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⚔️伝説の剣。福引きしたら、ドラゴンスレイヤーだったらしい……。  作者: 黒武者
第7章:選定の儀

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第77話 王都、剣を裁く場所

すみません。


次に向けて、かなり修正入れました。

よろしくお願いします。

 王都メルディナ。



 中央区――王城中枢。


 普段は立ち入ることすら許されない一室に、重々しい空気が満ちていた。


 円卓。


 その周囲を囲むのは、メルディナの中枢に関わる者たち。


 そして、その中心に置かれているのは――


 一振りの剣。


 『DRAGON KILLER』


 だが、一目見て分かる。


 それは“収まっている”のではない。


 “押さえつけられている”。


「……確認は以上だ」


 低い声が響く。


 メルディナ王国、統治評議の一人が口を開いた。


「対象は一時的に暴走状態にあり、現在は意識不明」


「剣は封印措置を講じている」


 淡々とした報告。


 だが、その場の誰もが、それを軽くは受け取っていない。


「問題はそこではない」


 別の男が口を挟む。


「“なぜあの場から動いたか”だ」


 静かな一言。


 しかし、場の空気が一段重くなる。


「……思念の過剰集中」


 一人の老学者が言う。


「戦闘、恐怖、殺意。すべてが臨界に達した結果――」


「違うな」


 鋭い声が遮った。


「それだけで、ここには出てこんだろう」


 視線が、剣へ向く。


「今回は、“応答した”」


 沈黙。


 誰も否定できない。


「つまり――」


 ゆっくりと、言葉が落ちる。


「キラーは、まだ“誰かを選んでいる途中”ということか」


「……選んでいる、のか」


 誰かが呟く。


「それとも、誘導しているのか」


 答えは出ない。


 出せる者もいない。


 その時だった。


 重い音と共に、扉が開く。


「失礼する」


 入ってきたのは、一人の男。


 無駄のない動き。


 鋭い視線。


 ただそこに立つだけで、空気が引き締まる。


「……ジークレッドか」


 誰かが呟く。


 メルディナ王国直属護衛剣士団団長。


 国家最強戦力の一角。


「呼ばれた理由は分かっている」


 ジークレッドは円卓へ歩み寄る。


 その視線は、まっすぐに剣へ向いていた。


「それを、誰が所有するか――だろう。いや、正確には扱うか」


 無駄がない。


 結論に一直線だった。


「候補は四名」


 別の声が続く。


「現時点での適合可能性を踏まえた上での選出だ」


 指が、順に示される。


「ユシャーン」


「ジークレッド」


「エクレール」


「……そして」


 一瞬だけ、間が生まれる。


「グレースランドのロゼリア・ウォーハート」


 空気が、わずかに揺れた。


「異国の者を入れるのか」


 低い反発。


 当然の反応だった。


「例外だ」


 即座に返される。


「“使用した唯一の人間”だからだ」


 その一言で、反論は止まる。


 ジークレッドが初めて、わずかに興味を示した。


「何?……使った、だと?」


「一時的に、だがな」


「ドラゴンに対して有効打を与えている」


 沈黙。


 評価が変わる。


「……ならば」


 ジークレッドが静かに言う。


「試す価値はある」


 それは肯定でも否定でもない。


 ただの事実認識だった。


「エクレールにも通達は済んでいる」


「現在、別働任務から帰還中だ」


「ユシャーンは?」


「フェリオスの監視にあたっている。」


 すべてが、揃い始めている。


 その時。


 静かに、一人が口を開いた。


「……問題は、もう一振りある」


 視線が集まる。


「グレースランドのスレイヤー」


 誰かが、その名を口にした。


 空気が変わる。


「報告によれば、あちらも“変化している”とか」


「連動している可能性がある」


「持ち主は?」


「確かルシアという名の者」


「現状では特段の報告は耳にしておらぬか」


「だが、キラーの反応と同期している、と?」


「否定はできない」


 再び、沈黙。


「……ならば尚更だ」


 ジークレッドが言う。


「選定は急ぐべきだ」


 誰も否定しない。


 できない。


「陛下!どうなされますか?」


「ロゼリア・ウォーハートには、召集をかける。直ちに通達せよ」


 低く、王より最終決定が下される。


 その瞬間。


 『DRAGON KILLER』が――


 わずかに。


 ほんのわずかにだけ、脈打った。


     ◇


 遠く離れたグレースランドの宿。


 薄暗い部屋の中で。


「……っ」


 ルシアが、唐突に目を開けた。


 心臓が妙に速い。


 嫌な汗が、首筋を伝う。


「……なんだよ」


 息を整えながら、視線が自然と横へ向く。


 そこにあるのは、スレイヤー。


 黒い刀身は、変わらず静かに置かれている。


 だが。


 一瞬だけ。


 その輪郭が、揺らいだ気がした。


(……今の、なんだ)


 理由は分からない。


 夢でもない。


 だが確かに。


 どこか遠くで、“何か”が動いた。


 そんな感覚だけが残っている。


 ルシアは無言で剣を見る。


 すると。


 ドクン。


 まるで心臓のように。


 剣の奥で、何かが脈打った気がした。


「……おい」


 思わず呟く。


 返事など、あるはずもない。


 なのに。


 スレイヤーは、静かに沈黙したまま。


 どこか――


 “待っている”ように見えた。

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