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【完結】明日からモンスターまみれの世界〜剣道家たちが世界を救う〜神からもらった能力がチートすぎた件  作者: opocho


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クマくんと手紙



ブラッドベアは100体ほどの群れを率いていたボスだった。


ボスの陥落に、ここぞとばかりに多くのブラッドベアがオレに挑んできたのだが、その前にクマくんがすべて返り討ちにして改めて傘下に収めていく。


クマくん一派はどんどん増えていく、というか元々ボスなんだから戻ったって感じなんだな。


「クマくん、強いな」

「強いねえ」

「だがまだまだであるな。鍛え甲斐がある」

「ほどほどにしてやれよ」

「無理であるな。我に従うというなら強者でなければならぬ。さっそくやるか」


食後の運動だとヒョウはクマくんを連れて森へと入っていくのだった。


大丈夫か?

とりあえず応援だな。


「クマくん! がんばれ! しっかり師匠から技を伝授してもらえよ!」


オレのエールに振り返ったクマくんが

一瞬、金色の光に照らされたような気がしたが、夕陽の加減だよな? 



翌朝――。


ヒョウと一緒に現れたクマくんは真っ白に毛が生え変わっていた。

恐怖で一晩で髪が真っ白にってやつか!?


「おいヒョウ! やりすぎだろ!」

「何を言ってる。主の加護であるぞ」


なぬ?


「出掛けに加護を与えたではないか」

「え? あれが加護になんの?」

「ヒョウと同じ氷使いになれたのね」


クマくんはこちらに歩いてきてオレに跪く。


「我が王であり師であるヒョウの主であるナツ殿は私にとっては神に等しい存在なり。今日からナツ神と呼ばせていただきまする!」


なんか喋ってるし。

流暢すぎるし。

ちょいクセだし。


「神はダメだろ」

「いえ、ナツ神でございまするぞ」

「いやそういうことではなく」

「願い叶わぬならば……」

「主、諦めたほうがよいぞ。腹を切りかねん」

「ヒョウおまえどんな修行したんだよ!」

「修行とは関係ないぞ。主が剣士だと伝えただけだ」


加護を与えたからには当然、絆も結ばれていた。

そういうものなのか。


クマくんとその一派が仲間になった。

このペースだとどんどん仲間も増えそうだな。


――――――


さすがに100体のブラッドベアは連れ歩けないので、ランクルの拡張拠点とブラッドベアの森を繋ぐことにした。

出入り口は仲間しか通行できないようにクリエイトを施しておく。


オレが出口を開ければいつでも外に出られるからこれはもう立派な軍隊だな。


「主がこのまま異世界を統一すればよいのではないのか?」

「オレが侵略してどうすんだよ」

「でも……確かにそれで解決だよね」

「まさにナツ神!」

「いやなにがまさになんだよ」


ブラッドベアの生態がわからないから魔狼国を森版にアレンジしたものを作り、オレたちの拠点の隣に配置した。

とりあえずクマくんには村の管理をするように命じておく。


「やっと街の探索ができるな」

「朝から大丈夫なのかな」

「とりあえず街の様子をこっそりみてみよう」

「そもそも人間の街とも限らんからな」

「「え?」」

「人間以外にもいろいろいるぞ」

「「あ」」

「当時はエルフ、ドワーフ、獣人、魔人がそれぞれの国を持っていたぞ」


そうだ。

ここはファンタジー世界だった。


認識阻害を強くかけて街への侵入を試みる。

街にはそれなりに立派な城門があり、そこに長い列が出来ていた。


「並んでいるのは人間だな」

「服装は微妙にセーフじゃね?」

「セーフじゃないよ。チャックなんてないし、ボタンだってもっと雑! 生地だってこんなの騒ぎになるよ」


さすが女子だな。

言われてみれば確かに。

全然アウトだわ。

早く着替えた方がいいな。


脇を歩いてそのままノーチェックで衛兵の横を通り過ぎる。

街を守る衛兵も人間なら、ここはもう人間の国で決まりだな。


街の中に入るとまず奥に城がそびえ立つのが見えた。

城まで真っ直ぐに広く伸びる石畳が見事だ。


その左右には大きな建物が並んでいる。

【語学】があるので異世界文字もすんなり読める。


「宿屋、ごはん屋さん、武器屋、防具屋、あ、洋服屋さんもあるな」

「ほんの300年で人間の生活も立派になったものだな」


表通りの店はどれもが大きな建物ばかりだ。

間違いなく高級店なのだろう。


その奥には裏通りがあり、そこにはこじんまりとした店が連なっているようだ。


するとアキが何かを見つけたように声をあげる。


「あ!」

「どうした?」

「あれ! 冒険者ギルドだ!」

「おおー! あれがそうか!」

「主、さすがに声が大きい。何人かに気づかれておるぞ」

「やべ。先に着替えよう」


コソコソと物陰へ。

チャックの拡張入り口を作って拠点に一旦戻る。

クリエイトでアキの指導を受けながら異世界の服をクリエイトして着替えを済ませた。


「それにしてもナビィ遅いな」

「呼んたら来たりして。ナビィーっ!」


本当に出てきた。


「ナビィだよっ! 呼ぶの遅いっ♪」

「へ?」

「リセットかかると呼んでくれないと出られないの! 最初もそうだったでしょ♪」

「そうだっけ?」

「それより手紙!!!」


なんと向こうから返事が届いていた。


――状況了解。こちらは大丈夫だ。魔王を潰せ。石川


――無事の帰還を願ってます。歪みはお任せください。ひかり


――ついでに魔王倒しちまえ! 篠田


――ともに魔王を倒したかったがここは譲ります。頼みました。イザナミ


――主、王、お留守は我らにお任せください。リーダー


ほかにも家町総理や三賢者、カーター大統領、イワンコフ大統領からもメッセージが届いていた。


子どものような文字はハイガだ。

まだ覚えたてだからかな。


「主、やることは決まったな」

「指示が出てるね」

「うん。魔王を倒そう」


街に戻る前にその決意を手紙にしたため投函する。


まずは魔王の情報だ。


「聞き込みならごはん屋さんか?」

「お金ないぞ」

「あー」


そうだった。

どんな紙幣が使われてるかもわからない。


「ならばギルドであるな」

「行こう。決まりだ。男のロマンだ」

「姿を現すことになるからな。しっかり覚悟を決めろ」

「洋服は万全だぜ」

「違う。我だ」

「サイズ変えればいいじゃん」

「あちらとは違う。全ての魔力は隠せぬ。認識阻害を解いた瞬間に騒ぎになるぞ」


そうか。

こっちは魔力ありきだ。

チュートリアルのついたオレたちとは違うのか。


「神獣を従えた冒険者などおらぬからな。なるべく魔力は抑えるようにするが限界はある」

「どうしたらいいんだ」

「魔狼の亜種で押し切るしかない♪」

「亜種?」

「ヒョウを単なる魔狼とするのは無理だから特別個体ってことにしたらいい♪」

「なるほど」

「ちなみに私もレアだからね。なるべく姿は隠しておくから♪」

「うむ。よほどの手練でなければそれでなんとかなるかもな」



その手でいくことにした。

オレはテイマーで登録だな。



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