↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンストリーマー!! 〜人気急上昇中のJK配信者はチート級に強い──なぜなら裏方の俺が暗躍しているから〜  作者: 杜 一樹
第16章 アカシダンジョン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

107/138

107本目 出発する前にはミラーチェック!マイマイはいつでも盛れてるZE⭐︎


「フーガ。君に頼みたいことがある」

「何? 直接手を下すのは勘弁だよ。あまり好きじゃない。観光なら全然いいけど」

「希望通りさ──世界各地で戦争を起こして欲しい。だが、日本だけは巻き込まれないように上手く調整してほしい。吾妻舞梨にも影響が及ぶからね」

「いいよ。人間が争うのは大好きだ。また負の遺産が増える。新しい観光地ができるね」


 彼の死来能力:〝凍結《フローズン》〟──全てを氷の世界に閉じ込め、物質の動きを止める。

 一度力を発揮すれば、あちこちの農作物は寒波で枯れ果て、交易は麻痺し、人々は簡単に死に至り、国が滅ぶのにも時間はそうかからない。

 また、宝具《レリクス》:どこでもドアノブは世界中のダンジョンに繋がるため、今では容易にあちこちへと移動することが可能だ。


「ソウシ。君は──」

「マイマイを見守るのね。任せて!?」


 天原の圧に頷くしかないが、その通りのことを頼もうと思っていたことだった。


「でもソウシねぇ〜ひとりぼっちじゃん? だから、天使さん作っちゃった♫」


 天原が指を鳴らすと、地面から白い翼を生やした男女が現れる。


「お呼びでしょうか。ソウシ様」

「ボクちんを召喚するなんて⭐︎ さすがはソウシ様、分かってらっしゃるZE⭐︎」

「ふふっ、ミッチーたら。本日もキモいですね」

「あっ……⭐︎ ポイズンベリー♡」


 とても丁寧な言葉で毒がある言葉を吐く小柄な女性と、とにかくナルシズムが高い男性。


「イラミィとミッチーね。ソウシの守護天使《ガーディアン》なの。みんな仲良くしてあげてね──っしゃぁ!! 早速マイマイハッピー大作戦考えんぞおらぁ!!」


 また性格の変わった天原は従者を引き連れて、地上へと昇っていった。


「じゃあ、私も行こーっと」


 摩擦で燃えそうなほどに藤岡を撫でていた曰西も、ようやく飽きたようで、ここから出て行こうとする。


「どこに行く」

「ん? そんなまどろっこしいことしなくてもさ。《《あれ》》殺しちゃえば、楽じゃない? じゃあ、行ってきまーす」


 曰西が、さらには何も言わず加賀遺も続いて解散していき、この場には藤岡と磐田だけが取り残された。


「行きましたね」

「勝手にな。SS級ともなれば、我《が》の強さも段違いだ。元より協力できると思っていない。ここまで会話が成り立った自体、私の想定以上だ」

「なるほど」

「フジヤマダンジョンの模倣者《イミテーター》に伝えて欲しい。彼らが動き始めた以上、次の春は訪れないと」

「ええ。きっと泣いてしまわれるでしょうね」

「そうだな。私含めて、どうにも手の付けられない生徒《モンスター》ばかりなもので。気苦労が絶えないことでしょう」



   ◇ ◇ ◇



「お疲れ様です。ボス」


 秘書の繁長玲と共に、多忙な毎日を送る探求省大臣、武崎健太郎。

 本日はいくつかの大企業を相手にし、世界中にダンジョンが出現したことによる次の時代《フェーズ》について議論を交わしてきた。

 現在は政務が一段落したので、地下駐車場に停めた車へと向かうエレベーター内にいる。


「ふぅ、中々上手くいかないな」

「ええ。今日は古い価値観を持った人ばかりでしたから。ダンジョンを開放している自体、懐疑的な人がいるくらいです(やだ、ネクタイ緩めてセクシーですボス)」

「そうだな。だが、続けるさ……世界に新しい秩序ができ、俺が政界を引退するまではな」

「えっ!? (寂しい!? 転職考えないと!?)」

「世界は新しい時代を迎える。俺みたいに昔の人間がいつまでもいるわけにはいかないさ」

「そう、ですか(ボスは次どこへ……私も付いて行きます)」

「引退でもしたら、どこか旅行でも行くかな」

「はぁ……オススメなら挙げておきますよ。国内か国外ならどちらがいいでしょう? (私も行きたい……)」

「そうだな、君の勧めるところに一緒に行こう」

「……えっ!? (えっ!?)」


 地下に辿り着き、エレベーターが開く。

 繁長の心は動揺したまま、地下駐車場に入る。


「あ、スマホ忘れた」

「と、取りに行きましょうか……? (おっちょこちょい可愛い!)」

「いや、大丈夫だ。車の鍵を渡しておく。先に乗って待っていてくれ」


 武崎はさっき来たエレベーターに乗り直して、また上へと昇る。

 足取りが浮ついたまま車に乗り、繁長はシートベルトを締めた。



「ふぅ……えぇぇ!? ま、まさかボスと、とと、りょ、旅行ぉ!? これは、もしかすると……もしかするなの!? ……やだぁっ!」


 ずっと尊敬する彼に仕えてきた繁長。

 誰にでも分け隔てなく接する彼が、初めて個人的に誘ってくれたのだ。

 武崎が戻って来た時に、次は何て喋ろうか……──髪型は変じゃないか、車のバックミラーで前髪を整えた。



「──こんにちは。幸せなところお邪魔します♪ さようなら」


 同じミラーに映る、後部座席に座る女性。

 すぐ振り返るも──


 ──車が揺れて、ガラスに赤い血が飛び散った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。