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第二の人生を得たので、自由に暮らしていこうと思います  作者: コル


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バク

「うぅ、何ですかココ。昨日は普通に家で眠りについた筈なのに」


窓の無い牢獄の様な場所だが、木の扉が1つだけある。

開くとは思えないが試しにと手を掛けると、キィと音を立てて開いた。


「もしもーし。誰かいませんかー?」


部屋からちょっとだけ顔を出して声を上げるが反応は無い。


「出ちゃいますよー」


やはり反応は無いので通路に出て手掛かりを探すと、再び木の扉を見つける。


「ここも開いてるなんて不用心ですねー」


更に広い通路が現れ歩いてみるが、人が居る気配は全く無い。


「ちょっと怖くなってきましたね」


通路にも窓は無く、壁に掛かった松明の光だけの薄暗い道だ。

怖さを紛らわす為に鼻歌を歌いながら歩き続けると、カチッと音がした。


「へっ?」


その瞬間、床が開いて体が下に落ちる。


「わー!わー!誰かーっ!」


予想外のトラップに焦り、下を見ると針山が待っていた。


「死ぬっ!死んじゃう!」


手足をバタバタさせるが落ちる一方である。


「あっ!私飛べるじゃないですか」


ペガサスである事を思い出し変身を試みるが、何故か人の姿から変化が無い。

何度も何度も試すが、やはり駄目である。


「やだー!死にたくなーい!」


針山が目の前に迫り目を瞑る。


「うっ」


〜〜〜〜〜〜


「ぐはっ・・・・・・」


衝撃と共に目覚めたのは、さっきまでとは大違いの虹色の空が広がる外であった。


「天国?」


ヨイショと立ち上がり、辺りを見渡すと1階建ての家を1つ見つけてそこに向かうと、周辺に甘い香りが漂っていた。


「うん?これ、もしかしてお菓子で出来てませんか?」


家の扉はチョコレートで、壁はクッキー、窓は飴で出来たお菓子の家だ。


「おーい、誰かー!いませんかー?」


返事は返ってこない。

中に何か無いか確認しようとドアノブに手を掛けるとバキッと折れてしまった。


「あわわわ、どうしましょう」


壊してしまったパニックで、駄目な方法を思いつく。


「食べればバレないですよね」


そう考えて、チョコのドアノブをかじると甘くて美味しかった。


「お、美味しいですね・・・・・・」


ぐぅ〜


「これだけ大きいですし、もう少しだけ」


バキッ ボリボリ

バキッ ボリボリ


壁や窓も一口と思い手を付けると美味しくて食べ進んでしまう。


「はっ!そういえばコタケさんの世界でも似た話があるとか、確か悪い魔女に食べられるんですよね」


ボリボリ ボリボリ


そんな事を思いながらも食べ続けた結果、家を全て平らげてしまった。


「我ながら恐ろしい胃袋です。それに魔女も居ませんでしたね」


そんな呑気な事を言っていると、ある事に気がつく。

これだけ食べたのにお腹は全く膨れていないし、なんならまだまだ食べれそうなのである。


「流石におかしいですね?お菓子だけに・・・・・・」


色々と考えた結果1つの結論に辿り着く。


「まだ夢の中?」


深く考えなくても分かる事であったが、その前に変な夢を見ていたせいで現実だと思っていた。


「でもどうやって目を覚ませば良いんでしょう」


バチンと頬を叩いてみるが起きる気配は無いし、相変わらずペガサスの姿にはなれないので飛ぶ事も出来ない。


「まぁ、なんとかなりますか〜」


そんな気楽な考えをし、地面に寝そべっていると夢の中なのにいつの間にか眠りについたのだった。


〜〜〜〜〜〜


「ふごっ」


イビキと共に目を覚ますと、そこはいつも通りの部屋であった。


「むにゃ、むにゃ」


瞼をこすりながら辺りを見渡していると、窓の外に小さなゾウみたいな生き物がいた。


「うわっ!誰ですか!」


その生き物は私の声に驚き、フッと姿を消した。


「夢から覚めたんですよね?」


疑いつつもリビングに降りると、皆んなが居た。


「あれ?今日は随分早いね」


コタケさんにそう言われて時計を見ると、午前7時であり普段よりも1時間は早か起きていた。


「なんか変な夢を見たんですよ。しかも起きたら窓の外に変な生き物が居ましたし」


「変な生き物?」


「ゾウみたいな鼻だったんですけど、サイズは豚くらいで黒っぽかったです」


「見た事無いね」


「多分、バクじゃないか?」


エレオノーラさんがそう言う。


「何ですそれ?」


「悪夢を食べる魔物だよ。何処にでもふと現れては消えるんだ」


「確かにすぐ消えましたけど」


「バクが側にいると幸せな夢を見ると聞いた事があるが、どんな夢を見たんだ?」


「お菓子の家を食べる夢とお城で甘やかして貰う夢です!」


「まぁ確かに幸せそうな夢だな」


「あっ、でも待って下さい。私1回死んでるんですよ。牢獄みたいな所で針山に落ちました」


「そうなのか?ならバクじゃないのか?」


「あれじゃないですか、1回お腹いっぱいになったから休憩しててその間に悪夢みちゃったとか」


「うーむ、分からん」


「まっ、楽しい夢もあったのでヨシとします!」


私は笑って流すのであった。



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