夢VS了
夢は現実に劣るだろうか。夢は、別段、なくて困るものではない。夢がなくても、現実は存在する。
だが、夢は素晴らしいものだとみんなが知っている。知っているから、空想する。未来の自分を夢に見る。そして、夢は現実にならない。だって――現実で叶えようとしていないからだ。
夢はそう簡単には叶わない。その通り。夢は、叶わないから夢なのだ。と、思っている人がいる。叶うかどうかは、わからない。未来のことなど、予測するだけしかわかりようがない。
みんなが羨望の眼差しを向ける夢について、語ってみたが、なんだかよくわからない感じになったと思う。その通り。ぼくが、全然わかっていないので、よくわからなくて当然だと思う。というか、よく、よくわからない程度もわかったなとびっくりするかもしれない。
不透明な未来が、絶望しかないと予想する人はいるはずだ。でも、それはなんだか、変だと思う。絶望でい続ける感覚が、ぼくにはわからないのだ。どうしたら、絶望でい続けられるのだろう? 感情って、そんな片方だけに定まった、一辺倒なものなのだろうか。
夢を見続ける人もそうだ。どうしたら、夢を見続けられるのだろう。それって、もう、死んでるようなものなんじゃないだろうか。ずっと――植物状態みたいな感じではないだろうか。感情が死んでるという意味で、ずっと、落ち込んでる状態なのではないだろうか。
夢を見続けている人間は、それはそれで幸せなのかもしれない。でも、幸せじゃないかもしれない。どっちでもいい。どっちでもいいから、思い通りに生きればいいだろ。どうせ、思い通りにしかならないんだから。
思い通りにならないのではなく――思い通りにしかならないんだから。
ぼくは夢と戦った。どうして、ぼくが夢なんて壮大なやつを相手にしないといけないのか、わからないままだったが、なんとなく、戦った。どっちが、戦いを挑んだのかすら、もう忘れてしまった。
「くそ、くだらねー」
やつにどんなに攻撃しても、空を切るだけでなんの意味もなかった。弾丸が脳天を突き破ることはなく、そこには、残像みたいな、よくわからないものが見えてはいた。幻だったのかもしれない。
きっと、これは――夢なのだ。
どんなに夢を攻撃しても、夢が叶うわけではない。況してや、敵うわけがないのだった。夢は、だれにも敵わない。ただ――イメージがそこにあるだけだ。
どおりで、最大火力でブッパなしても、やつが死ななわけだ。それもそのはず。だって、そもそも、やつは生きてはいないのだから。




