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【完結】明日からモンスターまみれの世界〜剣道家たちが世界を救う〜神からもらった能力がチートすぎた件  作者: opocho


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18/87

同時発生



監督には親族都合の呼び出しということで外出許可をもらってある。


心配して離れないアキをどうにかなだめて、事態の収拾とともにすぐに連絡をすることを約束し、ようやく宿舎を出ることができた。


人のいないタイミングを見計らってまずは札幌・すすきのに転移する。

立ち入り不可の公園内の隅っこに認識阻害をがっつりかけてからの転移なので誰にも見られることはない。


さて、最終的にアキ、ナビィと立てた作戦はこうだ。


まず空けた穴は使わない。

公園全体が立ち入り禁止になったので、そこと完全に離れたところに新しい隠し穴を開けることにしたのだ。

さらにその穴自体には認識阻害をかけたのでそこに穴があることは誰にもわからない。

重ねて万が一不法侵入した人がいた場合に転落を防ぐために、クリエイトで「落とし穴の蓋」を付けた。

これはゾンビ攻撃のタイミングには瞬時に収納で消せるのでなんの支障もない。


そして肝心のゾンビの目撃対策。


まず写真、カメラについては光を完全に吸収してしまう「新たなモヤ」を歪みの発生直前にクリエイトで散布する。

これは幼少期から大好きだった宇宙あるあるがヒントになった。

光も脱出できないからブラックホールが観測できないことを思い出したのでそのイメージでクリエイトしたらしっかりと機能したのだ。

もちろん電波やレーダーのジャミングも完璧。

ちなみに近年、ブラックホールの撮影に成功した写真が発表されたけれど、あれはあくまで周辺の影響を描いたものでブラックホールそのものは単なる黒でしかない。

いや違うかな? 

まあ確かそんな感じだったはず。


ともあれ、魔法はイメージ、本当にありがたい。


歪みと同時に時間停止をかけることと、モヤが出ているうちにゾンビを回収することも同じく変わらない。

但し回収方法はとんでもなく簡単になった。


【転移/転送】をクリエイトで強化して、「一斉強制転送」というスキルを付加したのだ。

自動マッピングで敵を示す赤点を一気に指定場所に転送することが可能になった。

時間再開と同時にゾンビを新しい穴に強制転移して即時雷撃、そのまま穴を「レストア」で元に戻して終了となる。


最初の穴だけは申し訳ないが何の危険もないことを改めて周知するためにもしっかり安全を確認してもらたいのでそのまま放置となる。

まだ詳しい調査前だから多少は埋めなおしておこう。

あとはごめんね。


ちなみに。

なんと攻撃魔法にはサイレンサー機能も付加したぞ。

これで無音攻撃が可能になった。

なんとも便利になったものだ。


すすきの制圧後は即時熊本城へ転移して、マッピングによるサイレント雷撃でゾンビを殲滅して、レストアで現状回復してから作戦終了となる。


作戦は完璧だ。

さていきますか!



――――――――


結果………。

すべてパーフェクトでした。


すすきのは突如として謎の霧が発生しただけ。

1秒後にはすべて収束した。


熊本はその3秒後に収束できた。


すぐにアキに成功連絡をする。

電話の向こうでアキが泣いているのが分かった。

そんなに心配させちゃったんだな。

まあそりゃそうか。


ゾンビは見せたくないけれど、一度モンスター退治を見せてもいいのかもしれないな。

簡単に片付けているのを見れば安心できるかもしれない。


1分もかけずにミッション終了してしまったのでどうしたものか。

帰っても食事はないからこのまま熊本でラーメンでも食べてから帰ることにした。

熊本城からブラブラ歩いていたら大きなアーケード街に出たのでそのまま探索してみる。

東京にも進出している、熊本ラーメンの桂花の本店があったのでここにしてみようかなと店頭のメニューを見ていたら、綺麗な女性に声をかけられた。


「あの! 江之島ナツさんですよね!」

「え? あ、はい」

「覚えてないと思うんだけど、こないだの王龍旗でインタビューさせてもらった旭川です!」

「あー!」


王龍旗で優勝したときに、アリーナでテレビ中継用のインタビューを受けたのだが、その時のタレントさんだ!

ご本人も剣道をされていたそうで、剣道界ではかなり有名な方だ。


「もちろん覚えてますよ。あのときはありがとうごさいました!」


「覚えいてくれたんですね!……あれ? ところでどうして熊本に? 確かいまはインターハイですよね?」


げ、そうだった。

明日は開会式なのにこんなところにいていいはずかない。


「あー、ちょっとどうしても出席しないといけない親族の集まりがありまして」

「そうなんですね。すみません立ち入ったことを聞きました」

「いやいや、奈良でインターハイに出る選手が熊本にいたら驚きますよね」


監督に使った理由をここでも使わせてもらった。


「桂花ラーメンですか?」

「え、はい。有名なので食べてみようかなって」

「私も気になってて入ろうとしたらナツ選手がいたのでビックリしちゃいました」

「そうだったんですね笑」  


二人で店に入ると自然と同じテーブルに案内されてしまった。


「「あ」」

「……いいのかな?」

「僕はもちろん。旭川さんがよければ一緒に食べましょう」

「そんな。日本一の剣士とご一緒できるなんてうれしいですよ」

「それはこちらこそ。日本一美しい剣道家と同席できるなんて光栄です」


その後は二人で楽しく会話を楽しみながらラーメンをいただいた。


旭川さんはタレント仕事で熊本にロケに来ていたそうだ。

あまり気が合わないスタッフがいたので理由をつけてひとりごはんをしようとしていたらしい。

タレントもいろいろ大変そうだな。

やらなくてよかった。 


すぐにラーメンがテーブルに届いた。

旭川さんが餃子も頼んでくれたので一緒にいただく。


ラーメンはめちゃくちゃ美味かった!

地元で本店なんだっていう心の補正も効いているのかもしれないが太麺好きにはいい具合だった。

まして人気タレントさんと一緒だからね。

大満足して店を出る。


「すみません、ごちそうになっちゃって」

「社会人ですよー。学生におごるのは当たり前です」

「今度東京でお会いできたら何かお礼しますね」

「ならインターハイでもインタビューさせてください」

「え?」

「私も明日からインターハイですよ。館内の実況解説のお仕事があるんです」

「そうなんですね!」

「絶対に優勝して私のインタビューを受けてくださいね」

「はい!」

「楽しみにしてます」

「ありがとうございます! 頑張ります!」


旭川さんと別れて一人で散歩しながら転移のタイミングを待つ。

意外すぎた出会いだったけれど案外楽しく過ごすことができた。


さ、そろそろ大丈夫かな。

辺りを見回してから奈良の宿舎へ転移したのだった。


オレがテーブルに忘れたハンカチを届けに旭川さんが追いかけてきていたことも知らず。 

いつもしているマップでの確認を怠ったこともこの時はまだ気づいていなかった。



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