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白猫を連れた魔導士が、港町で拾ったのは秘密を抱える美少女でした  作者: 汐田 伊織
3章 面倒事

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第16話 実家の呉服店


「でも、他国の本がこちらに入ってくることってあまりないですし、探すの大変かもしれませんね。高校行ったらそれとなく見てみます」


「うん。お願いしようかな」



八意やごころ高校なら魔法関連の本が揃っているだろうし、任せた方が早いかも。俺は休日に図書館でもこもろうかな。


なんだか、頼もしい味方ができた感じがあって心強い。


ソラが足元で、俺の足の甲にちょこんと前足を乗せたまま、しっぽをゆらゆら揺らしていた。まるで「よかったね」と頷いているみたいに、うれしそうな顔をしている。





俺の再現可能な魔法を教えたところで、部屋があまりにも殺風景だったから、とりあえず勉強机と椅子、それと寝具を出しておいた。

蝋燭は燃えていないし、取っておこう。


作りたての時計を見ると、十三時過ぎ。昼ごはんも食べ終えているだろうから、そろそろ実家に向かっても大丈夫そうだ。



「今から実家の呉服店で、お嬢ちゃんの寝巻きと明日の着替え買おうと思ってるんだけど、よかったら着いてきてくれる?」


「……いいんですか?」


「うん。ああ、お金支給されてるから気にしないで」



そう答えると、口元にうっすらと笑みが浮かんで、安堵のため息をついていた。


街から生活費が出るって、改めて考えるとすごい待遇だよな。

そんな子を引き受けるって、俺……なんかすごい責任背負ってない?



「ほかの私物は、明日買いに行こうか」


「はい。ありがとうございます」



ソラにも来るかと尋ねると「行かなーい」と断られてしまった。



にこやかに笑う彼女を連れ、家をあとにした。


今から向かう本家には、祖母の梅ちゃんと、呉服店を手伝う柑奈ねえさまとその旦那さんが住んでいる。



「家、分かれてるんですね」


「ああ。分家はとうさまと、かあさまが和菓子屋やってる」



ちなみにねえさまが呉服店を、旦那さんは和菓子屋の方を手伝っている。



「梅ちゃん、いるー?」



玄関の引き戸をがらりと開けて、中にいるであろう祖母に声をかける。


この家に来た頃、きっかけは忘れたが、梅ちゃんと呼びまくっていたから板についてしまった。そのまま伝染し、村人のほとんどがその呼び方をしている。



「入っといでー」



奥の方から返事が聞こえ、二人で家の中をずんずん進む。代々受け継がれた古い家だけど、俺が度々修復しているからか、骨組みだけを見るなら新築と変わらない。柱や障子の細工は古めかしいけれど、俺が直した分、隅々まで清潔感がある。


銀三じいさまの兄である、大工の金次じいさまなんて、来るたびにこの家を褒めてくれるくらいだ。



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