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白猫を連れた魔導士が、港町で拾ったのは秘密を抱える美少女でした  作者: 汐田 伊織
2章 家出少女

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第15話 依頼料の代わり


船は全部で十二隻。

ちょうど、巨大うなぎを横たえた場所に船が揃えてあるというので、一同はぞろぞろと歩き出した。



街の方を覗くとワタツミ支部の魔導士たちが、怪我人の有無を確認したり、瓦礫を撤去するために働いているのが見える。



次に、目的地に置かれているうなぎに再び目を向けた。体色は黒っぽく、光沢があり、まだ生きているかのように感じられる。

うなぎの体は、船数隻ぶんにも匹敵する長さだった。


周囲の漁師たちが、ちらちらとそちらを見ている。動いたら困るから、念のため、鉤は刺したままにしてある。


それにしても……あれの処理か。


粉々にして海に還せばいいや……と考えていたけど、漁師たちにこの件は任せることもできるんじゃないか?

魔法を跳ね返す体なだけであって、刃物は通すのだろうし。


刺さったままの鉤爪が何よりの証拠。

うん、それがいい。


たまたま自分の隣を歩いていた男性に声をかける。



「うなぎの後始末を頼まれているんですけど……命を奪ってしまった以上、ただ廃棄するのはかわいそうだと思いまして。依頼料の代わりに、みなさんで捌いていただけないでしょうか?」



街のみんなの朝ごはん分に余裕で足りるどころか、市場で販売することもできる。街のみんなも喜ぶし、俺の仕事も減る。


……最高の提案だ。


善人ぶっているように聞こえるかもしれないけど、こっちだって助かるし。



「かなり大きいですが、大丈夫ですか?」


「いやいや、やらせてもらうよ。ありがとな」



そうしてうなぎの処理をお願いしていると、じいさまが「せめてお礼を」と申し出てくれた。依頼料の代わりに俺とソラの朝食をお願いすることに。


大したことはしていないつもりだけど、こうして感謝されると、やはりうれしい。

やった甲斐があるというものだ。


三枝ばあさまには「みんなのごはん会場を作りたいんだけど」と、相談すると「任せておいて!」と、頼り甲斐のある返事がきた。

目を輝かせたその笑顔は、胸を弾ませる少女のようだった。



漁師たちはうなぎをさばきに、自分は船の修理に行った。



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