51本目 仲良しのみんなとオンラインゲームで対戦っ!(新コラボもあるよ♪)
『どーも! どもどーも! ハヅキチで〜す。さて今回は、仲良し美少女ダンジョンストリーマーが大人気ゲーム『Along us』をプレイしたら殺伐とするのか! さっそくやっていこうと思いますけれど〜』
チャンネル登録者数109万人。
ハヅキチこと、降元葉月が主催のゲーム配信に吾妻が招待された。
現実にゲーム世界のようなダンジョンがある中、ゲームの腕前とトーク力だけで金の盾を貰うまでに登り詰めた実力派のゲーム実況系NewTuberだ。
『じゃ、ほとんどの人が初めましてで、視聴者もみんな誰ってなってるんで、一人ずつ自己紹介していきましょかー。まずはマイマイから!』
『こんマイリ〜♪ マイマイです! インポスターからわたしがみんなを守ります! よろしくお願いしまーす!』
『おぉ、頼もしいしー、めっちゃ可愛い〜』
『えへへー、ありがとうございまーす♪』
『うんうん。良い子を紹介してもらったなー、ほんと。紹介してくれた子には顔向けて寝れないよ』
『足向けて寝るんかおめぇ』
VNewTuberでもあり探究省の人間でもある生野奏と松實幸とは、降元は一度コラボしたことがある。
その繋がりから今回、吾妻は芋づる式に呼ばれた。
「ゲーム実況してみたいんだよねー! だって楽しいし! 『源さん』とかしたーい!」とか、甘えたことをいつも言っていた吾妻。
ただプレイ画面を流せば再生回数を取れるような甘い世界ではない。先述したように魅せるプレイングや惹きつける話術がなければいけない。
ゲームとはいえダンジョンに活かせる要素も大いにあるので、今後のためにも吾妻には経験を積ませないとな。
『じゃあ、次はVオンリーコラボの時以来、二回目かー。ユキカナチャンネル〜。どうよ、意気込みは』
『えへぇ〜、やっちゃうぞぉ〜。血の海で溺れさせちゃうよぉ!』
『私の相方、殺る気満々だわ。なんかあったらとりあえずこいつ吊っといてください』
『しょーのちゃんヒドーイ!』
吾妻を紹介してくれたユキカナチャンネルの二人は相変わらずのテンションだ。
みんなの配信画面はグリーンバックで切り抜かれた姿が映し出されているが、彼女たちだけはアバターのLive2Dがヌルヌル動いている。最新鋭の技術だ。
冷静に思えば彼女たちは探求省の人間だよな。つまり、その資金源は国民の税──おっと、考えるのは止めておこう。
『じゃあ次は〜アオイ嬢、挨拶と意気込みおねがいしまーす』
『ごきげんよう、紳士淑女の皆様。そうですね、意気込み……ぜひ、鏖殺を果たしたいと思います♪』
『こっっわっ。えぇ、アオイ嬢ってそんなキャラでした?』
『ふふっ、遊戯といえども全力で臨みたいですから。もちろん、ゆとりを持ってですわ』
こういった配信スタイルは今回初めて挑むという来海葵。
ハコネダンジョン以降、今までしてこなかったジャンルへと次々に飛び込んでいるらしい。どうにもお淑やかには留まらない破天荒お嬢様みたいだ。
そして、次に挨拶するのはえりにゃんこと野田エリナ。
来海と野田は、吾妻が誘えば必ず時間を空けて来る。とてもありがたい話だが、自分たちのチャンネルは大丈夫なのだろうか?
『みにゃさんこにゃにゃちは。えりにゃんチャンネル〜えりにゃんで〜す。今日はりりにゃも一緒で〜す』
『が、頑張ります……』
そして、庭白リリナも参加していた。
普段人前に出ない彼女だが、シンジュクダンジョンの救助配信で顔出しして以降、えりにゃん(野田)のファンから、また出演して欲しいとの要望が多く寄せられた。
なので、ごく稀に動画に出演するようになった。今回も人数合わせで参加している。
野田はちょっとだけ嫉妬しているらしいが、登録者数と視聴回数は分かりやすく伸びているので、それはそれで満足はしていた。
『じゃあ全三回戦! この7人でさっそくはじめよー!』
昼の生放送で同時配信をする今回のゲームはAlong us──略称アロアスは『銀河人狼』とも呼ばれる人狼ゲームである。
銀河を渡る宇宙船の中で、村人役の「クルー」と人狼役の「インポスター」に分かれて自チームの勝利を目指す。
クルーの勝利条件は与えられたタスクを全部こなすか、インポスターの全員追放。
対してインポスターは、クルーを残っているインポスターと同数になるまでキル(殺害)するか、サボタージュ(妨害工作)を制限時間内に解除されなければ勝利となる。
……吾妻はこれでルール理解したのだろうか。
「ゲームなんてやってたらすぐできるようになるよ♪」なんて豪語していたが、はてさて、吾妻の腕前はいかがなものか。
隣室にいる俺は配信画面を観ていた。




