お礼に
ヒューーーー
「うん?何の音?」
ドーーーン!
庭に落下して来た何かによって、静かな昼下がりが終わりを告げる。
「むっ?この気配は!成敗です!」
そう言いながら外に向かうケフィリアを見て、何となく誰が来たのかが分かってしまう。
念の為と外に向かうと案の定、悪魔のルラムが居た。
「悪魔め、のこのことやって来るとは良い度胸です!」
「おっ、なんだ?やるのかー?」
「はい、ストップー」
すぐにでも飛び掛かりそうな雰囲気で止めに入る。
「コタケさん、止めないで下さい!これは天使と悪魔の」
「何か用事があって来たんじゃないの?」
遮ってルラムに問う。
「よく分かったのだ人間!もしや心を読めるのか!?」
「用が無いとこんな所にわざわざ来ないと思っただけだよ。それで用事って?」
「えーっとな・・・・・・何だったのだ?」
「1発殴りましょう。そうしたらきっと思い出します」
「痛いのは勘弁なのだ!」
もうどっちが天使か悪魔か分からない。
「あっ!思い出したのだ!地獄に来るのだ!」
「「はい??」」
「貴女、帰れないの忘れたんですか?」
「よくよく考えたら開けらるのを忘れてたのだ」
そう言うと頭だけを本来の姿のムカデに変えると、家の庭の土を抉り取る。
すると穴の向こう側に赤い土と岩が見えた。
「出来たのだ」
「確かにこの禍々しい雰囲気は地獄ですが、何なんですか貴女?こんな事が出来るなんて」
天界と地獄への道は簡単には開けないと言っていたが、目の前のラルムは簡単に開けて見せた。
「と言うか、それが出来るなら天界への道を開けて下さいよ」
「無理なのだ。これは地獄に限って出来る技だから」
「それでお別れの挨拶でもしに来たの?」
「うん?いや、せっかくだから案内をしてやるのだ。この前の料理のお礼なのだ」
「案内って、地獄に生者を連れて行ったら悪魔が群がるでしょう」
「ならお前も来るのだ」
「余計に増えるでしょうが。それに地獄だなんて絶対に行きたくないです」
「我儘なのだ」
「流石に俺も1人で行くとなると・・・・・・」
「ふっ、話は聞かせて貰った」
空から声がして見上げるとグリートが居た。
「面白そうだから、私も行こう」
「何か悪巧みを考えているんじゃ無いでしょうね?」
「まさか、世話になっている礼をしたいと思っただけさ」
ワザとらしく手を広げながら話し怪しさしか無い。
「あと1人くらい居てくれたら嬉しいけど」
「ならあいつにしよう」
丁度通りかけたメアリーさんが目を付けられ説明する。
「まぁ、コタケさんを1人にするのは心配なので構いませんが」
「決まりだな」
「ちょっと待って下さい。大天使として私は許っ」
「決まったなら、レッツゴーなのだ!」
「あっ!」
ラルムが俺とメアリーさんの手を掴んで穴へと飛び込み、地獄巡りが始まるのであった。




