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ダンジョンストリーマー!! 〜人気急上昇中のJK配信者はチート級に強い──なぜなら裏方の俺が暗躍しているから〜  作者: 杜 一樹
第16章 アカシダンジョン

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106本目 みんなはどんなグループチャットに入ってるのか大ちょーさ!


 都内某所。

 ある工事現場が丸ごと陥没したのを放置されたまま、忘れ去られてしまった場所が存在する。

 高い仮囲いの中を確認しようとする人間はいない。不思議と、誰も気にすることなく通り過ぎて行く。

 企業や自治体すらも問題視すらしない。


 ……その地下深く。地面に無作為に刺さる鉄骨を抜けて降りていくと、大きな鳥居がひっそりと立つ。

 そこへ曰西リオがぬ(・)ゆ(・)り(・)と現れる。


「神社って地面の下にもあるんだ。私びっくり〜」

「事故が起こらないようにと近くに建立されたものだ。東京が生まれ変わった際、巻き込まれて建物ごと沈んだがな」

「へー、やっぱり神様はいないみたいだね」

「ねぇいるから。ソウシが神だし。で、マイマイが先導者ね!」


 傾いた祠の前にはキョウトダンジョンの模倣者《イミテーター》、藤岡辰也が座っていた。

 バチ当たりに鳥居の上に座るのはイズモダンジョンの模倣者《イミテーター》、天原《あまはら》ソウシ。


「マイマイ? あ、悪い女でしょ!」

「はい〜? あ、そういうこと言っちゃうんだ。ねぇ、あいつイジメちゃお」

「……自分はそのマイマイに真っ二つに斬られてますよ」


 鳥居にもたれて立つシレトコダンジョンの模倣者《イミテーター》、加賀遺フーガに天原は協力を煽るも失敗した。


「それはあんたが弱いだけだよ? あー、味方いないんだ。みんな寄ってたかってソウシをイジメるんだ。ムカつく」

「リオ、フーガ。吾妻さんを殺すことだけは避けて欲しい。彼女は私の大事な生徒で──」

「先導者たる器だからね♫」


 藤岡の話を天原が横取って補足する。


「はいはい。もう。こっちはせっかくできた家族を廃棄したのに」

「ただの人形遊びだろ」

「本物の家族よ。あ、フーガもそんなこと言っちゃうんだ。あいつイジメよ? プンプン」

「ね、イジメよ」

「え」


 加賀遺を敵に、天原と曰西が結託した。

 と思ったら「はい、チーズ」「「いぇーい」」と三人で自撮りの記念撮影を始めた。

 今は「ソウシ盛れてる!? この世に降りる前から盛れてるけどね!」とうるさい。

 その自由な振る舞いに、相変わらず癖と我《が》がSS級に強い模倣者《イミテーター》だと藤岡は思った。



「あ、ねぇねぇ。あれは? フジヤマダンジョンのあれは? あの引きこもり。来てんの?」

「──私が代理で来ました」


 祠の裏から現れたのは、下がスカートのスーツ姿の女性だった。


「磐田凛《いわたりん》と申します。フジヤマダンジョン模倣者《イミテーター》のマネージャーを務めております」

「お、私とイワイワコンビじゃ〜ん。うぇーい」

「……君は模倣者《イミテーター》じゃないね」

「え、そうなの?」

「彼女には、仲介と共有のために来てもらった」


 加賀遺が見抜き、曰西が調子に乗ったところで、藤岡が説明を始めた。


「……私には理想の世界がある。平等に教育を受けられ、誰も苦しまず皆が夢に向かって永遠に挑み続けることができる世界。そして立派な大人になってもらいたい。そのためにも……一度この世界を終わらせる。人類が永遠の命を手にする新しい世界となるためには……吾妻舞梨の力が必要だ」

「そー! それがすなわち、先導者たる器ってわけ。も〜ソウシが探し出すのに、どれだけ頑張ったと思うの!? 褒めなさい!?」

「「すごーい」」


 加賀遺と曰西は棒読みで褒めた。

 それでも彼は満足気になるくらいにはチョロい。

 しかし、彼は見逃さなかった。


「あんたイワタリン」

「平板読みですか。成分の名前みたいになってますが」

「ソウシを褒めなかったのちゃんと見てたから。恨むわよ!? マイマイは世界を滅ぼして、再生する者──ソウシはそれを見守る神なんだから。もはやママなの。母性たっぷりの女神様ってわけ。わかる?」

「とてもよく」


 磐田は逆らわない方がいいと思い、とりあえず賛同した。


「てゆーかさ、マイマイをあんたお得意の洗脳で操れば一発じゃないの? ソウシのためにそうしてあげようって思わないわけ?」

「彼女への教育はもう解けてしまった。私が教えてあげられるのは一人に対して一度のみ。同じ授業は二度もしませんから」


 藤岡は社会に潜入するために、暮らす地域一帯に小学校教師だと思い込ませる微弱な洗脳をかけていた。

 しかし、偶然にも吾妻がその地域に住んでいたことで洗脳済みとなってしまっていたのだ。


「ヨナグニダンジョンの模倣者《イミテーター》に負けて気絶してたから、ぜーんぶ解けたらしいよ」

「わ〜辛い〜。大丈夫? よしよししてあげようか。私、幼稚園教諭だよ?」

「私は全ての先生です。大丈夫ですよ」


 と断ったものの、曰西は構わず「よしよ〜し」と頭を撫で出した。

 拒否すれば、このまま首を飛ばされる。

 全員が強力過ぎる力を持った模倣者《イミテーター》たちだ。いざこざが起きるだけで辺り一体が消し飛ぶ。それに、この中ではもっとも曰西リオが厄介である。

 だからこそお互い強くは出ることなく、付かず離れずな関係性を築いていた。


 藤岡はまだ会話の通じる加賀遺と接触を図り、キョウトダンジョンへの観光誘致と攻略護衛を頼んでいた。

 トウキョウダンジョン以降、SS級に昇格したことで、SS級模倣者(イミテーター)のグループチャットに入れてもらった。

 そんなものがあるのに衝撃だが、今は綿密に連絡したお陰で、ここまで嗅ぎつけることができた。


「フーガ。君に頼みたいことがある」


 しかし、SS級に上がることが目的ではない。

 藤岡の謀略はまだ始まったばかりだ。

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