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【完結】明日からモンスターまみれの世界〜剣道家たちが世界を救う〜神からもらった能力がチートすぎた件  作者: opocho


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二度目のアラート



モンモニが激しく反応した。


思わず顔が強張る。

すかさずモンモニを見ると明日の19時という予想が届いていた。


場所は……2カ所!?

熊本と札幌が記されていた。


一瞬、呆然としたオレの変化に、アキだけが気がついた。


「あ、あー! ナツくん、そろそろ時間なんじゃない?」

「あ」

「明日の準備だよね」

「あ、うん」

「そうか、食事も一緒にと思ってたんだが」   

「す、すみません。インターハイの準備がいろいろあって」

「そうだよな。あっという間だったな。いや楽しかったよ。送っていこう」

「ありがとうございます」

「お食事はインターハイから帰ったらね。楽しみにしていてね」

「はい。事前にお伝えしてなくてすみません。準備してくださってたんですね」

「いいのよ。こちらも配慮が足りなかったわね」

「いえそんな」

「ナツ兄、インターハイが終わったら絶対に稽古にもきてくれよ!」

「もちろんだ、ハル。オレも楽しみにしてる」


みんなとご挨拶をしてお父さんのクルマで送ってもらう。

後部座席に座ったオレは隣のアキに携帯に入力した画面を見せる。


(明日19時 モンスター)


アキの表情が強張る。

2カ所同時だとは伝えられなかった。

きっと心配してしまう。


(大丈夫。あとで連絡するよ)


アキはオレの手を握る。 

アキの手は小さく震えていた。


「ありがとうございました」

「明日からのインターハイ、アキのこともよろしくな」

「はい」

「朝も迎えに来るよ。駅まで送ろう」

「え、いいんですか」

「どうせアキも送るんだ。近所だしもう家族みたいなもんだ。遠慮するな」

「ありがとうごさいます」

「7時に東京駅だったな。6時に来るよ」

「よろしくお願いします」


お父さんのクルマを見送ったあと、家に入ってすぐにナビィを呼び出す。


「せっかく楽しかったのに! どういうことだ」

「同時に2カ所とは驚いたわ♪」

「こんなことあんのかよ」

「前にもあったわよ。Xデーまでに毎日一カ所ずつ出現予想エリアが増えていったの♪」

「前に聞いたな。でもその時には備えが済んでたんだよな?」

「国と世界規模で対応できたわね♪」

「Xデーの前に2カ所同時なんてズルいだろ」

「出現場所にもよるけど、まだゾンビなら転移でなんとかなるかもしれないよ♪」

「人のいない田舎ならいいんだけどな」

「すぐ見に行きましょう♪」


まずは熊本へ。

認識阻害をかけてから、練習試合で訪れた高校の体育館屋上へ転移する。


そのままアラートの中心点に飛ぶ。


「熊本城か」


調べてみると見学の営業時間は17時までだ。

19時には誰も城内にはいないだろう。

職員くらいはいるかもしれないがこれならなんとかなりそうだ。


次に札幌へ。

大会で行ったことのあるドームの屋根に転移する。

マップをみて絶句した。

場所はすすきの、交差点のど真ん中だった。


「……夏休みの週末、金曜の夜だぞ」

「これは……厳しいわね」


こんな場所にゾンビが現れれば間違いなく大混乱だ。


どうすればいい。


「ナビィ、時間停止の概念をもう一度頼む」

「ナツくんの時間停止はまだエリア単位だから、南北これだけ離れたエリアの同時停止はできないと思う♪」

「ひとつずつ止めるのは?」

「2つ目を止めた瞬間に、先に止めた時間が解除される。そもそも時間停止中の攻撃は停止解除のあとにしか行われない」

「攻撃予約みたいなもんか。なら……札幌でまず時間停止して攻撃予約、そのあと停止を解除してから、時間に余裕のある熊本へ転移してって感じならどうだ?」

「そうね。だけど攻撃手段が厳しいよ♪」

「……そうか。人混みで雷撃は無理か」

「感電するよ♪」


雷、炎、水、風、土。

どれも攻撃範囲が厳しい。

ホーリーなんかの聖属性は広範囲をカバーできない。

あとは……光、闇?

どんな攻撃魔法になるんだろう。

イメージできないってことは厳しいな。


だとするとクリエイトするしかないな。

隣に人間がいても影響のないもの。


例えば……レーザーとか。

垂直方向で脳を撃ち抜く。

これか?


……だとしてもゾンビの死体は消滅できないな。

モンスター騒動は……表に出る。


詰んでるな。


いやまだ時間はある。

なにか方法があるはずだ。

落ち着け。考えろ。


目を閉じて深呼吸をひとつする。


「……ナビィ、時間停止中にモノは動かせるのか?」

「動かせるよ♪」

「なら、札幌のゾンビを出現と同時……モヤが晴れないうちにまとめて動かす。前に1時間以上停止できたからなんとかなるだろ」

「どこに?」

「人がいないエリアを作ればいい」

「なるほど」

「道路を陥没させるとか? こないだそんな事故あったよな。立ち入りできなくしてそこに放り込む」

「いいわね。穴が深ければすぐには調査もできない」

「メディアのヘリがバンバン空撮するだろうけど夜ならまあ、大丈夫だろう」

「まあね♪」

「一瞬でもゾンビに気づく人は出てくるかもしれない。でもまずは命を守ることだ。最悪、バレてももうそれはそれだと思うことにする」

「うん♪」


さっそく認識阻害を強くかけて空から陥没させる候補場所を探す。


「大通り公園か、鴨々川か。……大通り公園だな」


周りの木々が多少は目隠しになるだろう。

夏休みで公園の人通りが絶えない。

なるべく早めに事件にしておきたいのて少し乱暴な手を使うことにした。


水魔法で局地的な大雨を降らせたのだ。


突然の雨は真夏にはなくもない。

雨雲もないのがちょっと違和感だが。


突然の大雨に人々は屋根のある場所へと慌てて動いていく。

人が完全にいなくなったのをマップで確認してから土魔法で盛大に大穴を掘る。

まるで底が抜けたような、直径50メートル、深さ50メートルの陥没を作り上げた。


すぐに警察に通報。

同時に穴に誰かが落ちないようにもうしばらく雨を降らせ続けて、マップを睨む。

やがて警察、消防が到着して現地を封鎖し始めたのでそこで雨を止める。


札幌に起きた陥没事故はケガ人ゼロながらすぐにワイドショーやニュースのネタとなったのだった。



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