第22話 足の目測
「あ、そうだ。履物は草履にする? それともブーツとかがいい? 足の大きさ二十三センチだよね」
「え……なんで……知ってるんですか」
しまった!
彼女の目が驚きと警戒心で見開かれるのを見て、顔色が青くなるのを感じながら、思わず正座の体勢に入り、両手をついて頭を下げた。
「利他さん……」
顔は見えないけど、何を考えているかはわかる。
これは絶対、誤解されている!
決して、断じて、そうではない。
きみのすべてを調べましたとか、そういう類の変態ではない!
「えっと……俺のちょっとした特技と言いますか……」
人や物の長さや重さを、見ただけでほぼ正確に当てられる――そんな変な特技がある。
物体を召喚する上では便利な特技だけど……それを知った男子から、女子の胸の大きさを教えろと懇願されたこともあった。
もちろん、そいつは女子たちに袋叩きにされていた。
お嬢ちゃんに説明を試みたが、今後同居を嫌がられそうで不安だ。
今のは配慮がなさすぎた。
自分の足の大きさを急に当てられたら、怖いに決まっている。
彼女の様子をそっと伺うと、戸惑いの表情が見えた。
「なるほど……うかつに太らないようにしないといけませんね」
そう言って、どこか冗談めかしたような微笑みを浮かべた。
痩けた頬を見て、もう少し太った方がいいとか思ったが、その言葉は飲み込んでおいた。
「とりあえず、その姿勢やめませんか?」
「あ、はい」
最大限の温情に感謝しつつ、ほっと息を吐きながら等身大の鏡を魔法で作った。
……次は、口を滑らせないようにしよう。
背中にお嬢ちゃんの視線を感じながら、そそくさと部屋をあとにすることにした。




