友達
「パパ、今度お家に友達呼んでいい?」
ある日の事、ユリがそんな事を言ってくる。
「この家に呼ぶの?」
「うん」
今まで誰かを呼んで遊んだ事は無いのだが、急にどうしたのだろうか。
「本当にこんな所に呼んで大丈夫?」
「うん、うーん・・・・・・やっぱり駄目かも?多分ビックリしちゃう」
「どんな子なの?」
「ちょっと恥ずかしがり屋だけど、面白くて良い子だよ」
「もし連れて来るんだったら、家の事先に話しておかないとね」
「うん、そうする」
〜〜〜〜〜〜
そんな話をした数日後、
「ただいまぁー!この前言ってた友達連れて来たー」
学園から帰って来たユリがそう言いながら、隣にパンパンに膨らんだカバンを下げた金髪の女の子を連れていた。
「ここがお家だよー」
転移で驚いているのだろうか、口をパクパクさせている。
「緊張してる?」
友達はウンウンと頷く。
「いつも通りで大丈夫だよ」
「分かった・・・・・・」
ボソッと呟くと、急にカバンの中を探り出し自分にそっくりな30cm程の人形を取り出した。
首を傾げながら見ていると、
「ねぇねぇ、さっきのアレは何!一瞬で場所が変わっちゃったよ!」
急にハキハキと喋り出すのであった。
「アレはね転移だよ」
「凄い!ユリちゃん、そんなの使えたの?」
「アレはパパが開いてくれてるんだよ〜」
「パパさんって、そこに居る人?」
「うん!」
「あの、初めまして。シャーレと言います」
「こんにちは。いつも娘と仲良くしてくれてるみたいでありがとう」
「むしろ私の方が仲良くして貰ってるというか、私のこんなんだから友達も出来なくて」
「シャーレちゃんはね、自分で話すのが恥ずかしくて人形を通して話してるんだ」
そっちの方が恥ずかしくない?と思ったが言わないでおく。
話しているところを見ると、腹話術のように口を開かずに喋っていた。
そんな独特な子だが、アンさんがオヤツを持って来ると礼を言ったりと、礼儀正しくとても良い子の様だ。
「あっそうだ。シャーレちゃん、ちょっと外来て」
「う、うん」
何をするのやらと見ていたら、ルーの事を紹介していた。
「モフモフだぁ」
フェンリルと紹介していなさそうで、ただのおっきい犬だと思って接してそうだ。
「シャーレちゃんもアレやってみてよ」
「えっ、あっうん。いいよ」
アレとは何なのかと眺めていると、地面に置いた人形目掛けて魔法を放つと、グングン巨大化して5m程の大きさとなる。
「こっちはモコモコ〜」
巨大化しただけかと思いきや、そのまま歩き出すのである。
「うおっ!なんじゃ?」
通りかかったティーがビックリする。
「いつもはもっと大きいよね?」
「慣れない狭い場所だからちょっと怖くて」
「なるほどー」
更に大きくなるのかと、人形が大きくなった分声も大きくなっていて、どんな仕組みなのか気になるのであった。
しばらく外で遊んでいた2人は中に戻って宿題をしてからまた遊び、すぐに日の暮れる時間となる。
「今日はありがとうございました」
「これからも娘と仲良くしてあげてね」
「こちらこそ・・・・・・」
「シャーレちゃん、また遊ぼうね」
「ユリちゃん、あのね!こ、これ貰ってくれる?」
カバンの中を探ると、ユリにそっくりな人形を取り出した。
「すご〜い!貰っていいの?」
「うん、もちろん」
「コホン、ありがとう〜」
シャーレちゃんの真似をして腹話術に挑戦するユリだが、口が開いてしまっている。
「あはは、難しいね〜」
「また今度教えてあげる」
「やったー!」
2人は楽しそうにして、人形同士で手をフリフリしてお別れするのであった。




