遡ることができる魔法でもあれば詳しく分かるんだけどね。カランが当時は魔法先進国だったから。あの国も昔はよかった。まあ、そんなに過去に遡るには世界中の人間の魔力で一人送り込めるくらいだから非効率。当時の資料を基に研究するしかないわけだ。っと次の人が呼ばれた。この人はどこまでできるのかな。
「アースボール、アースアロー、アースウォール」
地属性魔法三段活用。アースウォールは上級魔法ね。壁を生み出して攻撃を防ぐやつ。物理結界に似ている効果だ。私も使えるよ。さっきの人は使えてなかった。上級魔法を使えるのは相当な手練れか魔法の才能がある人だけ。他の受験者の話では国家魔術師は全員使えるから、受験する時点で使用できないと受かる確率はぐんっと下がるんだって。最初の人は落ちたね。受験しようと思ったそのチャレンジ精神には拍手を送るよ。落ち確定だけど。
「最後の方、どうぞ」
お、呼ばれた。私は前の人と入れ替わるように前に立つ。二人が何かごにょごにょ言ってるけど無視。自分のことに集中。魔法は得意分野だから全力で。手に魔力を込め、杖を出す。そして、杖の先端に魔力を込める。まずは、火属性魔法から。
「ファイアボール、ファイアアロー、ファイアウォール!」
魔法を放つと砂埃で何も見えなくなった。砂埃が晴れると、他の二人が放った魔法の後の倍の被害が出ていた。だって・・・・・・
「地面が、抉れてやがる・・・・・・」
「やはり第四師団長達がおっしゃっていた通り、化け物ですね」
試験官の口からそんな言葉が発せられた。は?待って。私そんな扱いされてたの?いや、流石に酷いです。百五番の人は腰を抜かして座り込んでるし。百三十二番さん顔が引きつってるよ。ねえ、あの、次やっていい?いいよね、試験だもんね、いくよ、水属性魔法。
「アクア・・・・・・」
アロー!って唱えようとしたら、試験官に杖の先端を掴まれ、不発に終わった。杖を消すと、試験官に腕を掴まれ、訓練場を後にした。他の二人には別の試験官がついて、別室待機。私は引き摺られるようにして、とある部屋に連れて来られた。木の扉には「軍部会議室」って書かれていた。あれ、軍部って嫌な予感しかしない。は、入りたくない。私は僅かな抵抗として敢えて足を止めてみたが、止まることは許されなかった。
「大臣、連れてきました。入ってもよろしいでしょうか」
試験官がノックし、室内に向かってそう言った。大臣。絶対軍部大臣じゃん!嫌な予感当たった!入りたくねえ!
「ああ、入れ」
野太い武人の声がした。恐る恐る試験官について行くと、丸テーブルに十五人の男女が座っていた。威圧感が凄い。体を縮こませていると、試験官に背を軽く押され、前に出される。大臣は黒の軍服に黒のマントを身に纏っている。大臣の左右には第七騎士団長と第七師団長が座っている。そして、いつぞやの師団長さんと団長さんもいた。私と目が合うとにこりと笑い、手を振ってくれた。師団長さんが。他の師団長や団長達は私を足先から頭のてっぺんまで観察するように見ている。
「私は軍部大臣のベルング・デテラだ。一応名前を確認させて欲しい。レイン・スカイ。合っているか?」
「はい」
「カラン出身だそうだが、なぜ亡命してきた。どうやって冒険者ギルドのカードを取得した」
平民ではなく、貴族関係者だと思われているみたい。正直に話そうか。
私は大臣に問われたことに答えていった。私が平民から貴族になったこと。義弟と侍女に手助けしてもらい、冒険者として戸籍を得て、亡命したことなど。ただ一つ、あの事件のことを秘匿して。これだけは、私だけの秘密。彼のことは、まだ言えない。
話し終えると、大臣が溜息を吐き、頭をガシガシと掻いた。何か、ダメだったのかな?
「レイン・スカイを我が国の戦力として加えたいと思うのだが、異論がある者は?」
厳かに大臣が言うと、全員異論無し、ということで、私は正式に国家魔術師になることが決定した。いや、そんな決め方ありですか?
おしえて、レインちゃん!
?「魔力量って魔道具の効き目も関係してくるんだね」
レ「うん、魔法使いには魔道具を使えっていうのが戦闘の基本の一つだよ」
?「へぇ」




