↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白猫を連れた魔導士が、港町で拾ったのは秘密を抱える美少女でした  作者: 汐田 伊織
3章 面倒事

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/282

第11話 本気の料理


お嬢ちゃんに貸した部屋のすぐ隣は台所兼食事室であり、この家唯一の畳のない部屋である。


台所は、動線が一直線に整えられ、料理がしやすい作りになっている。

壁沿いには氷式冷蔵庫や食器棚が並び、自然光が差し込む明るい空間だ。


台所の向かい側には、床と同じブナ材で作られた机が置かれており、できあがった食事をすぐに運ぶことができ、無駄な移動の手間を削った。


見慣れた台所も、古い着物を身につけたお嬢ちゃんがいるせいか、なんとなくいつもと違った風景に見えた。


まるでお手伝いさんを雇った初日のような違和感だ。雇ったことないけど。



背中から手元を覗くと、慣れた手つきで魚の内臓を取り除き、水で洗い流していた。次に、魚の頭と尾を切り落とし、身だけが残るように丁寧に処理する。


やらされたんだろうなとか、もしかして料理が趣味なのか?とか、いろいろ脳裏をよぎった。


調理の様子を無言で見つめていたせいだろう。彼女は緊張しているのか、肩に力が入っている。


うん、見すぎだな。申し訳ない。



「何か手伝うよ」


「いえ。居候なのでこれくらいは……」



なんとか押し切って、台所に立たせてもらえた。


昨日のうなぎ事件の帰りに、近所の人に卵を分けてもらったし……久しぶりに卵焼きでも作ろうかな。


コンロに火をつけるため、つまみを回した。





二人の共同作業でできあがったのは、ふきのとう味噌、鰆の幽庵焼き、海苔入り卵焼き、ひじき煮、すまし汁。

なんとも豪華な昼食だ。


美しい盛りつけと鮮やかな色彩が目を引き、ちょっとした旅館の朝食かっていうくらいの品揃え。


「いい嫁さんになりそうだ」なんて言ったら、彼女に引かれそうな気がしたからやめておいた。



「すごいねえ。ユウナ一人だったら納豆卵かけご飯なのに」


「こら。チクるな」



これはもしや、今後の料理の期待値を上げてしまった感じか?

今みたいに、彩り豊かで品数の多い料理を毎食作らないといけないのか?


さすがにちょっとめんどくさい。



「……楽でいいですよね」



ふいに聞こえた声が、少しだけ沈んでいた。



「え?」


「食卓につくの禁止されたときは、庭でこっそりそれ食べてました」



……うん。やるしかないか。

よし。料理くらい本気で作ってやるわ。


ソラのごはんより手間かかるんだが……ま、悪くないだろ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。