97本目 離れてもだいじょぶ!マイマイはみんなと合流できるのか!?できます!
「にゃっ!?」
「あいたっ!?」「にゃふっ!」
「どーん!」「いてっ」「にゃー!!」
野田、吾妻、松實の順番で落ちて来たせいで、一番下となった野田は上二人のせいで完全に潰されていた。
「困ったなー、みんなと逸れちゃったね」
「だねー! やれやれぇ〜、しょーのちゃんが泣いちまうぜ、まったく〜」
「いいから早く降りにゃさいよ……! この床ヌルヌルしてて気持ち悪いのよ!」
天空遺跡内部、下層。
そこは光が届かない空間。
光源として魔晶石が発光し、青い苔が光を反射しているお陰で視界は確保できるが、ジメジメしていてとても憂鬱になる。
「ったく、何で一緒に落ちたのにアタシが先に……」
「おっぱいの大きさ順じゃない?」
「アタシには脂肪が多いってか!!」
「いたーい!!」
野田はバチーン! と思い切り松實の尻にタイキックをかました。
「もう、せっかく可愛い水着だったのに、汚れちゃったじゃにゃいの」
「「海に入れば汚れとれるよ」」
「揃いも揃ってバカにゃこと言わにゃいでくれる?」
吾妻と松實の水着や身体も、苔や泥で汚れてしまったようだが、何だか青く光ってるし、特に気にもしていないようだ。
「あっちの方行けそうだから行ってみよー!」
「うぃ〜!」
「ちょっと待って! ちょろちょろ勝手に動かにゃいで! 逸れた以上、まずみんにゃと合流すべきだし、カメラとかもにゃにも持ってにゃい以上、救助配信とかもできにゃいのよ。もっと慎重に行動すべきだわ」
「たしかに。えりにゃんの言うとおりだ。みんな、危ない目に遭ってるかも」
「ワタシたちが助けてあげないとねー!」
「「イェーイ!」」と二人はハイタッチする。
だが、野田は調子に乗らずちゃんと冷静だ。
「あのね……アタシたちは今どんな格好か分かってる」
「「水着」」
「そう。で? アンタたち宝具は持ってきたの?」
「もち──あ、フランちゃんたち小屋に忘れてきちゃった。シュシュも水着に合わせて違うのにしたし」
「あー、ワタシもー」
一瞬、沈黙が流れ……
「「おそろーい!」」と、再び二人はハイタッチした。
「呑気にハイタッチしてる場合か! いい? 宝具はアタシの吾輩は猫なのだ。しかにゃいの」
「宝具の名前カワイイね〜」
「ねー! えりにゃんの名字が名前に入ってるんだよ〜」
「おぉ、豆知識〜」
キャッキャと話す二人に対して、野田は猫獣人へと変身して、爪を向ける。
「アンタたち、真面目に聞きにゃさいよ。水着切り裂くわよ」
「「ごめんにゃさい」」
彼女たちの水着の肩紐に引っ掛けていた爪を引っ込めたところで、野田はようやく本題を切り出す。
「とりあえずこれ以上バラバラににゃったら厄介にゃんだから、アタシから離れにゃいこと。いいわね?」
「「はーい!!」」
「はぁ……アタシがこの二人の面倒見るのか……」
「──あらぁん? こんなところで、なぁにをしてるのかしらぁん?」
「あ! ファイヤー!」
「ディーパーにゃ?」
奥から現れるディープウェブの住人、ディーパーのマキノ・ハナブサ。ただ一人だった。
「ふふ、どうやらアンタ達お仲間とはバァイバイしちゃったよぉね〜」
「にゃに? そういうアンタも取り巻き二人いにゃいように見えるけど。もしかしてイマジニャリーフレンドだった?」
「おーほっほっほっ! 煽りが暑い夏にはとても涼しいわぁ〜ん。アタクシも逸れたのよぉ。だから助けてくださいお願いします」
マキノは再び高速土下座をした。
何とかして脱出しようと試行錯誤したものの無駄だった印が、全身の青い発光からも分かる。
「呆れた。誰がアンタを──」
「おっけー! 一緒にここから出ようね!」
「ちょっとマイマイ!」
「だって、みんなで協力したらできないことはないよ! それに、わたし最強だから何とでもなるよ!」
「おぉ〜、マイマイさいきょ〜!」
溜息を吐く野田。
三人でワイワイとしていると……マキノが突然として攻撃を仕掛けてくる。
「隙ありぃ!」
寸前で気付き、なんとか躱した三人。
さっきまでいた地面は武具の力によって凹んでいた。
「おーほっほっほっ。ガキンチョは反応だけはいいわねぇ〜。武具:ハロースター〜アタクシの輝きに照らされて〜、を避けるとは中々やるわぁ〜」
「名前長っ」
持ち手から鎖で繋がれたトゲ鉄球。
いわゆるモーニングスターの形をしているが、トゲ鉄球が着地した瞬間のみ巨大になる。
「実はさっきまでの会話、アタクシ聞いていたのよ。猫ちゃんになれる宝具しかなぁいんでしょー? アンタたちを倒して、その宝具転売してやるわぁ! ついでに目元を隠した水着写真も添えてね!」
「キモオタに売りつけるつもりか!」
「はぁ? アタクシのに決まってるでしょ。プレミア間違いなしよぉ〜ん」
野田は辟易とするが、当然一つたりとして実行させるつもりはない。
「そうはさせないからね! えりにゃん、ユッキー。わたしに任せて!」
「にゃに言ってんの。二人は無防備にゃんだから下がってて」
「ワタシ無防備でも勝てるよ〜。ハンデだなぁ〜優しいなぁ〜ワタシ」
入れ替わり立ち替わり前に出る三人。
マキノは武具をブンブン振り回しながら、容赦なく襲いかかってくる。
「HA! 小娘がっ。アンタたち見てたら久々に回転寿司食べたくなったわねぇ。ネタはもちろんコムスメタタキよぉ!」




