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「薬師殿だったの。魔法に関しては習っとらんのかの?」
「いえ、祖父から習いました。呪文も覚えましたが先程話した通りで、祖父も説明したとき頭抱えて悩んでましたよ。
でもお願いで問題なく発動するし、呪文を唱えると発動しなかったりするんです。拒否されるというか」
石に拗ねられるって言っても信じてもらえなさそう。
「魔力を流すと言うとったな。普通は呪文を唱えれば強制的に魔力が使われるもんだが、その辺はどうなっとる?」
「石に込められた魔力と使用者の魔力を使って発動されると習いました。だから魔石自体の魔力が無くなれば使えなくなると。
それなら始めから必要とされるだろう魔力を流して発動させれば魔石本体の魔力は減らないから壊れなくて済むでしょう?それに使ってない時にも魔力流してます」
「………今まで使っていた魔石を見せてもらってもいいかの?」
火の魔石を出して渡す。じっくり観察してから呪文を唱える。発動しないどころかパチンと音がして、弾かれた?
「成る程の。私の干渉は受け付けんか。魔石の威力は石の大きさによって変わる。強力な攻撃だったり広範囲の結界だったりだと、もっと大きな魔石と複数の魔法使いの魔力で発動させるのよ。
でもこの石は大きさ以上の力を蓄えとる。普段から魔力を流しとると言うたろ?私には初めてのことだが、魔石が育ったんじゃなかろうかと思う。
弾いたところを見ると意思もあるような感じだしの。もしかしたら聖霊が宿ったのかもしれん。
私はこの歳だ、日々平穏に過ごしたい。だが若いもんや欲に溺れたもんにとって、この石は襲ってでも欲しいだろう。売れば一財産だし国に差し出せば褒賞を貰えるだろう。聖魔石はとても希少だからの」
聖魔石。発掘されたときから聖霊が宿り力も強く消耗も少ない為、国の要所で使われる魔石だそうな。ほぼ国が独占してるらしい。
「聖魔石は持ち運びが難しいほどの大きさでないと発見されん。この大きさではまず有り得んから見られてもばれることはないと思うが、呪文を唱えんでも発動することは人には話さんがええ。普通人には気付かれんだろうが、専属魔法使いや商人にはならん。ましてや育てたことが知れればアイリスさん、貴方は国に取り込まれるぞ。
私は聴かなかったことにするで」
なんか凄い怖いこと聴いたよ。知らないって怖い。国に奪われるのも囲われるのも嫌だ。のんびり暮らしたい、緑達とネオと出来ればお嫁さんもらって穏やかな生活するのが夢なのに。




