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勇者でさえ歯車の一部なら  作者: たっきゅん
女神再臨編
40/81

魔王 ルイン

魔王 ルイン


その名を口にした時、世界は破滅する


「『破滅的な波ディザストラァス・ザ・ウェーブ』」


パリンッ!


何かが砕ける音がしたが、直ぐにそれが何かを知る。一瞬で空気が、空間が破壊されたのだ。目の前の空間に亀裂が入り、視界がぶつ切りのカケラになる。


咄嗟にサクラが魔法を展開する。

「『くいっくれすたーれーしょん』っ!」


空気の亀裂が即座に修復されるが、歪みが生じた空気が荒々しく暴れ回る

「シェイブ!後はお願いっ!」


「任せろっ!『空気沈黙(サイレンスエアー)』っ!!」

サクラからシェイブへ、そして無事に沈黙が訪れる




「ほう。まさかこんな所にいたとはな」


先に口を開いたのはルイン

「女神よ、天界へお戻り下さい」


いきなりサクラに対して頭を下げる


「イヤよ。私は、お兄ちゃんと私の世界と共に歩くと決めたの。またあんな所にずっといるなんてイヤ」


まるで予想していた回答が返ってきた様子で言葉を返す

「貴方がそうおっしゃるならそれも良いでしょう」


その時、マリーが口を挟む

「ちょっと待って!サクラちゃんが女神さまって本当?」


「本当ですよ。私たち魔族は彼女を殺して天界に連れ帰る。その為の存在なのですから。魔王を名乗ろうと世界の歯車の一部なのですよ。ね?サクラ様」


今の会話からサクラの名前を知ったルインが芝居掛かった口調で説明した。


「そうだね。魔王が生まれたのは私のせい。だけど、必ず倒ー「その責任は僕にもある。サクラだけが背負うモノじゃない」」


自分1人で背負うつもりか?そんな事はさせない。

ヘージが言葉を被せる


(じゃあ、私の中の女神さまって…)

マリーは自身の中に女神残滓を感じる。それに魔が取り憑いている状態が今のマリーだった。


「低級魔族呼び寄せを喰らい、完全復活するつもりでしたが、この世界の魔王の元でソレを成すとしましょう」


バサッ


ルインから翼が生えた


「行かせない。『王の誓約プレッジ・オブ・キング』」


何千、何万もの誓約書が現れ、ルインに張り付く

「くっ!オレを縛るなんて!!」


ピオニーの冷たい声が響き渡る

「お前はこの国の民である修道士、友であるブローズを手にかけた。故に、王として果たそう。弔いの約束を」


「ピオニー様…」

セリアは見届ける。人をまだ手にかけた事のないピオニーの覚悟を


「『天国の福音(ヘブンリーゴスペル)』」


教会の鐘が鳴る。

光が空からステンドグラスを突き破りルインに刺さった


「ぐあぁぁああああ」

叫び声が木霊する。

「オレは自由が欲しいだけなのに…」

それはルインの願いだった。


タッタッ タッタッ


「ピオニー様、お客さん来たけどどうする?」


その時、扉から青色の髪の少女が現れた


「スノリェ!」

ヘージが咄嗟に名前を叫んだ。


「ハーハッハッハッ!新たな巫女かっ」

崩れ落ち始めたブローズの体から黒い塊が飛び出して、スノリェに向かう


「乗り移る気なのよね!」

いち早く現状を把握したアリアが叫ぶが遅い



「なんだ。ルイン、こんな所にいたのか」

スノリェの後ろから聞こえる声を無視して少女に乗り移る


「『雷の粒(サンダーグレイン)』」

瞬間、光よりも早い光がルインを撃ち抜いた


バシンッ!


撃ち落とされたルインは、急ぎブローズの体へと戻る


「っ!?誰だ!オレの邪魔をするヤツは」


金色の甲冑をしたノルズリの王


「この世界では『はじめまして』かな」


この大陸最強の男 ソア が現れた。

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