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白猫を連れた魔導士が、港町で拾ったのは秘密を抱える美少女でした  作者: 汐田 伊織
3章 面倒事

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第7話 ひよこの冒険


カグツチ村の道は、整備されていない土の道がまっすぐに伸びていた。

両脇には小川が流れ、澄んだ水音が心地よく響く。

遠くの山々には、白と緑がまだら模様に重なり、青空の下にくっきりと映えている。


駅から続く道を進み、ゆるやかな登り坂を歩くと、一軒、石塀にぐるりと囲まれた平屋の家がある。


組合から独立した際、大工の金次じいさまからの助言を受けながら、魔法を使って建てた家だ。

自分一人で過ごすには広すぎる和風の邸宅になっており、使用していない部屋がいくつかある。誰かに一部屋使ってもらうことにはなんの問題もない。



黙ってついてくる彼女の様子を一瞥する。


ひょこひょこと歩くお嬢ちゃんは、まだ周囲の景色を見慣れていない不安と、それでも俺についていこうとする健気さがにじんでいて、思わず口元が緩む。

その姿はまるで、ひよこが親鳥について歩くようなかわいらしさがあった。


さっきは――この子のことで頭がいっぱいで、鍵を閉めるのを忘れてしまった。


今、ソラに叱られるのではないかという不安が少しばかり心を重くしている。



玄関まで続く飛石とびいしを踏みしめながら、反省の念と同時に、開けっ放しの引き戸の先に見える白猫に目を向けた。


ソラは尾をぴんと立て、毛を逆立てながら「こらー! ユウナ!」と鳴いた。


怒っているのに、ふくらんだ体とつり上がった目が妙にかわいくて、思わず笑いそうになる。



「不用心なんだから! 泥棒が来たらどうするのさ」


「……悪かったって。ただいま」



上がりかまちに座っているソラに手を差し伸べたが、ふいっと首を振り拒否するような態度を見せた。と思ったら突然、ソラは首を傾げたまま、きょとんとした顔でお嬢ちゃんを見つめたあと、俺に目を向けてひと言。



「持ち帰ってきちゃった……?」



顔が熱くなるのを感じて、思わず後ずさった。


いや、俺がどれだけ慎重に言葉を選んでここまで来たと思って……!



「ちょっ、違うから!」




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