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第2章 第2話 『ただいま異世界その②』

第2章 第2話 『ただいま異世界その②』




2月16日



東の国マカヤオ、とある地下施設



「それでは宮廷に戻るとしますか。」


 先程の、裏社会の人間との面会が行われた一室。カデンスとギルザックはその部屋を後にし、階段を登り始めた。


「トコロデ、カデンスサマ。ナゼ、ウラシャカイノニンゲンニ、タノンダノデスカ⁇」


「………そんなもの、あなたの能力を私に使えばいいじゃないですか。」


 カデンスは笑いながら返答した。ギルザックは相手の心を読む魔法を使用できる。


「ナンデモシリスギルト、ツマラナイ。」


「そういうもんですかねぇ〜。まぁ大した理由はないですよ。報酬金という動機付けが、1番人をやる気にさせると思ったまでです。有能な人材とわかればスカウトできますし、最悪失敗してもまた別の団体に頼めばいいだけです。」


「"フクサンブツ"ヲ、テニシタイリユウハ⁇」


「そこは私もまだ全てを理解できていません。閣下の意思であるということだけは確かでしょうが…」



ズゴゴゴゴゴゴゴコンッッッ‼︎‼︎‼︎



 2人が会話をしていると、突如とてつもない轟音と地響きが地下深くから響き渡った。


「何事です⁉︎」


「チカノコウボウデハ…⁇」


「まさか⁉︎」


 カデンスは慌てて地下へと逆戻りする。元いた部屋とは別に、さらに地下へと道は続いており、どうやら実験施設のような大きな工房がそこには存在しているようである。


「また実験が失敗したんですか⁉︎」


「カデンス様‼︎まだいらっしゃいましたか。それが…あれを見てください‼︎」


 そこはとても広い空間である。沢山の謎の魔法陣や機材がそこかしこに見られ、沢山の研究員が作業をしていた。カデンスが到着すると、1人の作業員がカデンスの視線を真ん中に誘導させる。

 その施設の中央には、とても大きな球体の器具が設置されていた。ガラスのように透明な素材でできており、周りにはパイプのような管がいくつか繋がっている。

 しかし今は上の大部分が破壊され、殻の破れた卵のようになってしまっている。さらにとても大量の煙が舞っており、中の様子が確認しづらい。


「煙を退けましょうか。」


 カデンスが手に持っている杖を時計回りに回し始めた。すると不思議なことに煙も同じ動きを始め少しずつ上昇し、天井に達した瞬間一瞬にして飛散した。カデンスが操ったのだろうか。


「けほっ。けほっ。」


 可愛げのある咳の音が聞こえる。なんと煙の下から出てきたのは1人の女性である。


「ここは………⁇瑞樹⁇ここにいるの⁇」


 なんとその女性は、同じくこの世界に転移してしまった本郷瑞樹の幼馴染、豊坂雅美であった。


「言語が理解できない。特異的な服装。大魔法の副産物である可能性90%ですね。カデンス様‼︎」


「ふっふっふ。素晴らしい。どうやらそのようですね。遂に‼︎副産物を意図的に召喚することに成功しましたか‼︎」


 カデンスは笑みを浮かべながら叫んだ。それを見た雅美は困惑を極める。


(ダメだ。何言ってるかわかんない。絶対英語じゃないし。うそ、ほんとに異世界なの…⁇)


 顔が真っ青になりそのままへなりと座り込んでしまった。


「とりあえず王族の牢に一緒に入れておいていただけますか⁇きちんと食事を与えるんですよ。許可なく危害を加えたら殺します。丁重に扱ってください。貴重なサンプルですので。」




 雅美はカデンスの話を全く理解できなかったが、これから恐ろしいことが自分の身に起こるんだ。ということだけがひどく理解でき、そのまま恐怖で意識を失ってしまった。

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