表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白猫を連れた魔導士が、港町で拾ったのは秘密を抱える美少女でした  作者: 汐田 伊織
3章 面倒事

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
66/282

第27話 極秘の依頼


高校の守衛所で入構手続きを済ませる。


卒業してから三年も経つのか。


あの頃のことを思い出すと、少し胸が熱くなる。


友人は少なかったけど、同じ組の人たちが分け隔てなく話しかけてくれたおかげで、俺だけ無属性だったけど浮いた存在にならなかったし、いろいろ学べて楽しかった。

小中のときとは比べ物にならないくらい。





今は春休み中だから、生徒たちはいない。

誰もいない静かな学校は、非日常感を味わえて心が踊る。



一階にある生徒玄関の前を通り過ぎ、廊下を右に。突き当たりの部屋が校長室となっており、黒茶の重々しい扉が出迎えてくれる。


――コンコン。


扉を数回叩く。

中から返事があったので入ると、短く整えられた白髪の男性が、高価な椅子に座って資料に目を通していた。

こんな休みの日までコートを身にまとい、白いシャツに青いネクタイを締めている。すらっとした体格で、いつも冷静な目をしている校長、春日井誠司。

その姿勢はどこか威厳があり、品位を感じさせる。


先生は、読んでいた資料に判を押し、机の端に追いやっていた。



「お久しぶりです」


「やあ、わざわざ遠いところからありがとうね」



促されたので長椅子に座ると、体全体を包み込まれるような沈み心地に驚いて、思わず小さく息をついた。

それでも、胸の奥には緊張感が広がっている。


俺に何の用なんだろう?


身をすくめている間に、先生は慣れた様子で対角線上に座った。



「実は――きみに依頼したいことがあってね」



組合ではなく、わざわざ俺に?


部屋の空気が一瞬で張り詰めた。


このような形をとるということは、おそらく組合に頼めないような極秘任務だろう。



「伺います」



「二年前、霜月先生の研究所の火事を消したのはユウナくんだったね」


「はい」


「火事の原因である炎を、ミカヅチ本部に届けたそうだけど……結果は教えてもらったかい?」



あの日、瓶に火災の原因である金色の炎を封じ込めて、魔導士協同組合の中枢、ミカヅチ本部に押しつけたことを思い出す。

その後、とくに連絡がなかった。


あの炎のことを思い出すたびに、胸騒ぎがする。


進展がない、というのは、逆に言えば、問題が解決していないということに他ならないから。


俺が首を横に振ると、先生は険しい顔つきで背もたれに寄りかかった。



「霜月先生は学者だけど、学校関係者でもあるから、教員に恨みを持つ人物という線で、個人的に犯人を調べてみたんだ。でもねぇ……玲さんに聞いても、この件に関して『答えられない』と言うんだよ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ