なろうの現状と不正によるランキング・エントリーについて
グチを語るだけに近いですし、くっそ長いです
今のなろうは収穫期、あるいは爛熟期という感じです。
美味しい果実が熟れすぎて腐りかけ。
私が逆引きのススメを書き始めた地点で、もう青田買いが進んでいたのですが…………今が腐りかけの一番酷い状態とも言えるでしょう。
果実にハエがたかり、ウジ虫がヒャッハー!!状態。
“小説家になろう”に小説家になる気もないやつらがたかり、流行が読める子たちが“おらも書くでよヒャッハー”状態。
理由としては、なろうの作者層が変わりつつある点が挙げられます。
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私が見始めた当時の“なろう”に住む作者達は【小説家になれない】作者達でした。
話は面白い。文章も整っていて見やすい。
着眼点が斬新で、なんとも言えず楽しい。
でも書籍にするには無理がある。
私は作品を読みながら『面白いけど、書籍化は無理だろう』とも感じていました。
【売る】には商品が良いことは二の次。
いかにコスパがいいかが、重要っぽいからです。
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例題
ここに300人が収容できる映画館があるとします。
館長である“あなた”には選択肢が2つ
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・あんまり面白くない映画A(2時間)を放映する
・観客満足度は90%な映画B(3時間)を放映する
………………
どちらを放映するのがいいでしょうか?
答えは…………Aを放映したほうが良い。
Aは2時間映画だから、その気になれば
24(時間)÷2=12
1日に12回お客を入れ替えることができるのに、Bだと8回しかできない。
放映期間が1ヶ月(30日)だと、
Aの放映回数は360回
Bの放映回数は240回。
120回分×300(席)で3万6千人の客を逃がす可能性があります。
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Aのチケットが2000円、Bが2500円だとしても
A360(回)×2000=72万
B270(回)×2500=67万5千
Bのほうが4万5千円分少ない計算。更に
4万5千(円)×300(席分)=1350万
Aのほうが1350万円ぶん稼げる【コスパが良い】映画になります。
もう一度尋ねます。あなたが館長だとしたら、どちらを放映できますか?
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そんな選択肢を迫られた時、それで金を稼いで生きている【商業作家】や【編集者】はAを選びます。
にわか小説書きだって+3万6千回、作品を見てもらえるチャンスが増えるAを選ぶでしょう。
でも“なろう”の作者は
「え、でもBのが面白いんでしょう?」
「他の所はAばっか放映してるみたいだし………ウチくらいBを放映したっていいじゃん」
「ま、どうせ趣味だしね」
と、Bを選んじゃう。
そんな人々が“なろうの作者”層を支えていました。
魅力的だけど、萌えたりエッチだったりしないキャラクター。
気が済むまで書き終えたら、スパっと完結して次の作品を書き始める。
流行っていようが廃れていようが、好きな題材で楽しく書く。
商業ルートから外れたガラパゴス感覚で、ただ面白い“だけ”で閲覧数かせぎや儲けを考えない話書き、
そんな層だったのです。
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そんな売れそうにない作者が売れ始めたのは、おそらく1350万円の壁
すなわちAみたいな作品ばかり作るはめになった商業作家達の作品が売れなくなってしまった事が推察されます
………………
唐突ですが、なろうの読者層は私と同じ30代前半〜20代くらい。
いわゆる“ゆとり”世代であり同時に“商業小説・マンガの暗黒期”の経験者が多いと思います。
暗黒期の特徴としては
【ラノベやマンガ、あるいはゲームを買いたがらない事】
というのも、中学生時くらいに連載が始まった作品が
・ブリーチ(73巻)
・ワンピース(82巻)
・ハンター×ハンター(戦犯)
・ナルト(72巻)
・鋼の錬金術師(27巻)
・RAVE(35巻)
・エアギア(37巻)
・コナン(89巻)
小説だと
・鋼殻のレギウス(26冊)
・デュラララ!!(19冊)
・廃棄王女シリーズ(18冊)
・フルメタル・パニック(32冊)
・魔術師オーフェン(33冊)
・まぶらほ(33冊)
という超長期連載作品時代だからです。
もちろん、昔からこち亀やガラスの仮面、ゴルゴ13みたいな超長期連載作品はありました。
少女向けラノベなんて30冊ごときザラです。
でも、まさか主人公より年下だった自分が、主人公の親くらいの年齢になっても終わらないと思いませんでした。
自分達が社会人になり、頭を下げ、汗水たらして労働する中。むかし憧れた主人公達は未だに学生を謳歌し、チートし、水着でハーレムする。
憧れて、自分と共感していた年上の主人公は、年下の学生となり、未だにヘラヘラ遊び続け、自分達を見下し努力した人を軽々と追い越し、称賛されながら生きていける。
えぐかったです。
1作品くらいならどうにか諦めもつきました、でもこれらは同時期にスタートした作品群。
複数作品を1人で購入していた子もザラにいたのです。
作者は作者で、週1放映のタイアップ・アニメが作った設定やエピソードを、2ヶ月1回更新の本編とつじつまを合わせる努力。超長期連載により、引き伸ばされすぎてネタギレを起こし、ギャグ回で無理矢理時間をつなぐ努力。
それらでキリキリ舞いな印象でした。
結果として“なろう”の糞テンプレと何ら変わりありませんでしたけれど…………
めったに休めない仕事に就いた時、唯一の休みを使って本屋に行き、就活で買うチャンスを逸していた某ラノベを思いきって全巻おとな買い(約2万円)。
指を引きちぎるような重みに耐えて持ち帰り、いざ読んだ物語が同人の無料配布レベルにしか思えず、呆然とした日。
あれから、私はマンガもラノベも基本的に買わなくなりました。
そのため、以降の人気作……バカテス、ゼロの使い魔、ハルヒ、パンツで空飛ぶやつ、なんかコイン飛ばすやつ等々……流行った萌えアニメ・マンガ・ラノベ作品のネタは、一切手を出していません。
またハズレに当たったらどうしよう。
また超長期連載作品だったら嫌すぎる。
どうせ、私の歳では楽しめない。
そうやって離れていきました。
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ともかく2000代から、あらゆる編集者とプロ作家は、テンプレを量産し、商法を変えてコスパの良い小説を打ち出し続けました。
超長期商法
萌えキャラ押し商法
アニメのタイアップ商法
昔の流行作品へ最新イラストを挿入する差し替え商法
儲かるため、利益を維持するため【編集者】と商業小説家は、無難なちーれむテンプレートと流行りの商法に飛び付き過ぎた。
結果、1350万を越える【小説離れした読者】の発生がある気がします。
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儲かるため
利益をあげるため
買わせるため
少子化により減った読者を取り戻すため
2013年くらいからアルファポリス系以外の【編集者】が“なろう”の珍獣作家達をヘッド・ハンティングし始めました。
【編集者】にとって“なろう”作品達は魅力的な獲物です。なにせ彼らの人気作品はランキングという形で、簡単に確認する事ができる。
さらにランキング作品には人気を支える固定客、固定読者がいます。書籍化なんてすれば、まず信者読者達は【お布施】と称して本を買う。
さらに、なろうの小説書き達は小説家に【なりたい】人間。
必ず売れる見込みがあるのに、新人小説家と同じ給料や対応でいい。
生意気いうなら別のランカーに声をかけたらいい。 まだまだ替えはいる。
ガラパゴスな作者達と、信者読者。なろうの簡単人気確認システムの3点セットは【編集者】にとって超お買い得商品になったのです。
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そう今、なろうで発生しているのは
【複数の密猟者グループによる珍獣(なろう作家)の乱獲】
です。
カドカワ、富士見ファンタジア、ビーズログ文庫、電撃文庫…………大概のラノベ出版の作品タイトルを調べると、『このタイトル知………なろうで書いてた作品だわ』って人がぞろぞろ出てきます。
読書メーターの感想を見た感じ“なろう”出身作品は【設定が凝りすぎ、捻りすぎて素直に楽しめない】という意見もありましたが実際、売れているようです。
どこの本屋でもネット小説の書籍化ブースが設置されるようになってきました。そして大成功し、アニメーションにもなった
「ログ・ホライズン」
「オーバーロード」
「魔法学科の劣等生」
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていますか?」
などで、なろうの存在を知り、新たな読者と作者が流れ混んだのです。
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ガラパゴスな珍獣が大規模なヘッド・ハントによって“なろう”を去り、新たな生き物が侵入してきた。
はい、生態系の崩壊です。
…………
旧“なろう”作家達は
『商業向けでなくても、コスパが悪くても、自分が納得できる小説を書く』層。
そんな作品に商業らのべに飽きた読者が、喜んで感想を言ったり集まったりしていた。
10年近く書き直したり付け足してきた作品をアップしていた人、
読者のダイレクトな感想を参考にして、商業的にも受け入れやすい新作を書き上げて、小説大賞に挑戦する人
いろんな方はいましたが、読者と作者のコミュニケーションによって循環していました。
…………
新“なろう”作家達は
『商業作家になるためには手段を選ばないアマチュアこじき』層
デビューのために、編集者に見初めてもらうために“なろう”を活用し、読者はそっちのけ。
読者は自分の踏み台でしかない、という無自覚に独り善がりな“にわか”作者が増えた気がします。
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例えば、
なろうが“なろう”を名乗り出した時点で『テンプレ』という名のもとに転生トラック、転生チート、チーレムは存在しました。
しかし、旧“なろう”作者達はそんなテンプレを逆手に取り、
『悪役成り上がり』
『脇役もの』
『テンプレ・バトル・ロワイヤル』
『リア充死すべし』
『ゲームの悪役の中にいる』
みたいな内輪ネタ作品、メタ・ネタ作品をいろいろ開発し、楽しげに書いていました。
個人的にはテンプレ【転生トラック】により転生したい中年ニートやクソガキ共に“大型トラック”が襲われ(?)やすくなった近未来。
社会的地位を信用をかけて、自殺志願者どもを避けまくって荷物を届けるトラック運転手達の戦記(?)とか好きでした。
今でも読める作品だと、トラック(車体)が異世界で人間に転生し、馬代わりに荷車を引っ張りながらモンスターを文字通り蹴散らし物流チート(物理)を成す短編とかあります。
………
新“なろう”世代の作者は
【テンプレばかりでつまらない、作者も読者も馬鹿ばっか】
みたいなエッセイを書き散らすだけなので寂しく思います。
『私達、なろう新人作者は、まだまだ未熟だから仕方ない!!頑張ってテンプレートの模倣作品を書き散らす所から始めないと上達しない!!』
そういったニュアンスの発言している作者様も見た事がありますが私は賛成できません。
“なろう”はシステム的に文章の推敲、大量の文章を書き散らかすのに適した書式のサイトではないからです。
こういった目的だけならエブリスタ★の方が適しています。
エブリスタ★は公開・非公開設定を1冊から1ページ一枚単位まで設定できます。
さらに投稿済み作品、書きかけ作品、完結済み作品も後から好きなだけ書き直しOK。やっぱり後から非公開も可能です。
私自身、エブリスタ★に100作くらい未推敲の駄文やアイデアをストックし長文になりそうな物語を選んで“なろう”に投稿するようにしています。
エブリスタ★は作者に優しいけれど閲覧しにくいサイト。
対する“なろう”は読んでもらうために特化した場所だからです。
……………
ちょっと本気で読んでもらう発表会の場所。
そんな“なろう”に作者自身が
『上達目的の、中途半端な模倣作』とか言っちゃうダメな作品を投げ込むことは、公開オナニーみたいなもの。
手習い(てならい)駄作と口では言いながら
「みんなー!!!オラの作品読んで高評価くれやヒャッハー!!」
と騒いでいるのと変わらないと思っちゃいます。
中途半端とか言うな、ガチで書いたといわんかい。
……………
さらに気になる問題点は、新“なろう”作家がラヴ・コールを送っている相手………………【編集者】の冷淡さです。
というのも、近年の“なろう”の書籍化ラッシュは『使い捨て』の兆候に見えるからです。
ちょっと前の編集者は
「この作者はまだファンが固定されていないな…………もうちょいデビューさせないで育てておこう」
という焦らし感、育成感がありました。
ですが、他の出版社で成功した【オーバーロード】や【君の膵臓を食べたい】、【劣等生】をきっかけに様々な出版社が“なろう”の作家を横取り出版し始めた。
「ちょ……!?よ、盗まれる前に、売れそうなやつは熟れていなくても収穫しろ!!」
みたいな慌ただしさで、そこそこ人気だった“なろう”作家が次々書籍化。
今や“なろう”は【編集者】にとって狩猟開場。
より金になりそうな、上位作家を多く捕まえたやつが勝ち。
とりあえずゲットした獲物の売り上げがイマイチなら打ちきり。
売れる獲物にだけ続編書かせりゃいい。
とりあえずライバル出版社に盗られる前に捕まえないと。
好きだった“なろう”作家の作品達が、駄菓子屋の店頭みたいにズラズラ投げ売りされているのを見て、読者は絶句。
「こ、こんなに買えない…………一番好きな、この人の作品だけにしよう」
未熟なままデビューしてしまって、大した利益もなく、大切な自分の物語を出版社とかに消費され食い潰される作者は、何人でてしまうのだろう?
駄菓子みたいに並んだ本に、私は不安を覚えてしまいます。
………………
ついでに言ってしまうと、小説家の権利はびっくりするほど低いそうです。
例えば、登場キャラクターにイラストがつき、そのイラストを参考にラバー・ストラップやカードゲームのキャラ・カード。フィギュアが作られたとする。
イラストレーターには著作権が適用されますが、原案者の小説家には著作権ないそうです。
ファングッズ買っても作者に利益は入りません。
なので、よっぽどの人気作家やストーリーテラー。自分でイラスト描いている人やイラスト原案出した系じゃあないと儲からない。
ファングッズの利益は会社のものです。
都市伝説、アニメの暗黒企業化です(アニメーターにもキャラグッズの著作権や利益が回らない)。
様々な編集者達が利益を求めて“なろう”作家を使い潰そうとしている。
それが現状な気がするのです。
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そう考えているため、私は不正ランカーに
やれ。もっとやれ。
とか思っています。
複数出版社の【密猟者】が“なろう”作家を育てる時間を置かず、未熟なまま採り急いで潰すようなやり方が悪質だと思っていますから。
さらに密猟者にスカウトされて
「業界デビューして、チヤホヤされた〜い。」
とか考えている頭の軽いウサギちゃん作家志望が寄ってきているのも、うざい。
お前のウンコみたいな作品なんざ見たくねえ。つまらんわ。
小説家になりたいのは分かるけど………………今みんなの尻馬に乗って書籍化デビューしても、きっと誰も買わないよ!!読まないよ!?AKBの2軍みたいな扱いにされちゃうよ!?
こんな量産アイドル型な負のサイクル一直線のフラグが立った理由は、“なろう”作家が必ず売れる【信頼性がある】から。
偽物ランカー作品は、そういう意味で、ぜったい売れない。
サクラ達がわざわざ信者買いするとは思えないからです。
そんな偽物ランカーだらけになればヘッド・ハンティングしても旨味がないから【密猟者】は去るし、ウサギちゃんも追っかけて去るでしょう。
エブリスタ★は開始時点で不正まかり通りまくり☆だったので、編集者たちも慎重なヘッド・ハンティングしかしておらず、最近はエブリスタ★の作家の方が手堅くデビューする流れが出来ている気がします。
王様ゲームから【櫻子さんの足元には死体が埋まっている】とかへの移行です。
実際、櫻子さんがいくら面白くとも、エブリスタ★では読みにくすぎるので、読むときは書籍を買ってよんでしまうのが実体験。
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“なろう”の【高過ぎる信頼】を編集者から奪うため、不正をやらかす作家が増えてしまってもいい。
むしろ、そうしないと金になりそうな若手作家の奪い合いが激化し、使い潰される。
【読者】は単なるATMやポイント係、金を出すために生きるアイドル・オタクみたいな扱いになると思います。
もちろん、編集者がヘッド・ハンティングを控えるのも、作家が書籍化を断るのも一手だとは思いますが、無茶な話でしょう。
編集者は無料あつかいの作品で儲けを作り出し、アマチュア作家をプロ作家にする【魔法使い】
そしてここは“小説家になろう”というシンデレラ達の住み処なのですから。
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