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【完結】明日からモンスターまみれの世界〜剣道家たちが世界を救う〜神からもらった能力がチートすぎた件  作者: opocho


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四戦目



四戦目が始まった。


京都でアキとスタンバイしていたオレはいつも通りの手順で対応する。


モヤ散布、時間停止、一斉強制転移の予約、時間再開、殲滅落とし穴へゾンビを転送、サイレント雷撃で殲滅、レストアで現場復元。

ここまで5秒。


よし問題なし!

アキを抱いて青森へ転移する。 

ちょうどモヤが晴れたくらいか。


マップには赤い点のみ。

なら一斉強制転移なしでこのまま殲滅できる。

一斉選択のあとサイレント雷撃を直下にぶち込んで完了だ。

ここまで10秒かかってない。


「よし!」

「早い!」


次は国後島……いや師匠の初戦を見ておくか。


「アキ、山梨に向かうぞ」  

「わかった!」


瞬時に転移。

マップを広げて眼下を見る。


「え?」


ものすごい勢いで赤い点が消えていく。

すでに残り僅かだ。


「あ、全部消えた」

「嘘だろ。速すぎて見えない」


師匠の動きは目で追えなかった。

勘が狂うから能力解放は1%のままで、それ以上の足し算はしないでやると言っていた。


単純な直線移動は目に見える。

が、攻撃の瞬間は緩急がついて全く目で追えなくなる。


「師匠!」

声をかけると軽く手を挙げ合図がきた。

目の前に転移する。


「何の心配も不要でしたね」

「そっちは?」

「こっちは魔法なんで余裕ですよ」

「死体はどうしたらいいんだ?」

「一斉回収します。放置してゾンビ犬が生まれてもヤバいですから」


モンモニには遺体を示す黒のランプがあった。

それを一斉選択して1カ所に集める。

深い穴を掘りそこに集めてから炎を撃ち、土を埋めて埋葬とする。


「さあ、国後島を見に行きましょう」


認識阻害を強くかけて念のため認識変更で別人にしてから三人で転移する。


ポイントの上空で二人を抱えて眼下を見る。


あちこちから煙があがり銃撃音が四方から聞こえる。

まだ戦闘中のようだな。


マップを見ると赤の点=ゾンビはまだほとんど殲滅できていない。

代わりに黄色の点が増えている。


「黄色はケガ人。この場合はゾンビ化よ♪」 

「マズイな」 

「急いでホーリー♪」 


オレはまだホーリーは一斉に放てないのでマッピングが使えない。

手当たり次第に撃ち込むしかなかった。

ホーリーはソンビを倒せるのでランダムに撃ちまくっていった。


多少の時間は要したがどうにか黄色の点は全て青に変えることができた。


「どうする? 参戦するか?」

「白兵に参加するには誤射の危険があるよな」

「でも明らかな魔法の援護も後を考えたら悪手だぜ」


「認識変更だ。ロシア兵になろう」


三人とも白人男性のロシア兵に見た目を変更する。


「二手に分かれます。師匠はここから、オレとアキは西から!」

「わかった!」


瞬時に転移して配置へつく。

収納から聖剣を取り出す。

オレは白兵は初経験だ。

落ち着いて対処していこう。

アキも神剣を出している。


「アキ、離れるなよ」


戦場へ躍り出る。

ロシア語で『撃ち方止め!』と叫びつつ銃撃が止まったのを確認して最前線へ。

次々とゾンビの首を刎ねていく。


『こいつらはゾンビだ! 頭を狙え!』


走り抜けながらロシア兵に指示を飛ばす。

ロシア兵が頭を狙い出してこの場は一気に人間有利に変わった。


ケガ人にはバレないようにホーリーをかけていく。


次のポイントへ移動。

ここは完全に混戦になっている。


「これはキツいな」


息を吸い込み、ロシア語で叫ぶ。


『全員しゃがめ!』」


あまりの大声に兵は次々と身を伏せる。


瞬足で踏み込み、ゾンビの首を一瞬で斬り落としていく。

混戦だった戦場を少しずつ制圧していった。


同じくケガ人にはサイレントでホーリーをかける。


『動ける奴は次へ行くぞ! こいつらはゾンビだ! 頭を撃てば簡単に倒せる。殲滅するぞ!』


歓声をあげて付き従うロシア兵を引き連れて次のポイントへ向かう。


ここは広いホールに障害物でバリケードを設置してあり、人間とゾンビが一定距離を空けて戦闘していた。


『無駄撃ちするな! あれはゾンビだ! 頭を狙え!』


オレの引き連れた隊員たちが次々とゾンビの頭を狙撃していく。

現場にいたロシア兵たちもヘッドショットに切り替えて、ゾンビを殲滅していく。


「ナツ!」


向こうから師匠の声がした。


『撃ち方やめ!』


銃撃が止んだところで前に進み、師匠と合流する。


「どうですか?」

「こっちは全部片付けた」


マップを見ると赤点はすべてなくなっていた。

黄色は師匠のルート沿にいくつかあったので、ホーリーを施していく。


どうやらこれで片付いた。

黄点はないし、赤点もない。

黒は消すのもややこしいから放置するしかないな。


「さあトンズラするか」


こっそり出ていこうとしたら腕を掴まれた。


『ありがとう! お前たちの指示が無ければオレたちは全滅だった』

『そうだ。お前はオレたちのヒーローだ』

『やっぱり昨日のビラは本当だったんだな』

『ガセだと決めつけて握りつぶした奴はどんな顔してるんだ?』

『それが相手が不死身だとわかった途端に逃げ出したらしいぞ』

『ふざけやがって!』


国後島に配置されていたのは30名ほどの小隊だったらしい。


アジアの最前線ということで後方には大部隊が控えているようだが、 そもそも平和な日本相手に即時対応が必要だとは思っていないようだな。


口々に感謝を伝えられる。

『気にするな! 仲間だろ!』といいつつ、ちょっとトイレにいく流れで逃げ出した。


マップ確認して人目がないことを確認してから自宅へ転移する。


「おかえりなさい!」


ひかりさんが笑顔で迎えてくれる。

師匠がハグをして抱きしめている。

どうせキスだろ。

まあオレたちが場所を変えるか。


テラスにいきひと休みする。

アキがキンキンに冷えた缶コーラを持ってきてくれた。

ようやくひと息つけた。


ロシアがこの騒動をどう対処するのかはわからない。

国外へ通知するのか、国内に留めるか、国内にも秘匿するのか。


それを知りうる手立てはない。

まずは今回も無事にミッションをクリアした…………とこの時は思っていた。


逃げ出した将校はゾンビに噛まれていた。

残っていれば治療できたのに、彼は部下を見捨てて一人で後方基地へ逃亡し、そこでゾンビになった。


一人のゾンビは次々と仲間を増やし、その仲間が仲間を増やしていく。

軍隊は外からの攻撃には強いが中からの攻撃には弱い。

ロシアの極東エリアはすぐにゾンビの巣窟となったのだった。




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