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白猫を連れた魔導士が、港町で拾ったのは秘密を抱える美少女でした  作者: 汐田 伊織
3章 面倒事

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第24話 二人の友人


首都ミカヅチは雷の神、建御雷神たけみかづちのかみが祀られていて、その加護のおかげで雷や地震の被害がない。


そんな街の中心にあるミカヅチ駅は、まるで美術館のようだ。

天井には、有名な画家が描いた天国の風景が広がっている。ほかにも、月替わりに工芸品や絵画が壁に沿って展示される。


俺にはちょっと眩しすぎる気もするけど、こういう空間を見ていると、不思議と落ち着く。

組合に勤務していたときは、一人でそれを見に行ったりしていた。



駅利用者の群衆に飲まれ揉まれ、出口がどこにあるのか見失いかけて、危うく迷子になるところだった。


これはもう、恒例行事みたいなものだけど……不愉快だ。


白猫は頭の上にしっかりしがみついていたので、俺よりは楽だっただろう。


傘に乗って飛んできたらよかったかな……。

まあ、それだとお嬢ちゃんの髪が崩れてかわいそうか。



「もう疲れた……」


「……すごい人ですね。これじゃ迷子になりそうです」



交差点の賑やかな街の様子は、都会の活気を感じさせる。


大勢の人々が四方八方から歩道を行き交い、足早に目的地へ向かっているようだ。

建物が立ち並び、大きな広告や看板が目を引く。

誰かが奏でる音楽や、人々の話し声が混ざり合い、街全体が生き生きと動いている。



駅を離れて少し進み、建御雷神の銅像の前に立った。雷の神――その銅像は空に拳を突き上げていて、信仰の象徴として誇らしげだ。


そこでぼけーっと突っ立っている中、道行く男性たちが、隣の彼女をちらと見ては去っていく様子を観察していた。


ハーフ男の横に美少女が立っていたら、それはもう目を引くだろう。

当人がまったく興味なさそうなのもすごくいい。



いくらか待つと、二人の男女が現れた。



「よーっす。ユウナ、なんかあった?」


「わざわざ依頼してくるなんて。電話に出た花房さん、すっごく心配してたんだけど」



肩の上のソラにも「こんにちは」と声をかけ、握手までしていた。


声をかけられた瞬間、懐かしさと少しの気まずさが胸をよぎった。

今さら気取る関係でもないけど。



「あー、依頼内容伝えてないからかも」



花房さんには申し訳ないことしたな。



「お嬢ちゃん。こちら“光癒みつゆの魔導士”の光峰みつみね那智なちと、“氷原ひょうげんの魔導士”の日向ひむかい陽菜ひな。俺が組合員だったとき、一緒に組んでいた友人ね」



組合は制服とかはないけど、左腕に必ず腕章をつけなくてはならない。

二人は動きやすい服装に、ミカヅチ本部の腕章をはめている状態だ。



「はじめまして、霜月優香です」



漆黒の目をきらきらさせて彼女を見つめる陽菜。口元がにやりと緩んでいる。



「えー! かわいい! ユウナ、この子どうしたの?」


「ちょっとね。事情があって、しばらくうちで面倒を見ることになってる」



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