表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生魔王の経済征服 〜魔法はないけど金とゲームで世界は獲れる〜』   作者: たい丸
第1章:再会と覚醒

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/21

第10話:魔王軍、ガレージに集結す

「……おい、誠。この『株式会社』という軍団を興すには、これほどまでの金(資本金)が必要なのか」

高校3年の冬。進路希望調査票が飛び交う教室をよそに、剛は佐藤家のガレージで、誠が持ってきた創業ガイドブックを睨みつけていた。

大会での小規模な優勝賞金は、格ゲーの遠征費やデバイスの買い替え、そして剛の飽くなき食欲——コンビニのLチキやスーパーの半額惣菜——によって、その大半が消えていた。現在の軍資金は、高校生の小遣いとしては破格だが、世界を獲るための「軍資金」としては、あまりにも心もとない。

「当たり前だろ。剛、君がやりたい『世界規模のプラットフォーム』を作るには、サーバー代もエンジニアの給料も必要だ。今の僕らには、夢を語るための『ガソリン』が足りないんだよ」

誠は古いノートパソコンを叩きながら、シビアな現実を突きつける。剛は不敵な笑みを消さず、空のプロテインシェイカーを弄んだ。

「フン、無いなら奪うまで……と言いたいが、この国の法を犯せば軍(警察)が動くからな。……いいだろう。今は雌伏しふくの時だ」

ガレージの隅では、リンが黙々と自作のキーボードをカスタマイズしていた。彼女もまた、この「金はないが熱だけはある空間」に、いつの間にか居座るようになっていた。

「……大学、行くんでしょ? 二人とも。そこが、あなたたちの言う『最初の領土』になるんじゃないの?」

リンの冷静な言葉に、剛はガレージのシャッターを勢いよく跳ね上げた。冷たい冬の夜風が入り込む。

「その通りだ、リン! 大学という名の巨大なモラトリアム、そこにある潤沢な施設と、有象無象の学生という名のリソース……。それら全てを喰らって、俺たちの『魔王軍』を爆誕させてやる」

剛は拳を夜空に突き出した。 「今はまだ、この薄汚れたガレージが俺たちの城だ。だが、春が来たら……公式の最高峰、世界へと繋がる大会で『種銭』を掴み、この国に俺たちのゲートを叩きつけてやる!」

誠は苦笑し、リンは小さく鼻を鳴らした。 三人の財布は軽いが、その瞳に宿る野望は、すでに億万長者のそれよりも輝いていた。

魔王、勇者、そして氷の令嬢。 高校生活という「チュートリアル」が、今、終わろうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ