↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンストリーマー!! 〜人気急上昇中のJK配信者はチート級に強い──なぜなら裏方の俺が暗躍しているから〜  作者: 杜 一樹
第13章 アキハバラダンジョン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/79

74本目 絶対にこの動画を視聴しないでください。もし観たら……マイマイの虜ですよ〜!


「……すみません武崎大臣、お願いします。彼女たちと共にダンジョンに行かせてください」


 数年後、佐藤は武崎大臣の執務室に赴き、入室早々に頭を下げた。


「いいだろう」

「すみません、僕が責任を持って見ます。何かあれば僕が彼女たちを守ります。何かあれば……僕が彼女たちを殺します。だから……! え?」

「長々と喋ったな。構わない」

「最近はVNewTuberなる手法があります。モーションキャプチャーで動きを分析すれば、今の彼女たちのデータも取れる良い機会となるかと」


 武崎に仕える秘書の繁長が、配信条件を提示する。


「なら、顔出しはできないが配信活動も可能だな」

「あ、はい……ありがとう、ございます」

「思ってもいない答えに動揺してるようだな」

「ええ。まさか、こんなあっさりと期待以上の返答が返ってくると思いませんでしたから……」

「そうか。随時、報告は入れろ。彼女たちが全国のダンジョンを攻略する鍵となるかもしれんからな」

「かしこまりました。武崎大臣、改めてありがとうございます……!」

「ボスと呼べ」

「あ、はい……」


 こうして佐藤たちは探索官に役職を変えて、ダンジョンを攻略するようになった。

 ちなみに、松實が生野の本名を言っても問題にならないのは、名前が探求省に与えられたもので、調べても出ないから。それは松實も同様である。

 佐藤の努力もあって、今では制限も少しずつ緩和されるようになり、松實と生野は不自由ない生活を送れるようになった。



「──いいのですか、ボス?」


 佐藤が去った後、繁長は武崎に質問した。


「ああ、大丈夫だ。記憶になくとも、彼女たちには堪え難いことを強いてしまった。それくらい許さねば、誰が私達を赦すだろうか。……それに、佐藤管理官なら心配ない。彼は、元S級探索者(シーカー)だからな」



   ◇ ◇ ◇



「はぁ、二人だけで本当に大丈夫ですかね。すぐ油断するし」


 時は現在、渋谷スクランブル交差点。


「僕は裏方志望だったのですが。これで彼女たちのサポートできているなら、たまに動くのも悪くないですね」


 倒れる六人の模倣者《イミテーター》を横目に、ヘルメットを被ったままの佐藤は日が沈む空を見上げた。



(……つ、強すぎる……! た、たった一人で模倣者《イミテーター》を六人やっつけた、たた……!? ば、バレてないし、逃げよっ……)


 尸戸は始終ずっと見ていたが、敵うはずないと諦めて遠くまで退散していった。



   ◇ ◇ ◇



「よーし! マイマイのとこいこー!」


 藤岡を撃破した松實と生野。

 交換した宝具《レリクス》も返し、次行く方向を決める。


「よし、こっちだな」

「じゃあ、逆だー。しょーのちゃん方向音痴だもんねー」

「お前よりマシだから。ったく……、道がいっぱいだし。じゃあ間をとってこっち──」


「──ねぇねぇ、しょーのちゃん」


「ん? なに、っ──ぁ、ゲホッ……!?」


 呼ばれて振り返った生野の腹に刺さる、幅の広い刀。

 彼女を刺したのは……松實幸だった。


「ま、松實……おまえっ……なんの冗談だっ!?」


 刀を抜かれて、生野の腹と口からは血が溢れ出る。

 ヨタヨタと後ろに下がって距離を取る生野に対し、松實はその場で呆然と立ち尽くしていた。

 そして、彼女の後ろでのそりと立ち上がる藤岡の姿が。


「くそっ……!!」

「及第点です。しかし、先生に手をあげるとは、とんだ不良児たちだ」


 衣服に汚れはあっても、付けたはずの傷は最初からなかったように治っていた。

 白湯華のような治療する宝具《レリクス》の使用形跡もない。模倣者《イミテーター》の回復力でも説明が付かない。


「あれ、しょーのちゃん……あれ、あれれ……」

「てめぇ……松實に何をした!!」

「教育ですよ。更生のための教育です」


 藤岡が松實の両肩に手を置くと、彼女は言葉を失い俯く。


「実は私、NewTubeでいくつか教育系のチャンネルを所有しておりましてね。その内の一つを、彼女はたくさん視聴してくれてたのでしょう。私の自慢の生徒です」

「うん、ワタシ数学できるもん……」


 生気なくボソボソと呟く松實を見て、生野はある事実に気付く。


「洗脳配信、しただと……そんなことがっ……!?」

「勉強は努力の蓄積ですよ。少しずつ、時間をかけてゆっくりとです」

「じゃあ、まさか松實が……!」

「ええ、〝無意識な裏切り者〟の一(・)人(・)です」


 探求省内で聞きつけた情報を全て横流しにし、重要機密を盗み模倣者《イミテーター》側に送っていた犯人。

 それは松實幸だった。


「松實さん、よくできましたね。満点まで後少しです。目の前の友人にトドメを刺しなさい」


 松實が二本の刀を握り締め、生野にじわじわと迫っていく。


「──ははっ……あはははは!! なんだよ松實ぃ、洗脳されてんのかよぉ……だったらさ。脳みそ洗って戻してやんないとなぁ!」

「んー、ねみゅいー……。しょーのちゃんも一緒に永眠《ね》よぉ?」


 ハイになった生野は血が流れ出るのも気にせず立ち向かう。

 日は沈み、長い夜(・)を迎える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。