獣人の学校
「なぁ、メア。メアの通っていた学校ってどんな所なんだ?」
「急にどうしたんですか?」
「少し気になってな」
「そんな面白い所じゃないですよ。エレオノーラさんには合わな・・・・・・いや合うかも?」
「ちょっと見学出来たらしないか?」
「出来ない事も無いですけど、やりたくないと言うか」
「そうだよな。面倒な手続きとかあるだろうしな」
「手続きは別に良いんですけど。うーん、うぅー」
頭を抱え悩むメアに発破を掛ける。
「メアと同じ制服を着られたら嬉しいなぁー?」
「うぐぐ、エレオノーラさんとお揃い・・・・・・うごご」
〜〜〜〜〜〜
「はーはっはっはっ!あのメアが私に泣きつくなんて良い気分だわ!」
「別に泣きついてませんし」
「確かメアの学友のマーガレットだったよな?」
「学友と言うよりライバルね。そんな貴女はメアの旦那さん?奥さん?愛人だったかしら?」
「愛人じゃ駄目でしょ!夫であり妻です!」
「何で1人二役なのよ」
困惑するマーガレット。
今回、メアの母校を見学するにあたって彼女の父親が理事長を務めているらしく、メアが嫌々ながらもお願いする事になった。
学園アルバーツ
特に何の変哲もない学舎ではあるが、生徒の制服のデザインは同じでも胸元に赤色や青色、金色などのバッジをそれぞれが付けている。
「はい、コレが制服だから早く着替えてらっしゃい」
マーガレットから制服を手渡され更衣室で着替える。
「エレオノーラさんと同じ制服を着て学校に来るなんて夢みたいです!」
「そうか、それは良かったが・・・・・・」
「何で貴女まで着替えてるんですか?」
「ライバルとして当然ね」
「意味不明ですし、いつの間に着替えたのやら」
「ところで、私達はあのバッジを付けなくていいのか?」
「付けたいですか?」
「なんだその含みのある言い方は」
「今回は付けません。付けなかったところでアレですが、バッジの意味は後ほど」
メアにはぐらかされ、校舎の中へと入って行く。
校舎内も至って普通ではある。
「どうですか?私の母校は?」
「落ち着いた良いところじゃないか」
「ぶふっ」
何故か吹き出すマーガレットを叩くメア。
「まぁ第一印象はそうなりますよね」
「何を隠してるんだ?」
「授業が始まれば分かります」
ホームルームを終え、1限目のチャイムが鳴り響いた瞬間、全クラスが一斉にグラウンドへ移動を開始する。
「何なんだ?」
後を追っていくと、全生徒が木剣を構えて素振りをしていた。
「えっと、朝の運動か何かか?」
「いえ、授業です」
素振りを終えると、2人一組になって打ち合いを始める。
1限目、2限目、3限目、4限目と午前中全ての授業で剣を振っていた。
昼休みのチャイムが鳴り、一斉に食堂へと向かって行く。
「ここは本当に学校なのか?軍隊の間違いでは?」
「この学校の別名は軍隊学校なんです」
「ここに本当にメアが通っていたのか?貴族としてのマナーとか教われなくないか」
「そういうのは城で嫌というほど学びましたので。ここは戦闘系の獣人の貴族と平民が集まる所なんです。一応最低限の座学はありますし」
「獣人らしいというか。だが、マーガレットは確か戦闘は苦手だったよな?」
「えぇ、彼女の場合は父親が理事長という事もあって半ば強制的に入れられたんです」
「当時は力こそ全てな父親でしたので、私を鍛えようとしたんです」
「結局強くはなりませんでしたが、今や王城で働く彼女を認めた様ですが」
「何というか想像と全然違っていたよ」
「ふふ、これからもっと面白い物が見られますよ」
これ以上に何があるのかと、昼食をとってから午後の授業が始まるのであった。




